オーシャン・シー❚海底のカヌー
「…ということを考えている」僕たちが説明すると、彼らは頷いた。
どうやら僕たちの考えに同意したようだ。
「とりあえず、そういうことだ。まずはとにかく人探しだ。今は生きている人が重要だ」僕たちはボートを走らせて二手に分かれた。
ほとんどのボートは沈んでいたので使い物にならなかった。エンジンが壊れてしまえばカヌーのように子がないといけないからだ。
「その方法があったか!」僕はそう考えると、海の中に飛び込んだ。
一番いい方法だった。
カヌーを見つけることができればたくさんの人が海の上を移動できる。
ちょうどボートの真下には小屋があった。
木になったので中を見てみると、目を丸くした。
そこにはカヌーが並んでいたからだ。
その近くには湖があるようだった。
多分カヌーの探検場として使われていたらしい。
今は海の中に埋まっていたのだが。
1つだけ外すことができた。
だが、問題が起きた。
水の抵抗が原因で上に上がらなかったのだ。
僕は息が切れてきたので慌てて上へと昇っていった。
「ブハッ!」自ら顔を出すと、ボートによじ登った。
息を整えると説明した。
「ということはどうにかそれを持ち上げないといけないってことか…」僕は頷いた。
まさにそういうことだ。だが、佐々木は何か方法があったようだ。
「ちょっと嫌な方法なんだけどさ…」彼女はどうやら考えていることに少し不満を抱いていたようだ。
説明を聞くと、僕も嫌になっていてしまった。
方法はただ一つだ。死体を下に敷くという方法だ。
死体の体内にはガスがたまる。そして、それは浮くことがある。
それを利用するという方法だった。
多分これはほかの人に見せないほうがいい方法だろう。
「それ以外に方法が思いつかない。試してみるか」僕と佐々木は海の中へ飛び込んだ。
近くにあった死体を一つだけ持ってきた。
死体は上を見たまま茫然としていた。
多分、逃げようとしたが無理だったということだろう。
かわいそうに… 僕は心の中で思ったが、そんな状況じゃなかった。
カヌーを引きずって小屋の中から出ると、死体の上に覆いかぶせた。
だが、違う問題が存在した。
いったいどのぐらいかかるかがわからないということだ。
僕たちは一時間ほどジーっと待った。
波が鳴る中、ずっと待った。
だが、なかなか浮き上がってこなかった。
「まあ、そうなるよな」少女・星田那留のお父さん・星田圭太がつぶやいた。
「何日も待たないといけないだろう。あれから大体2日は立った。だが、それでも待つ必要がある」
仕方なく、太い紐を引っ張ってきてカヌーにつけた。
「というか…最初っからそうすればよかったんじゃないか?」圭太に言われ、僕はハッとした。
ボートに括りつけ、ゆっくり走り始めるとカヌーが海の中を泳ぎ始めた。
「それで、大洋」圭太は僕を見てきた。「パドルがないのに、どうやって使うんだ?」僕は考えてからハッとした。
「とってくるの、忘れてた」「…まじか…」
結局僕は急いでパドルを2個とってきた。念のためにだ。
山の目の前に戻ると、パドルを持ってカヌーに乗ろうとした。
だが、また問題が現れた。
カヌーはまだ、海の底にあるだ。