部族モダンのススメ
部族モダンのススメ!!
マジックには様々な試合形式や遊び方があります。
そのなかでもモダンの変則フォーマットに部族モダンというものがあります。
デッキの中に共通のクリーチャータイプを持つカードが20枚以上入っていることという制限のほか、禁止カードは通常のモダンに準じます。
店舗の独自ルールで禁止を設けている場合もあります。
グランプリのサイドイベントで大変な盛り上がりを魅せていました。
現在は晴れる屋名古屋店・大須店で月に1回程度開催されています。
部族モダンという環境における欠陥
部族モダンでは同じクリーチャータイプを持つカードが20枚以上入っていなければいけません。
しかし逆に言ってしまえばその20枚以外は何を入れてもいいわけです。
店舗の独自ルールで禁止されている疫病を仕組むものは魂の洞窟や霊気の薬瓶からどんなデッキからでも簡単に出すことができます。
欄干のスパイや地底外の密告人のコンボもゼンディカーの夜明けの両面カードに多くならず者が刷られてしまったせいで簡単にならず者で20枚をクリアできてしまいます。
それらが禁止されてもいまだにゴブリンの放火砲をよく見かけます。
他にもけちな贈り物と屈葬の儀式と大修道士、エリシュノーンかセラの使者などの3点セットは色さえ合っていればどんなデッキにも入り部族デッキを殲滅することができます。
献身のドルイドのコンボやヘリオッドと歩行バリスタなんかもそうですね。
除去が薄い、魂の洞窟のせいで打ち消しが入らない、手札破壊のある黒のデッキも少なくそもそも手札破壊を入れるくらいならクリーチャーを並べたいという環境上、部族モダンの主旨に合わない無粋なコンボが簡単に決まってしまいます。
そして通常のモダンにおけるトップtierのレンアンドオムナスはオムナス、孤独、激情、発現する浅瀬、炎族の先触れで簡単に部族モダンの条件を満たし並の部族では一方的に蹂躙されるだけです。
独自のルールや禁止カードを増やしまだまだ調整が必要な環境であると言えます。
部族モダンにおけるマーフォーク
部族モダンでは様々な部族を見かけます。
マーフォーク、エルフ、ゴブリン、スリヴァー、エルドラージ、ドラゴン、デーモン、天使、ルアゴイフ、ホラー、ファイレクシアン、エレメンタル、ゾンビ、人間、猫、ネズミ、スピリット、壁、シャーマン、神、構築物、ハイドラなどなど・・・・・・。
数ある部族の中でも我々としてはやはりマーフォークで結果を残したいと思うことでしょう。
そして普通のモダンでもなんとかトップtierと渡り合ってるデッキなんだし部族モダンにそのまま持ち込めば強いだろと思うかもしれません。
しかし部族同士で純粋に殴りあった場合、普通に弱いです。
エルフの超高速の横並びとサイズに圧倒され領界渡りはアトランティスの王が島渡りを与えてブロックも許さない、ゴブリンのコンボには触るすべがなくただ見ているだけでゲームが終わる、スリヴァーの飛行が止まらず拡散スリヴァーや不確定な船乗りのせいで得意のマーフォークのペテン師や潮流の先駆けで触れない、鱗親和という構築物デッキが歩行バリスタで簡単に20点以上本体に飛ばし、エレメンタルの孤独や激情やオムナスにボコボコにされるのはよく見た光景です。
雑多な種族に対しては勝てますが殴り合い以外の部分ではマーフォークには筋肉しかないのでなにもできません。
マーフォークには青の得意の打ち消しもありますがこの環境、高確率で魂の洞窟が4枚入ってます。
それでも相手の土地を島にして多色の部族に強かったり青特有の色対策カードなど工夫とサイドボードしだいでなんとかやっていけないわけではありません。
サンプルレシピ
青単
こちらのリストはモダンホライゾン2発売前の少々古いリストになりますがほぼ同じ調整で2回5-0しています。
今の環境で青単で行こうとしたら水底の生術師が激浪の形成師に変わり、海の要求が抜ける程度でしょうか。あとはサイドボードに否定の力などでコンボや全除去をケアするカードを入れたいところですね。
通常のモダンでは完全に固定スロットになった海と空のシヴィエルンですが、部族モダンという環境上サイズも大したことが無く、護法ももともと除去の少ない環境、ドローも攻撃しないとだめなので出たときに何か欲しいという環境にマッチしていないのであまり強さを感じません。
ロードを増やしやられる前にやらなければいけない環境です。
メロウの騎兵なら土地を起こして展開を助けたりマーフォークのペテン師と合わせて相手のクリーチャーを複数体タップしたりと殴り合いにとても強いです。
基本的にクリーチャーでの殴り合いなので潮流の先駆けとマーフォークのペテン師がいつも以上に強いです。
マナ基盤はミラーマッチと窒息・沸騰対策として極力島を減らしてあります。
血染めの月だけ置かれないように祈りましょう。
そして特徴的なカードとしてコレ。
あなたが選んだ一つのクリーチャータイプのクリーチャーをX体オーナーの手札に戻す。
青ならではバウンス呪文。
通常ならば見向きもされないカードですが部族モダンという環境では強さが変わります。
戦闘前に使えばブロックを許さず一方的にねじ込んでいけます。
X=3くらいでフィニッシャー級のパワーです。
タッチ緑
直近で使った楽園の拡散と集合した中隊を使用したシミックマーフォーク。
知性や理性をブン投げてかわりに筋肉を詰め込みました。
力こそパワー!!
