150周年パスで超快速スノーラビットと特急いなほに乗った話
2022 年 10 月、新橋~横浜間に鉄道が開業してから 150 年となる節目を記念し、「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」というフリーきっぷが発売された。特急や新幹線も含めた JR 東日本の全線に3日間乗り放題で、指定席も4回までは無料で取れて価格は 22,150 円という破格のきっぷだ。私は残念ながら都合がつかず見送ったが、翌年の2月にも再販されたため嬉々として突撃した話。
あまりにもオトクなのでとりあえず購入してから旅程を考えるという行き当たりばったりな行動にでたが、ちょうどこの時ほくほく線の超快速スノーラビットが廃止されるという情報をゲット。「これは乗りに行かねば!」ということでほくほく線を軸に旅程を組み、日本海に出てから新潟・酒田・秋田・青森と北上し最後は東北新幹線で帰るという形になった。
なお、150周年パスは JR 東日本のほかに各地の3セクや三陸鉄道、伊豆急、富士急などにも乗車可能で、ほくほく線も対象だ。三陸鉄道を含むフリーきっぷは珍しいため、10 月は三陸鉄道の乗りつぶしに出かけた人々で大混雑していたらしい。
上越新幹線に乗車
というわけでさっそく旅行開始。スノーラビットは越後湯沢駅を 9:14 というなかなか早い時間に出発するため、都内から向かう場合は朝早く出なければならない。
ところで、上越新幹線の越後湯沢行きはスキーシーズンのみガーラ湯沢行きとして運行する。越後湯沢~ガーラ湯沢は以前乗りつぶした南博多線と同じく、新幹線車両が走る在来線という珍しい扱いになっており、せっかくなら乗りつぶしておきたいという思いがあった。
で、大宮駅に到着。途中駅からの乗車になるため指定席を取っておいた。
乗車は1時間程度のため「自由席でも良いのでは?」という気持ちもあったが、朝食を摂取したかったため指定席1回分を消費。まあ始発の東京駅で自由席争奪戦に参加すれば解決する話だが、家を出る時間がさらに早くなってしまうため却下。
隣にやってきたこまち・はやぶさをスルー。ホームを歩いている人の腕がおもいっきり入り込んでしまった。
ガーラ湯沢行きのたにがわが滑り込んでくる。予想通りスキー客で満載。
で、あっという間にガーラ湯沢に到着。
さすがスキー場ということで雪山が眼の前まで迫っている。
改札を抜けると……
スキー場に直結。これはなかなか便利な構造だ。
といっても、私はスキーをしに来たわけではないので大量のスキー客をかき分けて普通に外へ出る。駅の外へ出るような導線はあまり考慮されていないらしく、下へ降りる階段を見つけるのに少し苦労した。
ちょうど外へ出たタイミングで無料のシャトルバスが到着。これに乗って越後湯沢駅へ戻る。
このバスもスキー客だらけ。
おおおお道路脇にめちゃくちゃ雪積もってる。冬に雪国へ行った経験があまりないため、こういった景色は新鮮。
で、越後湯沢駅に到着。
スノーラビットに乗車
いよいよ本日のメインディッシュとなるほくほく線へ。
こちらがスノーラビット。使用車両は完全に普通列車だが、特急を除けば国内最速のバケモノ列車だ。私が乗車したタイミングではボックスシートはすでに埋まっていたものの、ロングシート部分にまだ空きがあった。
発車 10 分前くらいにはロングシートも完全に埋まり、立ち客も多く乗せた状態で越後湯沢を発車。しばらくは上越線を快走し、六日町から分岐して山へ突っ込んでいく。車窓は一気に田舎景色へと変わり、一面の銀世界を拝みながら長いトンネルへ。
ものすごい勢いでトンネル内の美佐島駅を通過。トンネルを抜けると周りには住宅が広がり、飯山線と合流して十日町に停車。いくらか乗降があった後、発車するとまたすぐに分かれて信濃川を超える。
ここから先も長いトンネルが続くが美佐島駅のようなモグラ駅はなく、集落付近でひょこっと地上に顔を出して駅に到着する感じだ。
それにしてもすごい雪だ。
ホームも溶けた雪でびっちょびちょ。
そんなこんなでトンネルを出たり入ったりを繰り返すと、突然車窓がガラッと変わって雪のない田園風景に。
地平線まで見渡せるのすごすぎる……まさに新潟といった景色。
信越本線に合流し、直江津駅へ。
ほくほく線はトンネルが多いものの車窓は変化に富んでおり、なによりも途中駅を特急のごとくガンガンすっ飛ばしていくのは大変気持ちの良い体験だった。廃止になってしまったのが本当に惜しい。
新潟を目指す
スノーラビットはこの先さらにえちごトキめき鉄道へ直通し新井まで向かうが、私はここで下車。
直江津は典型的な地方のジャンクション駅といった感じだ。乗り換え客がそれなりにいるものの、駅周辺の人通りはまばら。
で、ここからは特急しらゆきに乗って北上する。
途中駅からの乗車になるため指定席を利用したかったが、予約時に空席が多かったため「自由席でもいけるのでは?」と思い1回分節約。……が、残念ながら窓側は全て埋まっていたため、通路側に座ってチラチラ車窓を眺める形になった。そのため道中の写真はなくそのまま長岡駅に到着。
「なぜ新潟へ行くのに長岡で下車?」と思ったかもしれないが、実はしらゆきで行くと2分で特急いなほに乗り換えなければならず、ややリスキーだ。そんなわけでここからは再び上越新幹線に乗車。
普通の旅行であれば特急券を2枚発券するのは割高になってしまうため、確実に2分乗り換えを選択していただろう。フリーきっぷだとこういう贅沢な使い方ができて良い。
特急いなほに乗車
そんなわけで一瞬で新潟に到着。上越新幹線と特急いなほはスムーズな乗り換えができる親切設計となっており、ホームの中間改札を通ればすぐにアクセスできる。
こんな感じで並行して停まっている。
で、いなほは指定席を取った。「いやいや、始発なんだからこっちは自由席にしてしらゆきを指定席にすれば良かったじゃん」とツッコミがきそうだが、どうしても新潟~山形県境付近の日本海を拝みたかったのである。
席について発車を待っていると、隣のホームに先ほどまで乗っていたしらゆきが滑り込んできた。信越本線が東からぐるっと回ってくる構造になっているため、長岡で同じ方向を向いていた在来線と新幹線が新潟では反対向きになるという面白い光景が見られる。
新潟を出てしばらくするとまたしても地平線まで続く田園風景。
村上を過ぎると一気に海へ近づき日本海の荒々しい景色を拝むことができる。
ただ、この日は穏やかな天候だったためあまり荒れていない様子だった。
左奥の方にうっすら見えるのは粟島。新潟の島と言えば佐渡ヶ島が有名すぎるが、粟島も立派な有人島である。離島ってなかなかロマンあるよなあ。
県境を越えて山形県に入り、しばらくすると再び海から離れ車窓は田園風景に変わる。
で、ようやく初日の終着地である酒田駅に到着。特急いなほはここで終点となる便が多く秋田まで向かうのは少数派だが、この便は 150 周年パスによる混雑の影響で秋田まで延長運転するらしい。
反対側のホームには観光列車の快速海里が停まっていた。特急いなほと同じく新潟~酒田を走る列車で、快速ゆえに 18 きっぷでも指定席課金だけで乗れる乗り得列車だ。
というわけで本日の乗り鉄は終了。ここからは酒田の観光を始める!
……といきたいところだが、キリが良いので一旦ここで一区切りとする。次回は酒田の観光と羽越本線の北上旅を執筆予定だ。
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