あれから全く夢を見なくなった。
というか一切見なくなった。
覚えていないだけなのか、本当に見なくなったのかはわからない。
だが、分かることといえばもう夢を覚えていないということだった。
学校に行くと、いつものように席に座り、周りを見回していた。
君はいつものようにほかの人と楽しそうに話していた。
だが、今日は違うことがあった。もう夏休みは終わり、2学期に入っていた。
ある人・彼女が話しかけてきたのだった。彼女は人気者で明るくて、頭がいい。
勉強抜群の上に運動力もよくて、勿論さっき言ったように人気者だった。
だが、どうしてか学級委員長は断っていた。彼女なら絶対に似合うと思ったのに。
「ねえねえ」彼女はやたらと明るかった。
目がくらみそうなほどだった。
振り返ると、彼女は話し続けた。
「ちょっと話し相手になってくれない?」彼女は淡々と聞いてきた。
だが、断ろうかとも考えた。いやな予感がしたからだ。
だが、断る勇気がなく、うなずいてしまった。
彼女はにっこりとしていたが、いったい何を企んでいるのかが気になった。
「ちょっと恋人のことで話したいんだけど…」彼女の言っていることはわかった。
だが、わからなかった。
「なんで?」自分を指さした。
彼女は君を見た。「だって…」やっとどういうわけかが分かった。
「いや、そんな関係じゃないよ」首を振る。
だが、彼女は思ったよりも硬い人だった。なかなか同意しない。
「いや、よく見るよ。二人が一緒にいるところ」どうにか隠すことにした。
「いや、ただ家が隣なだけだよ」彼女は諦めない。
仕舞いには負けてしまい、話を聞くだけ聞くことになった。
「私…好きな人ができたんだ」彼女からストレートにその言葉が来た。
しかも、恋人会話の一番初めに出てきた言葉だ。
「それで、告白したの?」告白をする大変さを知らないので、普通にそう聞いた。
彼女は首を横に振った。「恥ずかしすぎるよ」彼女にそんな感情があったなんて、と少し驚いた。
「それで、私に何を言いたいの?」彼女は少し顔を赤くしながら告げた。
その時、私の顔はいったいどんな色だったのかはわからない。
普通に薄い桃色だったかもしれないし、少し赤かったかもしれない。
だが、心臓の音が聞こえてきた。君に告白する、ということを考えてしまったからだ。
「告白に付き合ってほしいの」私の心がどっきりとした。
告白というのは普通、誰もいないところでこっそりとすることだと思う。
だが、彼女の言っていることは普通におかしい。おかしすぎるのだ。
「普通の人ならオッケーすると思うよ。完璧少女なんだから」彼女は目をそらした。
「それが…その…恋愛経験が一切なくて…」そういわれて、私も尾内ことを言った。
「私も恋愛経験0だよ」付き添うことはまあ、いいとして、何かで助けることができるかは別だ。
普通に言って、多分無理だろう。
「それでも!」私は推しに負けてしまい、同行することになった。
いやな予感以外しなかったが、ついて行くだけならどうってことないだろう。
私はその放課後、彼女の家に向かった。
家で会いたいといっていたようだったからだ。
「…」目の前で見たものはあっけにとられるものだった。
それこそ…
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