シャドウキラー(50)
少年はため息をついた。「本当に君は何者なんだ」彼はくるりと回ってもう一度ため息をついた。「その頼み事は引き受ける。だが一つだけ条件がある。」彼は後ろを見た。「彼女も連れて行かせてもらおう。彼女は僕より強いからね」すると、33番はちょっとだけ噴出した。「そうね、彼女は私たちよりも強い」デリルガは彼女の場へと近寄った。「どうしてわかる」
333番は遠くを眺める目で答えた。「あれは数年前だった。私が大体18才のころかしら。2人の少女が現れたの。一人は2486番、もう一人は2487番。あの2人はやんちゃで壁をひょいひょいと飛び越えていた。とげとげの壁でも軽々と飛び越えていた。いったいどこから来たのかはわからなかったけど銃弾でも素手でキャッチしてた。到底私ができなかったこと」どうやら333番とこの少女は知り合いのようだ。
「とりあえずその場まで連れて行ってくれ。君たちは考えていることがわからない」
少年をその場まで連れて行くと彼は何かを言い出した。「こんなところがあったのか」宙に現れた3次元の図を眺めて彼は感心した。
彼は333番にマップを譲った。「これは透き通ることができる。これで探して」そういうとその場を去っていった。
少しするとまた戻ってきた。「それとこれはあと30分で消えるから」言い残すと2人はその場をまた立ち去った。
彼が消えてからすぐ後に時間が動き始めた。
「これを使ってどうやって見つけるってんだよ」だが、333番には考えがあるようだ。
彼女は顔を3次元の図に突っ込んだ。「いた」彼女はすぐに見つけた。デリルガも顔を突っ込むとそこには黒い男が地面に座っていた。いったい何をしているのかは真っ暗で見えなかったが、そこに男がいるのだけはわかった。
「それじゃあ行くぞー!」全くの悩みも持たずに駆け出して行った。それからすぐ後に何かが壊れる音がした。
333番はその後を追った。
そのころ、666番とボスは歩き回っていた。
すると、奥からどたどたと足音がして来た。「いったい何が起きているのだ」ボスは言ってからすぐにわかった。「追うぞ」2人はすぐに足音を負い始めた。666番も誰かは予想が付く。
そのまま走っていくと地面にデカい穴が開いていた。「個々の中に入ったのか」と、後ろから333番が現れた。「この穴アを掘ったのはデリルガなのか?」ボスは少し信じることができなかった。
彼女は頷いた。「彼はまるでモグラですよ」ボスは迷う前に穴の中へと飛び込んでいった。
そのあとを2人は追った。「来たのか」暗闇の中から声がした。目が暗闇になれるとあり得ぬものを見た。デリルガが地面に倒れていたのだ。胸から血を流していた。
だが、不思議なことに出血が止まっていた。そのことに暗闇の何かは気が付かないようだ。「いったい何のためにやる、999番よ」すると、999番は鼻で笑った。
99番が穴の中から出てくると、やはり黒い服装をしていた。「何が悪い。我は我の生きたいようにする。それだけだ」怒りの血が頭まで登ったのか、ボスは999番の払めがけてこぶしをぶち込んだ。
だが、音が出ない。何の音も。音がしたとすればバシ!という腹にあたる音ではなかった。