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きんモザの聖地巡礼に行ったらリアル金髪少女に遭遇した話

聖地巡礼に行ったら、不思議な出会いがいっぱい。

今回は留学から帰る途中、ロンドンに立ち寄った際に「きんいろモザイク」(略してきんモザ)という作品の聖地巡礼をしたお話。

きんモザってなんぞや?という方のためにWikipediaのあらすじを載せておくとこんな感じだ。

イギリス・コッツウォルズでホームステイをしていた大宮忍に、帰国からしばらく経った高校1年生のある日1通のエアメールが届く。差出人はイギリスで出会った少女、アリス・カータレット。なんと今度はアリスが日本に来るという。アリスと忍、クラスメイトの小路綾と猪熊陽子、さらにアリスを追ってイギリスから留学してきたもう1人の金髪少女九条カレンも加わり、5人は金色に輝く日々を過ごしていく。
https://ja.wikipedia.org/wiki/きんいろモザイク より引用)

よくあるゆるふわ日常系作品である。

そしてアニメの1話は主人公の忍がホームステイをする話で、舞台となるコッツウォルズがバリバリ登場する。1話はニコニコ動画などで公式に無料公開されているため興味のある方はぜひ見てほしい。

そもそもなんでロンドンへ?

ロンドンへ行く目的はもちろんきんモザの聖地巡礼!……と思いきや、実はそうでもない

というかそもそもロンドンに行く目的自体存在せず、NYから乗る飛行機を選択する際に「偏西風に逆らうより流れに身を任せて東へ突き進みたい」というふざけた理由によりロンドンに立ち寄ることになったのだ。

そんなわけでロンドン行きが決定した後に、偶然きんモザの聖地がロンドンから近いことを知り行き先に加えたわけだ。私は計画をたてるのが絶望的に苦手なため基本的に旅はいきあたりばったり。

……とはいえ、コッツウォルズは田舎なので無計画に行動してうっかりバスを乗り過ごすと何時間もロスする可能性があった。空港ではアホみたいに時間があったため一応バスの時間ぐらいは調べておいた。

イギリス上陸

前回のニューヨークでは空港に丸一日放置されるという素晴らしい待遇を受けたが、なんとか飛行機は大西洋を横断してロンドンにたどり着くことができた。

しかしながらすでに2時間ほど遅延しており、さっそく私の計画は音を立てて崩れ去ったのである。

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入国審査へ

機内で改めて計画を立て直すも、時間はかなりタイトになっておりこれ以上時間を遅らせることは厳しい状況だった。

アメリカ入国の際には2時間ほど並ばされたため、イギリスではどれくらい時間がかかるのかと百抹の不安を抱えながら入国審査へ向かうが……


。。


。。。


入国審査、秒で終わる

日本のパスポートだと機械にスキャンするだけで終わり、一瞬で入国完了。感動した。

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ロンドン市内へ

さっそくキャッシングでユーロを入手。地下鉄のピカデリーラインに乗ってロンドン市内を目指す。

地下鉄に乗るためオイスターカードを入手。ここからはアニメでの忍のルートに沿って移動していく。

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ちなみにイギリスの通貨はポンドであり、ユーロは使われていないのだがしばらく気がつかなかった

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ヒースロー空港から市内までは結構距離があり地下鉄だと時間がかかる。急ぎならヒースロー・エクスプレスを利用すれば20分くらいでロンドン市内まですっ飛ばしてくれる。

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ピカデリーサーカスに到着。

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ピカデリーサーカス駅からオックスフォードサーカス駅まで一駅歩く。

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オックスフォードサーカス駅から再び地下鉄に乗りパディントン駅へ。

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パディントン駅に到着。グレートウェスタン鉄道(GWR)のターミナル駅。

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ロンドンは各路線ごとに大規模なターミナル駅があり、それらを地下鉄が結ぶという形になっている。

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ちなみにヒースロー・エクスプレスを利用した場合もこのターミナルに到着する。

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GWRのクラス800と呼ばれるこの車両は日本の日立製!

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電化区間では架線から集電し、非電化区間ではディーゼル発電機で発電する方式を取っている。イギリスでは非電化区間も多いためこのようなシステムが合理的なのだ。

ちなみにアニメではHSTと呼ばれる、一世代前の車両が登場するのだがすでに全部クラス800に置き換えられてしまっていたようである。

西へ向かう

さっそくチケットを購入し乗り込む。

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西に進むため、方角的には空港の方へ戻る形になる。

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都市部を離れるといかにもヨーロッパな景色が広がる。

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1時間ほどでスウィンドン駅に到着。忍はもう一駅先で下車するのだが旅程の都合上こちらで下車。

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Cotswolds Discovererというフリー切符を購入。今回はバスに乗る回数が多いため、現金でわちゃわちゃするよりはフリー切符を購入した方が合理的。

さらに奥地へ

ここからバスに乗りサイレンセスターという街へ移動。二階建てバスだったがほぼ貸切状態で、最前列から前面展望を楽しむことが出来た。

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すごく田舎景色。

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森の中も突き抜けていく。

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1時間ほど走っていたらしい。

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サイレンセスターに到着。アニメ1話で忍とアリスが遊びに来る街(……といっても数カットしか映らないのだが)。