アトランティスの王、真珠三叉矛の達人、メロウの騎兵、マーフォークの霧縛りの驚異のロード16枚体勢!!!!!
1ターン目の楽園の拡散から2ターン目にメロウの騎兵さえ出てしまえば2マナの呪文はフリースペル。3ターン目には全ての手札を場に展開できることでしょう。そして余ったマナで集合した中隊をぶっ放してさらにロードを呼ぶことができます。
青単で強さが薄れていたシヴィエルンも2ターン目に出るなら話は別です。
3ターン目から破壊不能で攻撃しながら次の戦力を補充しに行けます。
この構築ではとくに島渡りを考える必要もなく全てをサイズで圧倒できてしまいます。激浪の形成師が残るのは環境上一応土地を縛ることの強みがあるのと1マナのマーフォークがいることによって2ターン目のメロウの騎兵から3ターン目にもう1体メロウの騎兵を出したときそこから1マナのマーフォークがいると土地を2枚起こして全力展開というドブン回りがごく稀にあります。
惜しくもエルフに討ち取られて4-1に終わってしまいましたが部族モダンのマーフォークはもうコレでいいと思います。
サイドボードの選択
いろんな部族に対して不利はありますがサイドボード次第でなんとか勝てるようになります。
勝ちたい部族に対応して採用するカードを選びましょう。
否定の力
ゴブリンの放火砲などのコンボやサーチカードを咎めたり全体除去に対応するためにサイドボードの必須カードです。
壁デッキや蟹デッキなどがライブラリーアウト狙いで罠の橋を置いてくることもあります。エルドラージトロンからウギンが出てくると詰みなので土地を余り縛らないシミックならサイドに4枚あってもいいと思います。
部族モダン特有の全体除去として魔女の復讐などを見かけます。全体除去や全体マイナス修正は基本的にソーサリーしかないので否定の力さえあれば対応可能です。
真髄の針
システムクリーチャーを使用したコンボや特殊な置きものを使ったコンボデッキなど殴り合いにならないデッキ相手にはいろいろと刺さるものがあります。後述の呪われたトーテム像と違いアーティファクトやプレインズウォーカーや土地も対策できるので散らして採用です。
アドバイザーデッキとのサイド後の1ターン目に置いて指定「しつこい請願者」と言ったときは大変申し訳ない気持ちになりました。
冬眠
リターンオールグリーンパーマネンツ!!!!
エルフに勝てないのでサイドインです。
群れのシャーマンの誘発に合わせてぶっ放しましょう。
たまにマナクリーチャー多めのデッキやハイドラにブっ刺さります。
霧裂きのハイドラX=20に対する唯一の返しです。
呪われたトーテム像
モダンホライゾン2から使用可能になったいにしえの強力アーティファクト。コレ1枚で機能不全になる部族デッキはとても多いです。
マーフォークデッキではなにも引っ掛かるものがないので安心して採用することができます。
真髄の針と違いマナ能力まで封じてしまうのでエルフデッキにブっ刺さります。ロードも呼べない、全体パンプも再生もなにも許しません。
ゴブリン相手にも人目を引く詮索者が止まるのでコンボルートが潰れますし、ゴブリンデッキのアーティファクト対策がゴブリンのクレーター掘りなのでその能力すら封じてしまいます。
献身のドルイドや鱗親和なども封じてしまうので全ての部族に拳での真っ向勝負を強制することが可能です。
倦怠の宝珠
場に出るクリーチャーは能力を誘発させない。
銀エラの達人、マーフォークのペテン師、潮流の先駆けなどこちらも被害が及びますが不利なマッチで強引に勝利を掴みにいくことができます。
ゴブリンデッキ相手にゴブリンの女看守やボガートの先触れが止まりるのでコンボに入ることができなくなります。
そしてなんといってもエレメンタル。
普段煮え湯を飲まされ続けている孤独も激情もただの小物になり下がります。除去のなくなったエレメンタルデッキに恐れるモノなど何もありません。こちらの筋肉を魅せつけてやりましょう。
墓地対策
部族モダンの環境上、墓地対策はしておいたほうがいいです。
デーモンなどの大物を釣り上げてくるリアニメイトデッキ以外にもエリシュノーンや虐殺のワーム、セラの使者などを釣っているのを見かけたことがあります。
あとはゾンビデッキや墓地を経由したコンボデッキも意外と多いです。
お互い集合した中隊を使うパターンがあるので墓掘りの檻はデッキ構築と相談で。
未認可霊柩車は環境上殴り合いなので少なくとも3回くらい起動して追放しないとサイズ的に少々心もとないのとタイヤでは島が渡れないのがネックとなります。
まとめ
以上、部族モダンでのマーフォークを書いてみました。
いろいろあるフォーマットですが楽しい環境なのでお気に入りの部族を見つけて是非ご参加を。
Let's enjoy merfolk !!