同人誌装丁おぼえがき
はじめに
こちらの記事はわたしが装丁したり、装丁を手伝ったもののメモです。
同人誌、同人活動に理解ある方に見てもらえたら嬉しいのと、単純にこういう装丁の投稿を見るのが好きなので、便乗してみました。
とは言いましたが活動ジャンルがお察し案件でして……。
サークル名やジャンルなど、伏せて公開する部分が多くなりますことをご了承ください。表紙を見たことある方も記事に関してはそっとしておいてくれると助かります。
あくまで、装丁に対しての経緯やメモのログとして読んでいただけると幸いです。
使用機材
そんな大したものは使っていませんが一応。
iPadで、プロクリエイトを主に使用しています。
パターン制作とか画像処理とかプロクリエイトでやりづらいものはアイビスペイントやphonto、作字などイラレ要素が必要なものはAffinityDesignerで作成しています。
クリスタを使用すればアプリを横断しなくてもいいんですが、日常的に使っていないものに毎月課金する勇気と財力がなく……。
買い切り課金ってありがたいですね。
2023夏インテ合同本
記念すべき初同人誌。
ウェブに投稿などはしていましたが、本など出すなんてありえない、夢のまた夢だと思っていました。
本を出してはみたいけど、出すには勇気がないですねと話していたところ「一緒に本出しませんか?」とお誘いを頂き、ノリで快諾しました。
「お隣さん」という同一テーマ、カップリング対象の二人のカラーが青と赤だったので、マンションの扉が並んでいるイメージや、青と赤の模様
など、いくつか案を出しましたが、最終的に間取り図記号をパターン配置したものを採用してもらいました。
本当は全面パターンにして、青い部分は幅広帯としてつけたかったのですが、幅広帯をやってくれるところ、帯に箔押しをしてくれるところを見つけられなかったので、帯っぽく無地の青を配色しました。
(帯として発注するのでなく、一枚の紙として発注して、自分で巻いたら箔押しもできたんじゃないか?とか、スタンピングリーフもいけたのでは?とかも思いましたが遅かった)
表紙のフォントはantre。
カーニングなしで使う筆記体フォントなのですが、字間を埋めたかったのであえて文字詰めして使用しています。
用紙はマーメイドにマットPPを加工するとエッチな肌触りになるというツイートを見つけたので、エッチな手触り試したいジャン!?と欲望のままに加工してもらいました。しっとりすべすべふかふかみたいな感じになったので、確かにエッチだと思います(…)
ただ、普通に保管しているだけだとびっくりするくらい表紙が反るので、個人的にはめちゃくちゃ気になるし、気を遣いました。
余談ですがこの本、無配もノベルティも作ったので売り物より配付物が多くなってしまったんですが、渡すときにお客さんが「え?え?」と戸惑っていてなんか笑ってしまいました。
ノベルティは直接的なので写真を載せられないのが残念ですが、おたクラブさんで名刺サイズのしおり(攻めが受けのことをひたすらツイートしているタイムライン風しおり)を3パターン作ってランダム配付しました。
おじさんがおじさん構文でツイートしているだけなのですが、無駄にキラキラした紙とか使ったのでシュールでした笑
おたクラブさんは安くて速いのにクオリティが高いので、こちらとしてはすごく助かるんですが、あまりに安いので給料がどんぐりなんじゃないかと不安になってしまう。
一緒で書いた友人にあれやこれや教えてもらいつつ、紙や箔もいろいろ試せてよかったです。ひとりだとこうはいかない。
一旦ボツになった扉の表紙は、扉絵に採用してもらいました。
扉だけにねってか!
もう少し青の幅が広くてもよかったかな?とも思いますが、概ね満足しています。幅広帯に箔押しはいつかなにかで実現させたいです。
2024オンラインイベント
こちらは先ほどの合同誌を一緒に作った友人の個人誌。
デザインを依頼してくれたので、こちらもメモしておきます。
お話しはいわゆる「しないと出られない」系。
指示を出してくるタブレットの画面とか、出られない部屋そのものをイメージ化して表紙にしようか……など、いろいろ考えてはいましたが、いまいち案がまとまりませんでした。
おまけにiPadの調子が悪く、作業がめちゃくちゃ滞っていたところ、友人が「途中まで書けたので読みますか?(書くの速すぎる)」と言ってくれたので、お言葉に甘えることに。
作中で攻めがその状況に焦ることなくキャラメルを食べるシーンが印象的だったのと、年下でなにも知らなそうな感じの子なので、いまからコトを始める大人さとの対比みたいにしたらおもしろいかなと思い、キャラメルとスキンをばら撒いたようなイメージをメインにし、それを提案しました。
案①、②は2人のイメージカラーが赤と緑なので、ファンタジーっぽいお話だしパステルカラーにしようかなと思い、最初に作ったもの。
レトロポップとかヴェイパーウェイヴが好みなので、少しそれ寄りにもなっていますが……人ので自分の好きな傾向を出すのはよくないよなとあとから反省しました。作字もしたのはいいのですが、わたしには向いてないと思ったので、本当に必要になったときだけにしようと決めました。
作字できるひとは本当にすごい……。
単純にどうにもしっくり来なかったので、濃い赤と緑に色味を変更した案①、②、タイトルを全面に押し出した案③を提案したところ、色味を変えた案①が採用になりました。
③は個人的にはすごく好きなんですが、タイトルが半分読めないという視認の悪さと、文庫サイズで出版するということで、狭いスペースにギチギチにデザインが詰まっているのも窮屈かなということで、ボツ。
フォントは案②と背表紙に使ったのがせのびゴシック、案③は懐積木(有料)、裏表紙はBC Alphapipeセミボールドです。
BC Alphapipeはnoteのこういう装丁のポストで巡り合ったフォントなので、みなさんもっとフォント教えてください。めちゃくちゃ参考にします。
完成品も確認しましたが、マットPPとの相性がよくてひと安心。
ファンタスってなんであんなにかわいいんでしょうね~!?
なんでもかんでも表紙をファンタスにしたいくらいかわいい。
表2が緑で遊び紙が赤だったのも2人の色だし、素敵だなと思いました。
おたクラブさんのファンタスは200kgと少し厚みがあるので、文庫サイズだと少し硬くてめくりにくいのですが、それを差し引いてもファンタスで印刷するのが正解だなって感じでした。
思ったより長々、だらだらと書いてしまいました。
特になにも参考になることはなさそうですが、楽しかったです。
こういうの書いたり見たりすると本作りたくなりますね!
収録するもんがないっつ~話ですが……書きます……。