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「Zuva(ズウバ)」海外のスタートアップを知り、繋がる 日本で本格始動するらしくイベントに行ってみた

 無料セミナーをいろいろと探していたところ、すごく気になるスタートアップのイベントを発見。Zuva(ズウバ)という企業。海外の優良スタートアップで、日本進出も検討しているようなところを、日本の企業に紹介して、協業や事業創造まで支援していくらしいです。

https://zuva.io/

  こんなイベント。

 ※自分のメモのために、僕のtwitterで実況みたいにスレッドでツイートしまくりました。細かく見てみたい方はこちら@JohnnyDEPPUへどうぞ。

海外の有望スタートアップと協業したい日本企業、うまくいかないのはなぜか

 はじめにZuva代表取締役の櫻井崇之さんが登場。(以下、各登壇者のプロフィールはイベント案内からの引用です)

櫻井崇之
Zuva代表取締役
1996年大学卒業後、大手総合商社にて企業分析、国内外の投融資審査など経験後、ハンズオン型の投資事業会社に参画。ポートフォリオ企業のCFOなどを歴任し、投資、M&A、マネジメント、売却などの出口戦略まで実践。その後、渡英しヨーロッパ最新の金融関連サービスなどを日本に進出させる事業を企図し、大手システムインテグレーターの投資戦略会社に参画。ヨーロッパの金融関連サービスに加え、ノキア社をスピンアウトした企業のマネジメントディレクターに就任するなどクロスボーダーでの新規事業創造を主導。シリコンバレーに拠点を置く、モバイルサービス企業(後にGoogle社が買収)、IoT関連企業(経済産業省スマートコミュニティー実証に参画)などのジャパンエントリー支援、マネジメントに参画しながら、データ分析事業、新電力会社(大手新電力が買収)などを創業。2018年よりZuva株式会社の立ち上げに参画。

 Zuvaについての説明を始めます。まずは日本企業の現状や、シリコンバレーを中心とした海外スタートアップに対する姿勢、その課題を次のように紹介しました。

【現状】
 日本の大手企業 国内外で競争力が低下
 →新規事業の種を求め、シリコンバレーなど海外進出が盛ん!
【課題】立ちはだかる3つの壁
①駐在にお金がかかる
 シリコンバレーに駐在 1人1年で約2000万円
 中国や新興国も最近は良い、どこにどれだけ駐在させれば良い??
②協業先候補探しに時間とお金がかかる
 つながりがなければ良い協業先は生まれない、関係構築に時間がかかる
 効率化して進めるためには現地でコンサル利用など必要、お金もかかる
③事業に結び付くのか
 良いスタートアップを見つけても、日本進出を考えるかどうかは別問題

 日本の企業がこの壁を乗り越えられるよう支援したい、という強い思いがあるとのことです。

企業探し、マッチング、分析、事業創造 Zuvaがすべて支援

 櫻井さんはZuvaが提供するサービスの内容を、以下のように整理して説明しました。

【Zuvaの特徴】
①世界最大規模となる100万社のスタートアップのデータベースを保持
②独自のAIアルゴリズム技術で、マッチする企業を探せる
③日本進出を検討しているスタートアップをすでにリストアップ

 そして説明後にサービスのデモ。

 まずはスタートアップのデータベースについて。スタートアップを事業カテゴリーにわけてマッピングした図を示す。ここで例えばGoogleが出資した企業だけに絞って表示することで、Googleが興味を持っているカテゴリーを視覚的に捉えることができる。ここにAmazonが出資しているカテゴリーを重ねて表示することもできる。こうして出資のトレンドを分析する、という紹介。自社のポートフォリオも図示して分析できる。

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 また、これらのスタートアップについて定量的・定性的データを多くそろえているとのこと。経営に関わる数字まわりだけでなく、経営陣のバックグラウンドや投資した人たちのこと、ニュースをどのように出しているか、など。無形固定資産とも呼ぶことができるような、「目に見えない価値」を可視化しているそうです。

 次にオウンドメディア。日本企業と協業したい海外スタートアップの代表などが登場するインタビュー動画がすでに掲載されている。彼らがどんなことをしているか、何をしたいか、などを詳しく知ることができる。

