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「本当に、びっくりしたよ!」私は友達の晴美に投げつけるように言った。
彼女はため息をついた。彼女はため息をつくと、少しだけ笑った。
「まあ、家族といえばそういうものじゃないの?」私も同意しようかと思ったが、気になったことがあった。
「というかさ、あの2人ってまず、双子なのかな?」ずっと気になっていたことだ。
彼女は首をかしげた。「そりゃああの2人は双子でしょ、じゃないとあんなにくっつく?恋人って感じでもなさそうだし」
だが、私は気になったのだった。あの二人が本当に双子なのか。
もしも双子なら、違いすぎるのだ。髪の色も、目の大きさも、体の大きさも、何一つとしてにていることがないのだ。
「…」考えているだけでは何もわからない。
まずは一番最初に普通のことをした。
「お邪魔します…」私は彼らのところに行った。
勿論、直接家に行った。
「あら、いらっしゃい」ヒカルのお母さんは普通に入れてくれた。
いつかは普通に強盗が起きてもおかしくないほどだ。
強盗が起きていないのはここにすごいものが置いていないからだろう。
「ちょっと聞きたいことがあるのですけど…」2人に訊かれては厄介になるので、こっそりとヒカルのお母さんに訊いた。
聞き出すことができるかもしれないと思ったからだ。
「あの二人って双子ですか?」ヒカルのお母さんは少し考えてからにっこりして答えた。
「ええ、数か月別に生まれたけど同じ齢で言えば双子よ、それがどうかしたの?」私は首を振って、その場を離れた。
まだ二人と話す勇気がなかったのかもしれない。違う理由かもしれないが、2人と話すときではないと思った。
それから数日間はできるだけヒカルと一緒にいた。
何かがわかるかと思ったのか、わからない。
もう、自分が何を考えているのかもわからないほどになってきた。
「ねえ」私はやっと力を振り絞って訊くことができた。
「ん?どうした?」ヒカルはやたらとのんびりしている。
今まではホノカで大変だったからかもしれない。
「2人って本当に双子なの?」彼はそれを聞いて、一瞬だけ反応を見せた。
やはり何かが怪しいと私は察した。
「いや、そりゃあ双子だよ。まあ、兄弟のほうがあってるかもしれないけど…」彼は急な言葉に驚いているのかもしれない。
私はそのまま聞き続ければ、本当のことを教えてくれると分かったので、その通りのことをした。
「絶対何かを隠してるでしょ」彼は何かを隠している。
私はそのまま攻め続けた。「今、反応がおかしかった。やっぱり何かを隠してるでしょ」彼はため息をついた。
どうやら本当のことを教えてくれるみたいだ。本当なのかはわからないが、本当のことを教えてくれるだろう。
「でも、他の人たちには伝えないようにね。って言いたいところなんだけど…」彼はため息をついた。
私はまだ、何か知らないことがあるのだろうか。と、思った。なので、彼を見た。
「もう教えたでしょ、本当のこと」彼はそのままどこかに歩いていった。
私はそこに茫然と立ちすくんだ。言葉が口から出ない。
そんなことは一切覚えていない。いったいいつ教えてもらったのかもわからない。
「ぇ?」

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📖上鍵です『|上鍵《じょうかぎ》と呼んで』小説家🛜lvl @コメント/返信99.9%