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「モー!」私は蓮太に怒ったままだった。
だが、蓮太は全く気にしていなかった。
私がプンプンと怒っているのに、彼はテントウムシを猛スピードで追い回していた。
テントウムシは命がけで逃げていた。
まるで助けてくれー!というように木の上に上ったが、彼も木に上っていった。
「アハハハ…」私はあきれるだけだった。
私はとりあえず地面を歩いていたアリを眺めていた。
必死に働くアリたちを見ていると、自分がどこまでのんびり屋なのかを思い知らされた気がする。
「もっと働かなくちゃ!」すると、嫌みが真横から聞こえてきた。
私の頭が破裂して彼を追い回し始めた。
結局追いつかなかったけど。
私は息切れたまま教室に向かった。
めちゃくちゃ疲れた。
「あ~と~で~懲らしめてやる~!」私は悔しくて呪いのような言葉を口から出した。
周りにいたクラスメイトは多分引いたと思う。
私は授業中は普通に過ごした。
昼休みは屋上に行かず、裏庭に行ってそこにいる生き物を眺めていた。
考えてみれば、私よりもこの生き物のほうが頑張っているかもしれないと思った。
どうしてそんなくだらないことを考えていたのかはわからない。
だが、そう思ったのだった。
どうしてかはわからない。
「あーぁ」私はため息をついた。
自分がこんな小さな生き物に負けたと思うと悔しくてたまらなかった。
「こうなったら!」私は家に帰ると机に向いて教科書とノートを取り出した。
「ヌオォー!」頑張っていたが、どうして自分が負けたのかを思い知ることになった。

5分後…

「ダるー」机にまだ向かっているが、背もたれにもたれかかってボーっとしていた。
たったの5分でめんどくさくなり、勉強をやる気がなくなってしまった。
「そもそも何から始めたらいいのかがわからないー!」そこからが問題だったのだ。
私はベッドの中で転がりまわった。優真に案を訊くこともできるが、それはこう…いやだ。
「どうしたらいいのよー!」すると、いい方法を思いついた。
優真には聞きたくない。死んでも聞きたくはない。
だが、彼と同じ賢さの咲良なら聞いてもいい気がした。
「よっしゃー!訊きに行くよー!」私がベッドから降りると、声が飛んできた。

『カット!』私はふくれっ面になった。
「マネージャー、何もおかしいことはしてないよ!」マネージャーが笑みを浮かべた時はいいことがない。
『それは優真に訊け』私は超高速拳骨をマネージャーの頭に落とした。
「そういうところは私が決める」彼は頭をさすりながらふくれっ面になりながらも言った。
『やり直し!』

「よっしゃー!訊きに行くよー!」私がベッドから降りると、声が飛んできた。
私は戸を開けると、飛び出していった。

「お邪魔しまーす!」私はドアをノックすると、中から咲良が現れた。
「どうしたの?こんな夕方に」私は外を見てつぶやいた。「まだ午後4時だけどね…」
私が要件を言うと、彼女は戸惑い始めた。「い、いや、私は別に…」彼女はめちゃくちゃ戸惑っていた。
そして、それをめちゃくちゃ賢い私が察したのだ。やっぱり私は賢いと思う。『勉強5分でやめたやつがかよ』
今のは聞こえなかったこちにしておこう。「お願いできる?」私は猫のように頼んでみた。彼女はそういうのには負けると知っているからだ。
「モー!」彼女は弱いところをつかれてしぶしぶと引き受けた。「よっしゃ!」私はうれしすぎて、指でVサインを作った。

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