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12月4日 「復習カードが溜まる」を解決するAnki活用術【アドベントカレンダー2024】



イントロダクション

さぁ4日目、やっていきましょう。

Ankiを使っていて、気づかないうちに復習カードが溜まってしまう…あるあるです。

この問題は、とりわけ時間がない医学生や社会人にとって特に深刻です。しかし、正しい意識と正しい使い方をすれば、復習の負担を減らし効率的に学習を進めることができます。

今日は、復習すべきAnkiカードが溜まる原因を分析した上で、私が実際にやっていたスケジュール管理のコツや効果的なリセット方法を紹介します。

🔥この記事を読むメリット

  1. 復習が溜まる原因と対策が分かる

  2. Ankiの設定を見直す具体的な方法を学べる

  3. 復習カードをリセットする方法が分かる

復習カードが溜まる原因と対策

ほぼ全ての現象には原因があります。このセクションでは、復習カードが溜まってしまう原因を考えてみましょう。

長年Anki を触ってきた経験として、復習カードが溜まる原因は主に以下の3つが考えられます。自分に当てはまっているものがどれか想像してみてください。

これらの問題を特定することで、積みカードからオサラバ!です。

💡カードが溜まる原因3選
原因①新しいカードを追加しすぎている
原因②カードの正答率が低い
原因③日々の復習時間が不足している

原因①


新規カードを過剰に追加すると、復習が追いつかなくなります。忍者の修行で言うところの「草が伸びる速度が早すぎて追いつかない」パターンですね。

「何枚だと多い、何枚だと少ない」というのは一概には言えません。

カードの質であったり、自分のその分野への理解がどの程度なのかによって、1枚あたりの負荷は変わってきます。ここが嫌らしいところですね。

対策①カードの追加枚数を制限する

追加枚数が多く、自分自身の脳が処理落ちしている場合の対策としてはズバリ「追加枚数を減らす」これに尽きるでしょう。

デッキを選択した画面から「オプション」を選択し、「一日の上限」にある「一日の新規カード導入枚数の制限」で調整します。

デフォルトでは20枚になっていますが、例えば試験まで残り日数が少なくて「どうしてもやらねばならない」であればここを50、100にして対応します。

片や試験まで日数があり、じっくりやりたい‥という場合には10枚15枚、と減らしておこなう、というのもありでしょう。


原因②カードの正答率が低い

カードの正答率が低いことも、復習カードが溜まる原因となります。

正解すれば1日、3日と表示されるまでの日数は伸びていきますが、間違えた場合は次の日も再学習となる訳ですからね。

正答率が低くなればなるほど、同じような覚えられないカードが次々と溜まってくる事になります。

対策②-1 カードを編集する時間を作る

正答率を上げる方法は1つ。その分野の理解を深めるか、カードを変えるかです。

「カードを変える」に該当するカードは、例えば「死海について答えよ」と言ったように漠然としていて、何を指しているのか分からないカードの事です。

12月2日のNote でこれの対策方法に触れていますので、参考にしてみてください👇️


対策②-2 その分野自体の学習を進める。例えば、本を読む。

Dr Piotr Wozniakが1999年に発表した「知識を定式化する20個のルール」には、次のようにあります。

1. Do not learn if you do not understand
 ‐ 理解していないものを暗記してはならない- 

Trying to learn things you do not understand may seem like an utmost nonsense.
理解していないことを暗記しようとするのは、とんでもなく無駄なことです。
(中略)
If you are not a speaker of German, it is still possible to learn a history textbook in German. The book can be crammed word for word. However, the time needed for such “blind learning” is astronomical.
もし あなたがドイツ語を理解できなくても、ドイツ語で書かれたドイツ史の教科書を暗記することは可能です。本の内容を一言一句 丸暗記すればいいのです。しかし、このような「盲目的な学習」には 天文学的な時間がかかります
Even more important: The value of such knowledge is negligible.
さらに重要なことは: このような知識の価値は ほぼゼロ ということです。

https://www.supermemo.com/en/blog/twenty-rules-of-formulating-knowledge, Effective learning: Twenty rules of formulating knowledge, より抜粋


