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算数に忍法雲隠れの術!【外国ルーツの子ども支援日記】

外国にルーツをもつ子どもの日本語学習支援員をしています。
「指導員」ではなく、あくまでも「支援員」。
教育ではなく、福祉的側面から関わっています。

私が担当している小1男子のリッキーくん(仮名)は、保育園のころから日本で暮らしているので、会話レベルはネイティブ並み。「話す」「聞く」の技能は問題ありません。支援が必要なのは「読む」「書く」の技能。国語はもちろん、算数も、計算はできるのに文章問題になると解けません。

放課後学習支援では、宿題も手伝っています。

リッキーの算数の宿題は、「13一7=6」といったレベルのひき算。

計算は落ち着いてやればできるけど、まだ指を使って数えています。
「なるべく指を使わず、頭の中で指を描いて考えてみたら?」
と提案したところ、私の前では頑張って指を使わないようにしています。

ですが、、、一問一問考えるたびに立ち上がって走り出し、教室の前方にある教卓の下に潜り込んで隠れ、「ここに入ると答えが浮かんでくるんだ!」と言って(たぶんこっそり指で数えてる、笑)、また走って自席に戻り、答えを書き込んでいます。

20問あったら、これが20回続きます。
忍法雲隠れの術です。

この技、先日、少し進化しました。

いつも放課後の誰もいない教室を使うので、「今日はどの机で勉強する?」とリッキーに好きな場所を選ばせているのですが、先日は、教卓(いつも隠れ蓑にしていた)で勉強するといって、脚に車輪のついた大人用の椅子に座りました。

ところが、この椅子がまたクルクル回れるもんだから楽しくてしょうがない。ひとしきりクルクル回って遊んだ後、いつもの宿題のひき算にとりかかりました。

そして、この日の計算は、雲隠れではなく「この椅子でクルクル回ると答えがでるんだ」に変わりました。

これを進化といってよいのか分かりませんが、立ち上がって走って隠れて走って戻る、よりは、かなり時短です。

もちろん回ってるとき、小さく指が動いていましたが、なるべく指を使わず解けるようになりたい!という意志も感じます。

最初の頃はテストの答案は⭕️が半分以下で、「テストになると頭ん中がわぁ〜ってなるんだ」と言っていました。テンパるみたいです。

最近は、テストでも正解率が上がってきました。少しずつ、自信をつけてきているみたい。

これからもリッキーのやり方を応援します!

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