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「だってお前、真っ黒だもの」瘋癲フウテンが言った。
俺は自分を見下ろしてみると、体が真っ黒になっていた。
「なんで!?」慌てて払いのけようとしたが、くっついて離れなかった。
仕舞いには捕食数ることにしたが、おいしかと訊かれたら全力で首を振っただろう。
「グェ~…」俺は地面に寝転がり、ペッちゃんこになってしまった。
それを見ていた瘋癲フウテンたちは大笑い。
俺は起ころうとしたが、そんな体力がなかった。
この黒い物はめちゃくちゃおいしくなくて、体内を殺したかのような感触だった。
触れてもないのだが。
「とりあえず、あれをどうにかするか」そのままダンジョンをふさいでいる大きな黒い股のところまで行った。
瘋癲フウテンがつついてみたが、何も起きなかった。
だが、俺がつついてみると、あることが起こった。つついた俺の無い手に黒い跡ができたのだった。
それはさっきと同じだった。捕食すると、めちゃくちゃ不味かった。「これってすべてを捕食できるか?」瘋癲フウテンに訊かれ、俺は思いっきり首を振った。
「殺す気か!」俺はめちゃくちゃ弱い体で瘋癲フウテンに体当たりした。勿論、全く効果はなかった。
「いや、じゃないと使えないよ?ダンジョンが」確かにそれはそうだった。だが、そうすれば俺はまた数時間は寝たっきりになることだろう。それも困る。
だが、そうしないとダンジョンは使えないかもしれない。俺はため息をついた。どうやらチョイスは一つだけのようだ。彼らの顔を見ればすぐにわかることだった。
「それじゃあ…」俺は全てをソウルに任せた。
自分はそれが起きている間は、寝ておくことにした。起きた時にはすべてが終わっていることを願って。

「………」俺は目が開いた。
どのぐらいたったのだろうか。俺はベッドの上に乗せられていた。
いったいどうやってベッドを作ったのかはわからない。
だが、俺は起きるとすぐに落ちた。
まるで体が真ん丸のようだった。
飛び跳ねることもできなかった。
な、何が起こってるんだ? 今の状況がわからなかった。
おーい、ソウルよーい。 少ししてから返事は帰ってきた。
今はどうなってるんだ? 質問したかったことを訊いた。『はい、今はあのブラックボールを捕食したことで、体が変形中です』
ど、どういうことだ!? 俺は目を丸くして動こうとした。『それと、その状態では動くことが不可能なので、あと速くて3日は待ってください』
“速くて”、ということはそれ以上かかる可能性もあるということだ。3日でも長いのに、それ以上待たないといけないのはめんどくさかった。
だが、それ以外に方法がないなら待つしかないのだと俺は諦めることにした。
とりあえずどうにか誰かを呼べるか? 訊くと、少しの間ソウルから沈黙が流れてきた。
『自分のスキルを覚えていませんか?』俺を馬鹿にしたような言い方で伝えてきたのは少しイラっとしたが、考えてみれば超音波があった。
それは別に口を動かす必要はない。音を出すことができるだけだ。
「その方法があったか…」その後、誰かを呼ぶと、ホノが現れた。
今の状況を説明したが、情報量が多すぎて彼女の頭はパンクした。
「分かった」それだけ言って、分かっているふりをしていたが、絶対に若手いなかったのは確実だ。
とりあえず、俺がわかることはそれから数日間は動けないということだ。
そういえばこの現象は最大でいつまで続くんだ?
『最大というのは存在しません。5年かかることもある可能性はあります』
は!?