あなたの時間を過ごしてみたい。

朝目覚めたら どっかの誰かに なってやしないかな
なれやしないよな 聞き流してくれ
-白日 King Gnu-

ここ最近天気が良いので、通りのテラス席でお昼ご飯を食べることが多い。
街を行き交う人たちを見て「良いよなぁー、楽しそうで」なんて言いながら食べるのが日課になった。
つい先日も、モデルみたいな人たちが団体で歩いていて、この人たちどっから沸いて出てきたんだよって言いながら、眩しすぎるその姿に目を細めた。

そんな街で働く私は、今の仕事にちょっと疲れてきていた。

だけど、今日はちょっと違った。
どうしても気になる人がそばにいたから。

その人は40代くらいの男性で、お世辞にもおしゃれとは言えない、長い間会社に尽くしてきました、みたいなザ・サラリーマン風の方。

みんながわいわいランチを楽しむ中、ひとりテラスで手作りのお弁当(自分で作ったか、奥様が作ったかは不明)をもくもくと食べていらっしゃいました。ーつ、強い。

私、こういう方にものすごく惹かれて、気になって見ちゃうんです。
そして、妄想しました。(ごめんなさい)

普段仕事のときはどんな風に働いているだろう・・・たぶん、自分の良きタイミングでおいしいコーヒー淹れて、ほっと一息ついたりして。周りの人がくだらないこと話してても、自分に関係なかったらフル無視で。でも、特にその空間で浮いてる感じもなくて・・・
自分のペースをうまく保てているかたなんだろうなー。

私が変な妄想をしている間にお弁当を食べ終え、1冊の本を取り出して読書を始めた彼。(うわぁ、最高)
BOOKカバーで隠されてて何読んでるか分からないのがまたそそる。

私はお昼の数分間だけ、あなたの時間を過ごしたいと思ってしまいました。
周りの目を気にしてばかりの自分ではなく、自分の時間を楽しんでいるように見えたあなたに、小さな憧れを抱きました。

お昼から戻ると、またせわしない「仕事の時間」が始まったんだけど、あなたのおかげで、自分らしくいるって格好いいって思えたよ。

◆◆◆

ちなみに私は生まれて初めて「バインミー」という食べ物を食べたんだけど、どうしても「リメンバーミー」とかぶってしまう。
もう二度と食べることもないかもしれないから、いつでも思い出せるように「リメンバーミー」のほうが都合が良い。

あと、近くの人が電話で「ノーレスポンスですよ、ノーレスポンス!」と声高々に言ってたのを聞いて「ノーレスポンス・ノーライフ」というワードを思い浮かべた人が私の周りに何人いただろうか。アンケート取りたかったのにそんな勇気がなかった。

そんな1日。くだらんことばかり記憶に残る。でもそのくだらんことが、狂おしいほどにいとおしい。
やっぱり私は、私だ。

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