ロンドンで鉄オタ活動していたら英米文化の違いを実感した話
イギリスとアメリカって全然違う文化。
今回は前回に引き続き、留学から帰る途中にロンドンに立ち寄った時のお話。
前回はきんモザの聖地巡礼のためにロンドン市内は一瞬タッチしたのみですぐに田舎の方へ行ってしまったのだが、今回はガッツリ観光していく。
イギリスの滞在期間は5日間を予定していたのだが、NYで空港に放置されて1日潰れたため4日間に。
しかもそのうち一日半を聖地巡礼に費やし、最終日はあまり時間がないため丸々観光に使えるのは1日だけとなってしまった。
そんなわけで、各観光地を最短で、最も効率よく回っていくエクストリーム旅行が始まる。
……ということはなく、むしろ無計画で突撃することにした。
そもそも計画を立てる時間すらなかったのだ。
ロンドン地下鉄が高い
ロンドンは四方八方に地下鉄が張り巡らされているのだが、実はなかなか料金システムが複雜で厄介。
(公式サイトより引用)
ロンドン地下鉄の料金はゾーン制で、ゾーンごとに料金が違う上、郊外ではラッシュ時か否かでも変わってくる。さらに1日の上限料金が設定されており、その額を超えるとそれ以上チャージされなくなり実質乗り放題になるなど、お得なシステムも存在するのだが複雑さに拍車をかけている。
そして具体的な運賃だが、最も利用するゾーン1内の移動でも£2.4(320円)というとんでもなく高額な料金が吸い取られる。
バスが有能
そんなわけで私が地下鉄を利用したのは前回の2回のみで、ほとんどバスを利用していた。
ロンドンといえば赤色の2階建てバス!というイメージが強いが、私は何を勘違いしていたのか、観光客向けのアトラクションだと思っていた。
実際にはほとんどのバス路線が2階建てバスによって運行されており、市民の足になりまくっている。
さらに運賃も均一料金£1.5(200円)と比較的安く、1時間以内の乗り継ぎが無料だったり、地下鉄同様に上限料金の設定があり1日£4.5以上はチャージされないなど、うまく使えば安く便利に利用できる。
(2階の最前列が特等席)
特に私は郊外に宿をとったため、時間はかかるものの均一料金で市内へ行けるバスはかなり重宝した。
市内観光
さっそく無計画に観光開始。有名所はわりとテムズ川周辺に集まっており、その他の地域も市内ならアクセスは良いため特に困ることはないはず。
まずはウェストミンスター宮殿へ!
……なんか工事中なんだけど。
隣のビッグベンも今しか見れない期間限定ラッピングとなっており、写真に収めるべきか否か迷った挙げ句半分見切れるという中庸の美が実現した。
近くでもう一枚。やる気なさすぎて完全なる逆光。
気を取り直してアビイ・ロードへ。早朝だったがすでに愉快な4人組がいた。普通の横断歩道なので車にはご注意。
ベイカー・ストリート駅のシャーロック・ホームズ像。
バッキンガム宮殿へ。
人多すぎて萎えた。有名な衛兵の交代式は時間が合わず断念。
大英博物館。なんと無料で入れる。
歴史的展示品が大量で興味深かったが、私が興味あるのはどちらかというと絵画や装飾品で、3Dオブジェクトにはあまり関心がないためサクッと見て終わりにした。あと無料ゆえに人多くて居心地悪い。
テムズ川の眺め。奥に見えるのはタワー・ブリッジ。
タワー・ブリッジの隣にある地味な橋が「ロンドン橋落ちた」で有名なロンドン橋。ロンドン橋で検索するとなぜか本物よりもタワー・ブリッジが先に出てくるという……。
タワー・ブリッジの近くのロンドン塔。
入場料がバカ高いため外から眺めるだけ。
市内散策
やはり観光地よりは市内をぶらぶらする方が楽しい。
また、ロンドンは大きな公園がそこかしこにあり、公園内を散歩するだけでもかなり楽しめた。
そして、のんびりと市内を歩いていると都市の構造がアメリカとは全く異なることに気がつく。
道路が違うし、建物も違う。そしてそこにいる人々や車も、言ってしまえば「空気」がなんとなくアメリカとは異なっていた。
何が違うのかを明文化するのは難しく、「何か違う」としか表現できなかった。とにかく文化が違うのだ。
