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伊予鉄の市内電車を乗りつぶして松山城と道後温泉に行った話
四国をレンタカーで1周する旅行記、その4。松山編!
前回は四万十市から四国の西側をぐるっと北上し、沈下橋や下灘駅を観光しながら松山市に到着したところまで扱った。松山では2泊する旅程のため、1日目は松山市の観光と鉄分補給に専念する。
伊予鉄の市内電車に乗る
松山の鉄道と言えば、オレンジ色が特徴の伊予鉄道。松山中心部の松山市駅を拠点とする私鉄で、路面電車と郊外へ向かう3路線を運行している。残念ながら郊外路線を乗りつぶす時間までは確保できなかったため、今回の乗り鉄は市内電車のみ。
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というわけで、毎度のことながら朝早くに同行者が眠りこけている中こっそりと宿を脱出し、最寄りの電停へ。
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市内電車は最新型の低床車両なども走っている一方、博物館から抜け出してきたようなレトロ溢れる車両も多い。
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木製の床と壁、そして車内に鳴り響く吊り掛け駆動の音色、とてもエモい。
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ところで、市内電車の路線図を開くと環状線に支線がちょこっと生えた形をしている。しかし実態としては、松山市駅を出る便で環状運転するものは半分程度だ。さらにJR松山駅前~道後温泉の便は松山市駅をスルーするため、全体としては環状線の北半分を走る便よりも道後温泉へ行く便の方が高頻度となる。
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便数の違いは線路容量にも表れており、道後温泉方面は複線なのに対して環状線の北半分は単線だ。この区間は専用軌道で交換可能駅も設置されているため、路面電車というよりは普通の地方私鉄といった雰囲気。
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そんなわけで反時計回りに環状線を回り、途中の古町駅で下車。郊外路線の高浜線と接続する駅で、車庫も設置されている。
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高浜線はほぼ全線にわたって複線で、一部高架区間もあるなど地方私鉄にしては高規格な路線だ。ただし全線単線の横河原線と一体となって運用されているため、便数的には設備を活かしきれていない感はある。高浜線オンリーの便はあまり需要が見込めないのだろうか……。
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古町駅で面白いのが、鉄道線と軌道線の平面交差。上の写真で高浜線の列車が通過した線路を路面電車が斜めに横断する。線路幅は同じなのでぱっと見の違和感はないが、サイズ感のだいぶ異なる2路線が平面交差しているのはなかなか面白い。
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……とここで「いやいや、伊予鉄の平面交差と言えば大手町駅でしょう!」と思った方もいるかもしれないが、大手町駅は華麗にスルーして松山市駅へ。郊外路線は今回乗りつぶさないと前述したが、この区間だけは高浜線に乗車してみた。
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いよてつ高島屋を擁する松山市駅は、まさしく都市のセントラルステーションといった風貌。ここから東に広がる繁華街に向かってアーケード商店街も伸びており、かなり活気を感じた。
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その後は再び市内電車に乗り換え、宿に戻った。朝の鉄分補給はこれにて終了。
松山城観光
で、他のメンバーと合流。ここからはオタク要素薄めの一般的な旅行記……と思ったら道中で走行中の坊ちゃん列車を発見。まさか走っている姿を目撃できるとは思っていなかったのでラッキー。
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さすがに今の時代に街のど真ん中で煙を撒き散らすわけにはいかずディーゼルエンジンとなっているが、それでも路面電車という括りで見れば気動車&客室列車というのは日本唯一だ。
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で、気を取り直して松山城へ。城へ向かうルートはいくつかあるが、観光ルートとして一般的なのは東雲口から入るルートだろう。麓の商店街も整備されておりまさしく観光地という雰囲気。
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階段を登りきったところで見えるのが、東雲神社。参拝してから城へ登っていく。
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ちなみに最初の階段の時点でかなり体力が奪われるが、ここから先の坂もけっこう急なので注意。体力的に不安があればロープウェイやリフトを利用すれば良い。……というか我々も登りは課金すべきだったかも。
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街の方を望むとだいぶ登ってきたことがわかる。
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で、城に到着。
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松山城は前々回の高知城と同じく、平地の山に建てられた平山城。景色は大変良い。
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それにしても松山は高い建物が多いし、見渡す限り山にぶつかるまで都市が広がっており、縦にも横にも広いことがわかる。四国と言えど意外と都会。
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そんな見晴らしの良い立地の松山城。規模は非常に大きく、本丸内で現存する建築物は21棟もある。これは二条城に次ぐ日本2位の多さだ。
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真下の敵を撃退するための石落としも随所に設置されており、堅牢な作りであることが見てとれる。
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そんなわけで入城。
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天守閣は江戸時代後期に再建されたものとなっており、江戸時代以前からの天守閣が現存する 12 城の中では最も新しいとか。
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城内の階段は梯子かと思うレベルの急傾斜。上り下りの際は注意が必要だ。
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防衛のため城内はかなり複雑な構造になっており、上から眺めるとなかなか面白い。
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で、天守閣の一番上まで登るとこんな感じ。松山市街を一望できる。
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遠くにうっすら見えるのは瀬戸内海。