2. Learn before you memorize
 ‐記憶する前に 全体を学習せよ‐

Before you proceed with memorizing individual facts and rules, you need to build an overall picture of the learned knowledge.
個々の事実や法則を記憶する前に まず、学習した知識の全体像をつかむ必要があります

Only when individual pieces fit to build a single coherent structure, will you be able to dramatically reduce the learning time.
一貫性のある知識構造のなかに 個々の知識のピースが うまく はまると、学習に要する時間を大幅に節約できます。
(中略)
Do not start from memorizing loosely related facts! First read a chapter in your book that puts them together.
事実どうしの関連性が弱いまま 記憶しようとしないでください! まずは その本の ひとつの章を通して読み、事実の断片をつなぎ合わせてください

https://www.supermemo.com/en/blog/twenty-rules-of-formulating-knowledge, Effective learning: Twenty rules of formulating knowledge, より抜粋

「理解すること」と「理解したことを脳内からアウトプット出来ること」の間には、バランス感覚が必要です

「理解している」としても、適切にアウトプットが出来なければ他者にそのことは伝わらない、テストでも点数が取れないし、実際の仕事にも役に立たない。こんなことが起こってしまいます。

私がやっていた方法として、「一度学習したChapterは取り合えずAnkiに入れて、その後カードを間違えるたびにテキストで再度学習する」ということをしていました。途方も無い時間がかかりますし、カード1枚あたりに割かれる時間も長くなります。

しかしその時間は永遠には続きません。3回も同じ間違いをした暁には、だいたいのことは覚えていました。それでも間違えるなら「カードに問題がある」として、別の聞き方をしたり、と工夫していました。

原因③日々の復習時間が不足している

新規カードの枚数が多い、カードの正答率が低いなどの理由とその対策を考えてきましたが、最後はシンプルなもの。「復習時間が短い」です。

例えば単純な話ですが、毎日Ankiを開かないと、カードはどんどん溜まっていきます。
まず1日1回はAnkiを開く、ということを習慣化してみましょう。

対策③カードを解答する時、制限時間を設ける

1枚あたりの回答時間が長くて、演習が終わらない‥ということも多いと思います。私の取っていた対策は「15秒の制限時間を設けて、その時間が経ったら自動的に解答が表示されるようにする」という方法です。

カードの情報量を調節していくと、大体のカードは1問1答になっていきます。
一問一答の場合、10秒考えて出てこない知識は、その後1分考えても、5分考えても出てきません。出てきたとしても、試験本番、1つの知識を5分かけて捻り出しますか?しませんよね。

デッキを開き「オプション」から「カードの自動送り」→「解答を表示するまでの秒数」の所を変更します。デフォルトでは未設定になっています。

解答を表示するまでの秒数は60秒としていました。ボーっと裏面を眺めるくらいなら、1枚でも多くのカードを。

カードの解答時間を設定することで、1日あたりの演習時間を概算することが出来ます。

例えば復習カードが50枚、正答率が80%ならば

50*0.8*15+50*0.2*60=1200秒=20分

というように。


実際はこれら3つの要素が絡まり合って、復習カードが溜まることになります(「新しいカードを追加しすぎるせいで頭が追いつかず、結果的に正答率が下がり、復習カードがいつまでも消えていかない」など)

復習が溜まる原因を特定しないまま進めると、Ankiをやることそのものが負担になりかねません。何にも増して、続けることが大切ですから、「しんどいな」と思ったらまずは、自分がどのパターンに当てはまるかを確認しましょう✍️


まとめ

Ankiの復習が溜まる問題は、誰もが経験する悩みです。テストが終わった後や大量にカードを追加した後は、ついつい学習スケジュールが乱れがちで、復習カードが山の様に積み上がりがちです。

しかしこれは、適切な対策を取れば解決できることがほとんどです。

明日からのAnkiライフが、幸せで溢れんことを。アーメン。

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《最後まで読んで下さって、ありがとうございます!普段はAnki やNotion などデジタルツールの使い方や日々の研修で発見したことを発信しています。
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