3.もしかしてイキずらい?-コンプレックス解消編【後編】-
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彼とのセックスがはじまった。
彼は私の体のあらゆる部分を愛撫し、舐め、愛してくれた。すると、私の中心が物凄く潤ってきているのが分かった。この"潤う"、つまり"濡れる"という体験ははじめてのことだった。
彼は私の中心が濡れていることに気づくと、とても嬉しそうな表情を浮かべながら、「そろそろ入れてもいいかな?」と私に確認してくれた。私がコクッと頷くと、彼はゴムをつけ、私の中に入ってきた。
スムーズな挿入だった。
そしてひと言
「あぁ、すごく気持ちいい」
と私に言った。
その瞬間、思わず涙が出た。
サッカー男子とのセックスによって、自分の体を受け入れられなくなっていたけれど、彼のそのひと言は
"私の体はダメなんかじゃない"
そう思わせてくれているような気がした。
そうして彼は存分に私を味わった後、私の中で果てた。
セックスとはこんなに素敵なものなのか。
こんなにめくるめくものなのか。
こんなに恍惚とするものなのか。
その日、彼の家から自宅へ帰ってきても、彼とのセックスに思いを馳せた。気づけば彼の仕草一つ一つを頭の中で反芻していた。
それ以降、彼と会ってない日には彼とのセックスを反芻しながらひとりエッチをするようになった。また、ひとりエッチをせずとも反芻しただけで濡れてしまうこともあった。
たっぷりと時間をかけて愛されること。
見せかけではなくて心からの愛を注いでもらうこと。
お相手に身も心も委ねられること。
これらは、セックスにおいて必要不可欠なんだということに気づいた。そして、それが快感に繋がるということも知った。
付き合いはじめて2ヶ月経った頃、彼が
「僕はニヘイとの正常位が大好きだけど、バックだと挿入の角度が変わって、より入れやすくなる。こっち(バック)が好きって言う男も案外いるかもね。」と言ってくれたことがあった。
体のこと、特に性的なことというのは本当にデリケートな分、伝え方によってはそれがトラウマにもなってしまう。その点、彼のこの伝え方は上手いし、さすが!と思った。
と同時にそれを伝えてくれたことが嬉しかったし、ずっと悩んでいた体のコンプレックスを彼が一蹴してくれた気がして、ありがたかった。
おかげで
「下付きだからダメ、上付きだから良い」
そんなことは決してなく、それはただの個性
と捉えることができた。
全く同じ体付きの人なんていないし、むしろ違いを楽しみながらセックスをする方が豊かな気がする。
その後も、彼からは色んなことを教えてもらった。コスプレ、パイパン、目隠し、縛られたりもしたし、車内でセックスすることも度々あった。クリトリスを触られて達する"外イキ"も彼が味わわせてくれた。
と、様々なプレイを書いたものの、国税調査官という職業とのギャップたるや!案外お堅いお仕事の人ほど、夜は激しいのかも!?(すみません勝手な推測且つ偏見です大変失礼しました!)
まるで大人の階段を10段飛ばしで登る、そんな感覚ではあったものの、その関係も3年で終わった。私が就職するタイミングでお別れすることになったからだ。
今は税理士として独立しているらしく再婚もしたとか。元気かなぁ。
いずれにしても、私を受け入れ、解放してくれたこと、たくさんのことを教えてくれたこと、心から感謝してます!本当にありがとう!
ひと回り年上は伊達じゃない!(そして国税調査官も伊達じゃない!ってそれは関係ないかっ)
色々と思い出に浸りまくってしまったけれど、"イク"という観点からいえば、外イキはすれど中イキは一度もできず。。
でも、今回ばかりは中イキについての言及は一切しない。なんせセックスの楽しさを存分に教えてもらったのだから!
夢のような3年間を過ごし、めでたしめでたし
で終わるはずもなく…
それをぶち壊すかのような日がやって来るとは!?
おわり
さて、次回の「もしかしてイキずらい?」は
パラレルキャリア男子編をお届けします。