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……といった感じで松山城の観光は終了。次の目的地へ向かうため下山した。来た道を戻りたくない原理主義者としては往路とは別のルートで下りたかったが、旅程の都合上同じ道を往復になってしまった。
道後温泉へ
で、次の目的地は道後温泉。まさしく松山観光の王道ルートな感じだ。
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道後温泉駅のすぐ近くにあるのが、坊っちゃんカラクリ時計。
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時間になると音楽とともにガタガタと動き出し、カラクリたちのパフォーマンスを楽しむことができる。ただあまり派手なものではないため、坊っちゃんの原作未読だと微妙かも。
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で、駅から伸びる観光地要素強めのアーケード商店街を抜けると道後温泉に到着。
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言わずもがなの有名観光地。この道後温泉本館は国の重要文化財にも指定されている。
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近くの高台には無料の足湯スポットが用意されており、そこからの眺めもなかなか良い……が、この時は改修工事中で建物の大部分が隠されていた。現在は工事も終わっているらしい。
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ちなみに道後温泉は山がギリギリまで迫った平野の縁に立地しており、少し歩くと急坂にぶつかる。
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なかなか登りごたえのある階段だ……。伊佐爾波神社という神社らしく、一応参拝しておいた。
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で、周辺の観光も済ませてようやく道後温泉に入浴……といきたいところだが、私は入浴すると体の電源が切れてしまう人。前々日の高知でうっかり昼から温泉に入ってぐったりしてしまった反省から、今回はここから別行動。
鉄分補給第2弾
というわけで、ここからは再びオタク要素濃いめの旅行記。道後温泉駅に停まっている坊ちゃん列車を眺めた後、市内電車に乗車。
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松山市駅へ寄り道しない便に乗り、終点の JR 松山駅へ。松山市駅に比べると町外れで駅舎もショボくまさしく田舎駅といった雰囲気。
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駅構内にはバリィさんがいた。
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前日の下灘駅では JR 四国に一銭も落とさない迷惑観光客だったため、ここでは入場券を購入して還元。
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で、ここから電停1つ分歩いていき、大手町駅へ。伊予鉄で一番の見どころ、ダイヤモンドクロッシングだ。
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前々回の高知でも紹介したが、鉄道の線路と線路が平面で直交するのは大変珍しい。高知では立場の等しい軌道線同士のダイヤモンドクロッシングだったが、松山では鉄道線と軌道線。踏切扱いのため路面電車側が一時停止するという運用だ。
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もちろん鉄道線の通過時には軌道線が待たされることになる。この光景が見られるのは全国でもここだけ。
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ダイヤモンドクロッシングを通過する際の「ガタガタガタ!ガタガタガタ!」という音が大変心地よい。
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ちなみに踏切すぐ横に電停があるため撮影はここから行うのが良い……が、電停のスペースは非常に狭い。ダイヤモンドクロッシングに気を取られて、後ろから接近してきた路面電車に接触……などといったことがないよう、周囲に十分注意して撮影しよう。
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正直無限に見ていられる光景だったが、日も傾いてきてしまったため移動。
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環状線を縦断する6号線に乗り換えて、乗りつぶし再開。ここと古町~JR松山駅前を乗車すれば市内電車は完乗達成だ。
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6号線の終点、本町六丁目は環状線との接続駅。しかし両路線の電停は少しだけ離れており、6号線は環状線の踏切直前に突如出現する車止めに遮られて力尽きるという、路線の力関係が如実に表れた構造になっている。
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なお現在6号線は本数の削減が進められており、なんと平日に7往復しか運行していないとのこと。休日運休で平日もお昼すぎには終電という、乗りつぶし難易度がだいぶ高い路線になっている。廃線しかねない勢いなため、乗っておきたい人は急いだほうが良いかも。
大観覧車くるりんで夕日を見る
本町六丁目で環状線に乗り換え、内回りでぐるっと松山市駅へ行き全線完乗を達成。そのままいよてつ高島屋を登っていき、大観覧車くるりんへ。
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正直こういったアトラクションにはあまり興味がないのだが、鉄分補給に使用した市内電車1Dayチケットにくるりんの無料券が付属していたため使ったという大変受動的な動機だ。しかし景色はめちゃくちゃ良い……!これは来てよかった。
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ちなみに現在は無料サービスを終了しているらしく、チケットに付属するのは割引券のみらしい(800円→500円)。それでも天気の良い日なら利用価値は大いにあると思う。
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城から展望した際に高い建物が多いと感じたが、この大観覧車は駅ビルの屋上に建っているということもあり、視界を遮るものは全くない。
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松山城をズームするとこんな感じ。改めて規模の大きさがよくわかる。
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下を覗き込むと、松山市駅前のロータリー。市内電車と伊予鉄バスがよく見える。
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そしてゴンドラが最高地点に達したあたりで、夕日もちょうど良い感じの高度になった。
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瀬戸内海に沈んでいく夕日が美しい。前日の下灘駅でも感じたが、瀬戸内海の夕日はグラデーションがマジでキレイ。
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その後は日没とともに宿に戻って他のメンバーと合流。この日の観光はこれにて終了となった。
……といったところで今回はここまで。次回は松山を脱出し、金刀比羅宮と父母ヶ浜の観光について扱う。