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練馬区立美術館「三島喜美代―未来への記憶」と直島「もう一つの再生 2005-N」

 資格の定期研修で上京するのに合わせて、練馬区立美術館で開催されていた「三島喜美代―未来への記憶」、東京都美術館で開催されている「デ・キリコ展」、東京国立博物館で開催されている「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」を観てきました。

練馬区立美術館「三島喜美代―未来への記憶」
東京都美術館「デ・キリコ展」
東京国立博物館「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」

 それぞれの感想は改めて記させて頂くとして、一番印象に残ったのは「三島喜美代―未来への記憶」でした。

 その中でも「第4章 大型インスタレーション」にある説明文が特に。

「第4章 大型インスタレーション」にある説明文

「産業廃棄物がかつて不法投棄された香川県直島では、島の再生を願い、三島は高さ4.5mの巨大なごみ箱を模した作品を現地に恒久設置した。」

 「直島」で産業廃棄物が不法投棄された事実は私は聞いたことが無く(私が知らないだけなのかもしれません)、他の資料や作品説明なども踏まえて類推するに、この説明文においては「直島」ではなく「豊島」ではないかと思います(もし「直島」で正しいと言うことでしたら是非お教え下さい)

 この説明文を作成された方と直接お話をして確認したわけでもなく、ここでは訂正や是非や賛否を問いたいのではないのですが、先の文章の「直島」が「豊島」であると類推した上でこの文書を理解するならば、やはり「もう一つの再生 2005-N」は「直島」でなく「豊島」に恒久設置した方が良いなと、率直に感じました。

 展覧会だけではなく、先月の投稿でも書きましたが、三島さんの訃報をお聞きしたのを契機に、作品自体は何度も見ておったのですが恥ずかしながら詳しく知らぬままだったので、今回改めて現地に観に行って「直島では豊島に不法投棄された有害産業廃棄物とその直下汚染土壌などを無害化処理するための中間処理施設が操業を開始ししたというニュースを新聞で知った三島氏は、直島に興味をもち、直島での作品展示を着想した」と言うことを知った上での自分の解釈も、先のように率直に感じた理由の背景にあります。

もう一つの再生 2005-N

 なお今回は更に足を伸ばして、友人家族に会いに十和田も訪ねたのですが、「Arts Towada 十和田市現代美術館 Towada Art Center」も観てきまして非常に良かったなと、こちらも率直に思いました。

 がしかし、合わせて訪ねた下北半島を巡る中で、そう思ったが故に、十和田市現代美術館や地域の背景にあるものとの表裏になんとも言えない気持ちになってしまいました…

 その気持ちから色々と調べているのですが、10年前に発表された「前衛のゾンビたち─地域アートの諸問題」(『すばる』2014年10月号)」で現代アートの構造変化を問いかけた評論家の藤田直哉氏の「地域アート」に繋がり、自身のフィールドのことや来年で6回目の開催となる「瀬戸内国際芸術祭2025」を捉え直している所ですが、調べれば調べるほど余計にモヤモヤが増えているのが正直な所です…

 「地域アート」というものから考えるに、先に書いた三島さんの作品やその設置場所についても新たな思いや考えが生まれてきてもいます。

 今回の一連のインプットや感じたことについては今後に繋がることなので、理解・整理・言語化を丁寧に行なっていきます。

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