以前アメリカに留学した友人は「どの景色も日本では見られないものだった」と言っていたが、イギリスに行った友人は「どこも日本に似ていた」と言っていて、結局個人がどう感じるかによるのだろうと結論付けていたのだが、実際にはイギリスはかなり日本に似ていると思う。
「車が左側通行」といった明確な共通点もあるが、もっともっと曖昧な部分に強い日本っぽさを感じた。
(ちなみになぜかエスカレーターは右側に並ぶ)
イギリスはアメリカと比べるとどことなく謙虚で静かで、ネガティブに言うと陰湿な感じでなんとなく日本に似ているのだ。
一方でアメリカはアッパーで、まさにFriendlyの押し付け大会が毎日開催されている感じで居心地は少し悪かった。例えば挨拶に関して言うと、私は1ヶ月以上滞在したにも関わらず”Hi, how are you?”に対する最適解を見つけられなかった。なんで「調子どう?」とか聞いてくるのだろうか。”Hi!”だけでいいじゃん!と思ってしまう。
他にも、同じ英語にも関わらずアメリカ英語とイギリス英語の違いが大きく驚いた。
地下鉄がSubwayではなくUndergroundとか、エレベーターがElevatorでなくLiftとかいった違いは知っていたのだが、Entrance(入り口)とExit(出口)がWay inとWay outだったり、トイレの表記がWomen, MenではなくLadies, Gentlemenでおお~!と感動してふと上を見るとなぜかRestroom(休憩所)ではなくToilet(便器)という表記だったりして驚きが絶えなかった。
(おそらく天気の変わりやすさと関係していると思われるが、やたら風が強く噴水の水がシャワーとなっていた。)
発音も随分異なり、大学でもアメリカ英語ばかり聞いてた私にとっては思わず周りの会話に聞き耳を立ててしまうほど面白かった。関東人が関西圏にいくような感覚で、かなり楽しむことができた。
そんなわけで、どちらの文化が良い悪いといったわけではなく、2つの文化を比較して違いに注目するのは純粋に面白かった。
旅をしている最中はその土地の良い側面しか見られないのだが、都市や国を移動して比較すると悪い面も見えてきて文化のより深い理解に繋がる気がする。
鉄オタ活動
前述の通り鉄道に乗ったのは前回の地下鉄とGWR、そして宿へいく際に1回サザン鉄道に乗っただけである。宿からは鉄道駅よりもバス停の方が普通に近いため、時間に余裕があるならわざわざ高額な鉄道を利用する意味がなかった。
サザン鉄道のターミナルはヴィクトリア駅。
発着する列車の一覧が空港の様なとんでもなくでかいモニターに表示されていた。巨大ターミナル駅であることが一発でわかる。
GWRと違ってほとんどが通勤列車といった感じ。
サザン鉄道は第三軌条と呼ばれる、走行用の他にもう一本引かれたレールから集電する方式をとっている。基本的に架線を引くスペースのない地下鉄で使われる方式で、郊外路線で使われるのはとても珍しい。
郊外でも複々線となっており、ひっきりなしに列車が来るため撮り鉄だけで満足してしまった。
ちなみに車内放送も、「〇〇で止まります」ではなく「〇〇でお呼び致します」といった感じでアメリカとは単語のチョイスが随分異なっており、テンション上がりまくりである。
最終日
そしてあっという間に最終日。午前中に街歩きを楽しんだ後にセントパンクラス駅へ。
でかい!
やたらでかい彫刻があった。Paul DayのThe Meeting Placeという作品らしい。
名前から察するに再開のシーンなのだろうが、私には別れのシーンに見えた。見る人がロンドンから出ていくのか、入ってきたのかによって受け取る印象は変わりそうだ。
イギリス出国
そして出国手続きと入国審査を突破。空港以外で出国するのは新鮮。
ユーロスターに乗車!
そんなこんなで、短い日程ながらもロンドンを満喫することができた。とはいえビッグベンなど残念ポイントもあったためまたリベンジしたいと思う。
……といったところで今回はここまで。
次回はパリ編!
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