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奥の大きな教会が特徴的。

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イギリスはよく天気が変わると聞いていたのだが本当にその通りで、いきなり晴れたり曇ったり、雨が降ったりと変化に富みすぎていた。

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さらにさらに奥地へ

サイレンセスターからまたバスに乗りバイベリーという町へ移動。

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20分くらいで到着。

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こちらは観光スポットとなっているようで、ツアーなどを利用した団体客が多かった。

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アニメではここがアリスの家の前という設定になっている。

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こちらの電話ボックスも聖地。

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ちなみにこの道は意外と交通量が多く、車が映らないように景色を撮るのはなかなか大変。

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さすが観光スポットとなっているだけあって、歴史を感じさせる石造りの建築物がうまく自然と調和していてとても良い雰囲気だった。

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折返しのバスに乗車し、先程のサイレンセスターで別のバスに乗り継ぎ。

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ケンブル駅へ。こちらも聖地となっており、忍はここで下車してアリスのお父さんにピックアップしてもらっている。

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クラス800。非電化区間なのでディーゼルの音が鳴り響いていた。

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2両編成でやってきたこちらの車両はクラス165。主に地方路線で使われている車両だ。

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宿へ向かう

ケンブル駅からチッペナム駅へ。途中スウィンドン駅でスイッチバック。

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ちなみに、不思議なことに後から時刻表で調べてもスイッチバックするダイヤは見つからなかった。期間限定運用なのかもしれない。

チッペナム駅に到着。

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ここから宿へは割と距離があるためUberを使おうとするもマッチングせず。

結局駅前に止まっていたタクシーを利用した。同じようにタクシーを利用する人は多いらしく、「ああ、そこね。」という反応ですぐ連れて行ってくれた。

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そんなこんなで宿に到着。こちらはアリスの実家のモデルとなっている。

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小物類まで忠実に再現!すごい!

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きんモザグッズがこんなにたくさん!イギリスまでわざわざ聖地巡礼に来るオタクも意外とたくさんいるみたいだ。

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金髪少女襲来

そんなこんなでオーナーさんの素晴らしいホスピタリティに感動しながら夕食をいただいていると、誰かが入ってきた。

ハロー。

そう言ったのはなんと……金髪少女?!

聖地巡礼の疲れで幻覚が見えたのかと疑ったが、本物リアル金髪少女。

……と、お父さんお母さん。

話を聞くと私が予約してない方の部屋に宿泊されるご家族で、休暇を利用してスペインからわざわざ来たそうだ

当たり前だがきんモザ目的で来たわけではない(というかきんモザ目的の宿泊者の方が稀だと思う)。しかしながら意外にもオタク文化に興味を持ってもらえたようで話は弾んだ。

そして娘さんの英語力が高すぎてビビる。小学生くらいと思われるのに日本の大学生並みの英語力。日本の英語教育どうなっとんねん。

そして就寝。めちゃくちゃよく寝れた。考えてみたら直近の2晩は空港のイスと飛行機内で寝ていたのだから爆睡するのも当然。というか疲れすぎてて夜中に何回か足をつった

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そして翌日。

オーナーさんに車庫を開けてもらいアニメでアリスのお父さんが乗っていた車を見せてもらう。モーリス マイナーと呼ばれる車で初登場は1948年とのこと。未だに動くらしくびっくり仰天。

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そしてチェックアウト

……するはいいものの最寄りのバス停はまさかの休日運休

またタクシーかと萎えていると……

なんとスペインのご家族の車に乗せていただいた。神ですね!

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お父さんの運転で一気にバースへ。

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そんなわけで、全く計画にはなかったが急遽バース観光。

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軽く観光しながら歩いていると駅に到着。ご家族に別れを告げる。

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非電化区間ではあるものの長編成がバリバリ走っている路線だ。

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もちろん郊外路専用の車両も乗り入れている。

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そして目的の車両に乗車。ロンドン市内行き。

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ご家族にいただいたリンゴを食べる。普段日本で目にするリンゴよりも一回り小さかったが、甘みが強く大変美味であった。

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そんなこんなで、最初から最後まで計画通りに進まなすぎる完全いきあたりばったりの聖地巡礼だったがとてもとても楽しむことができた。

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考えてみると、旅というのは本当に気まぐれなもので、計画にないハプニングがおこり、その中で予想もしなかった景色や人々との出会いがある。

そして予期せぬハプニングは大抵どうにかなるし、仮にどうにかならなかったとしても誰かが助けてくれる。

もちろん自分一人で対処しようとはするのだが、この世界は本当に美しく、善い人がたくさんいて、いつもいつも誰かが手を差し伸べてくれる。

だからこそ、そういった人々への感謝を忘れずに生きていきたいし、誰かを助けることのできる人でありたいと思う。

人生は、旅に似ているのかもしれない。

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……といったところで今回はここまで。

次回はロンドン市内編!

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