 最後にレポート。10日~2週間に一度くらいのペースで新しく掲載する。カテゴリーごとの出資トレンドの分析などを社内で執筆するとのこと。

 で、これらについて60日間の無料キャンペーンを実施する、と締めた櫻井代表。拍手が起こる。

シリコンバレーにおけるAIの最新トレンド、

 続いて始まったのは、シリコンバレーの現状を紹介する対談。メインスピーカーは、シリコンバレーでスタートアップを支援してきたKlaus Wehageさん。日本出身で、日本企業のシリコンバレー進出を支援する岩筋彩さんが聞き手役となった。

KLAUS WEHAGE
10x Innovation Lab CEO
「シリコンバレーアンバサダー」として知られ、シリコンバレーフォーラムと呼ばれる最も権威のある非営利団体のすべての国際パートナーシップを主導。また35以上の市場、500以上の創業者、政府関係者、企業のビジネスリーダーと連携。 現在は台湾と日本政府に生態系の構築と経済発展について積極的に助言している。

 Klausさんは、シリコンバレーにおいて新たな事業の中心になっているのは何といってもAIだと喝破しました。その中でトレンドとなっているのは①Fintech②バーチャルアシスタント③サイバーセキュリティ④製造業への活用だといいます。岩筋さんは「日本ではなじみが薄いが、農業にも活用されている」と紹介した。

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 日本企業のシリコンバレー進出について、Klausさんは「人を送る前に、何がしたいのかというストラテジーをはっきり作るべき。競争が激しいので、ユニークな価値がないと成功しない」と厳しく指摘。また「日本企業は大抵、偉い人(地位のある人)を送ってくる。確かに社内の地位も重要ではあるが、それだけでなく、情熱ややる気、シリコンバレーのカルチャーに入り込めるかどうかがカギ。適切な人材を選ぶべき」と提案した。また、現地で良い人材を採用することも成功につながると紹介した。

中国のスタートアップ 追いつき追い越せの強烈な勢い→先例のない事業へチャレンジするフェーズに

 最後のプログラムは中国におけるスタートアップの現状について。現地でさまざまな支援を行う2人が登壇しました。1人目は那小川さん。

那小川 (Na Xiaochuan)
Zuva中国事業 首席顧問、トランスキャピタル創業パートナー
東京大学 情報理工学研究科 修士卒。Mensa。日本における国家資格「情報セキュリティスペシャリスト」を取得。CFA(チャーターホルダー)自動運転開発会社Roadstar.ai.戦略責任者。China Renaissance投資ディレクター、テック領域をカバー。DeNA China戦略アナリスト。ローランドベルガー東京オフィスコンサルタント。中国ベンチャー企業の増資を10数社、200億円超を手掛ける。また、自動運転のベンチャー企業を共同設立し、大手自動車メーカーとの提携まで取り付ける。現在は日中のベンチャービジネス関連コンサルタントとしても活躍している。

 那さんはとても流ちょうな日本語を話していました。日本の大学院で6年、ローランドベルガー東京オフィスで2年を過ごしたらしい。

 実は世界のユニコーン10傑のうち、中国企業が6社を占める。都市別にみると、北京はユニコーンの立地が最も多い。中国全体では約200のユニコーンがあると言われているといいます。

 日本のメディアでも取り上げられる、中国の有名なスタートアップといえば、BAT(Baidu、Alibaba、Tencent)ですね。那さんはこの3社にJD.comを加えBATJを、以前の代表的なスタートアップ企業群として紹介。これらに代わる新たな企業群として、TMDPXDを紹介した。

 TMDはすでに、日本でも複数のWebメディアが取り上げている。例えばこんな記事があります。

 ここで細かく紹介するまでもありません。ただ、那さんのお話でおもしろかったのが、時代背景の読み解き方です。

 BATJはインターネット黎明期の2000年前後に誕生し、5年ほど経って上場。TMDが代表する次の企業群が誕生したのは2010年ごろ、iPhone4が登場し、スマートフォンが一気に普及し、モバイルインターネットがビジネスの土台になった時代だと説明しました。

 モバイルインターネットの時代から、中国企業はアメリカ企業の真似にとどまらず、先駆けた独自のビジネスモデルを構築した事業を多く展開するようになったとのこと。そして次のマイルストーンはAI。アルファ碁が人間に勝った2016年を、一つの時代の節目だと捉えます。この時代に生まれた企業に対する投資はここ数年、バブルの様相を呈しており、弾けた時にどの企業が生き残るかが見ものだと、笑顔で言いました。

 PXDについてはメモが追い付かず、きちんと把握できませんでした、期待して読んでいる方がいたら申し訳ありません。。。その代わりに、とは言いませんが、次に那さんが紹介した「AI四龍」というのも非常におもしろい企業群です。

 AIを活用したビジネスで勢いに乗るユニコーン企業4社をAI四龍と呼び、紹介しました。Sensetime、MEGVIL、Yitu、Cloudwalkの4社です。それぞれ、香港科学技術大学やコロンビア大学など、中国やアメリカの大学院出身の超優秀層が立ち上げている。また、これらの企業の共通点として、世界に先例がないことを挙げました。

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強大化する人民元ファンド USドルによる出資は要らなくなる?

 資本の面でも、中国の人民元ファンドのプレゼンスが大きくなっていると言います。この傾向が進めば、5年や10年の間にUSドルによる出資が必要なくなるのでは、と大胆に予想する。

 とはいえ、中国でもここ3年ほど、投資額に頭打ちの傾向が出てもいる。よりコアなテクノロジーへの集中投資に傾倒している。バブルははじけ始めている。そんな中で、生き残った企業が次の時代を引っ張ることになる。

 「日本の企業はぜひいま中国に進出し、次の成長の種を見つけて、投資して持って帰ってほしい」と締めました。

QMPが注目のスタートアップ3社を紹介

 同じように中国でスタートアップの巨大なデータベースを構築し、Zuvaと連携するQMPから党壮さん。有望なスタートアップとして、具体的に3社を紹介してくれました。

党壮 (Dang Zhuang)
北京企名片科技有限会社 CEO
武漢大学にて情報セキュリティを専攻。国家級の全国情報セキュリティ大会にて全国第2位。優秀学生の称号を獲得。大学卒業後、奇虎360科技有限公司(※)にて商品開発エンジニアとして勤務。2015年10月、高校の同級生であった王利 (現CTO)と共に26歳の時に北京企名片科技有限会社を起業。起業後、4年間の間に、4回の投資ラウンドを実施。累計5000万元(約8億円)の資金調達を実現。
企名片(QMP)は中国国内最大のスタートアップ企業に特化した企業情報提供プラットフォームであり、保有スタートアップ企業情報は約35万社。中国における投資家のスタートアップ企業情報検索のプラットフォームとなる。アリババ(阿里巴巴),百度(Baidu), テンセント(騰訊)の含む中国大手インターネット企業やグローバルなベンチャーキャピタル、セコイアキャピタルや国内VCファンドトップ100を顧客に持ち、中国に3000社あるプライベートエクイティファンドの内、上位300社がすでに導入。現在は、中国におけるプライマリーマーケットのブルームバーグとしてのポジションを獲得しており、ベンチャー投資業界の必須のデフォルトツールとなっている。
※奇虎360科技有限公司:中国最大手の情報セキュリティ関連インターネット企業。時価総額1400億元(日本円約2兆3千億円)

 1社目はTelRobot。すでにNTTデータと提携し、AIコールセンターのサービスを提供している。18年設立。自然言語処理技術を活用して、人間そっくりの電話対応を実現。

 2社目はSyrius。18年設立。自主走行運搬ロボット(いわゆるAutonomous Mobile Robot)を開発、提供。日本向けにもすでに事業展開。物流企業の固定費を削減し、キャッシュフロー改善に貢献する。

 3社目はPicoVR。15年設立。VR一体型設備の開発と販売。すでに日本のVAIO、東映、クラスターと共同事業を進めている。

 紹介するなら、もっと他の企業を紹介してほしかったな、という思いは残りました。もっと、例えば「まだまだ日本に進出できそうにはないが、日本の市場にマッチしそうな企業」とかとか、、、。そういった本当に役立つ情報は、契約して得てくれ、ということなんでしょうかね。

 ここでイベントは終了。次の予定が入っており、余韻に浸ることなく足早に出ることになってしまいました。

Zuvaロゴ入りTシャツもらった

 ところで帰り際、ZuvaのTwitterアカウントをフォローした特典として、Tシャツをもらいました。

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 こういうの、なぜ作るのかってずっと気になっていたので調べるとこんなサイトがありました。

 確かに、ブランディングとしてはとても良いと思うし、ぼくは関わっているプロダクトのTシャツ作りたくなるし着たくなると思う。数日後に自宅の近くで、このロゴの入ったパーカーを着た人を見て、ちょっとドキドキしました(笑)。

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