動画で学ぶセットダンスの基礎的な動き
こんにちは。TDMのひろしです。
日本各地へ踊りに行ったり、東京のケーリーに通っているといろいろなダンサーと出会います。
はじめてダンスを踊る方、
ずっと好きだったけれど踊った経験はない方、
昔踊ったことがあるけれどすっかり忘れてしまった方。
住まいが東京である、または身近にセットダンスを踊れるベテランがいれば良いですが、そんな幸運なかなかない!
「もっとたくさん踊りたい!」という意思はあるものの、ペアダンス、ソーシャルダンスであるために(自分も踊り慣れていないのに)人に教える立場になる、、、なんてことも。
セットダンスにかかわる諸情報はまだまだ多くありません。
この記事ではセットダンス初心者なみなさんがつまづきがちなセットダンスの基礎的な動きを動画とあわせて紹介したいと思います。
想定する読者
・セットダンスの基礎的な動きが知りたいひと
・セットダンスを習ったけれどまだ慣れていないひと
・セットダンスを現地で覚えたけれど言葉の整理ができていないひと
はじめに ~各項の見方~
<Basic>と書かれているのは基礎的な動きです。ここら辺ができればセットダンスは踊れるも同然!あとは空気を読むだけです!笑
<Intermediate>と書かれているのは基礎的な動きを覚えた方が見ると良い動き。ちょこっとだけ動きが複雑になります。
この記事では説明しませんが、実はセットダンスではリズムに沿った足運びをします。ReelとPolkaでは足運びが異なるため、ステップ(足運び)と動きを関連づけて覚えないようにしてください。
それでは、いってみましょー!
<Basic> Advance and Retire (in waltz hold)
読み方:アドバンス・アンド・リタイア
ホールド:ワルツ・ホールド
演奏のリズム:Reel
前に進んで、後ろに下がる。それだけ。
この動画では男性は「左 - 右 - 左 - 右 - 左」で前に進み、「右 - 左 - 右 - 左 - 右」で後退しています。女性は「右 - 左 - 右 - 左 - 右」で前に進み、「左 - 右 - 左 - 右 - 左」で後退しています。つまり、男女で足の動かし方が逆になる訳です。
ステップができることに越したことはありませんが、はじめのうちは「前に進んで!後ろに下がる!」だけ覚えていれば十分だと僕は思います。
ちなみに、動画のような男女が向き合って組み合う構えを「ワルツ・ホールド」と言います。あのロマンチックなワルツを踊るときの構えです。この組み方について説明すると長くなってしまうのでOJTで覚えるのがよいです。
<Basic> Circle, then Advance and Retire
読み方:サークル・アドバンス・アンド・リタイア
ホールド:左右の人と手をつなぐ
演奏のリズム:Polka
両手をつないで前に進んで、後ろに下がる。それだけ。
手をつなぐときは男性は手のひらを上に向け、女性は手のひらを下に向けます。
Circle, then Advance and Retireするときのコツは男性は女性が動き始める少し前に両手を左右に広げること。男性の手が広がっていると女性は「ここに手を乗せれば良いのかしら?」とスムーズに手を乗せることができます。
「男性が少し早く動きはじめる」のはセットダンスの動きほぼすべてに通じるコツ。女性が音楽にノって踊れるように、男性は女性よりも気持ち早めに動くと息が合って踊るのが楽しくなります(というのは個人的見解です)。
※ この動画ではポルカのリズムで動いているので、上の「Advance and Retire (with waltz hold)」とは足運びが異なっています
<Basic> Lead Around (crossed hand)
読み方:リード・アラウンド
ホールド:クロスド・ハンド
演奏のリズム:Reel
Lead Aroundとは「引きずる」みたいな意味です。男性が女性を引きずるイメージでしょうか。男性と女性が左手同士、右手同士で手をとり、反時計回りに歩きます。この手の取り方を「crossed hand(両手をクロスさせるようにつなぐ)」といいます。
Lead Aroundはフィガーの最初に出てくることが多いです。前菜みたいなかんじ。手と手をつないで「これからここで踊るんだぜ」みたいな気持ちでぐるりと歩く。
<Basic> Swing (in waltz hold)
読み方:スウィング
ホールド:ワルツ・ホールド
演奏のリズム:Reel
セットダンスでよく使われるキー・ムーブメントの一つです。パートナーとワルツ・ホールドになって右足を軸にしつつ、左足で漕ぐように歩きます。
体を向き合うように構えたり、パートナーと見つめあうように回ったり、重心を2人の真ん中に置くように回ったり、、、とコツは色々あるのですが詳しくはOJTで。
<Basic> House around (in waltz hold)
読み方:ハウス・アラウンド
ホールド:ワルツ・ホールド
演奏のリズム:Reel
こちらもセットダンスでよく使われるキー・ムーブメントの一つです。「スウィング好き」「ハウス好き」で、ダンサーにより好みの別れるところ。
パートナーとワルツ・ホールドになって回転しながら大きく円を描くように回ります。
「回りながら回る」と書くと意味がわかりませんが、
イメージは地球の自転と公転。自らも回りながら円の軌道を描く動きです。
Houseとは「家」という意味ですが、「各パートナーがいる家(の場所)にお邪魔する」という意味と聞いたことがあるのですが、果て真相は。
<Basic> Ladies Chain (Claddagh Set ver.)
読み方:レディース・チェイン
ホールド:なし
演奏のリズム:Reel
これまたよくある動き。Chainとは「鎖」という意味です。女性同士で手をつなぎ、そして男性と手をつなぐ動きなのでLadies Chain。鎖のようにつながれる。覚えやすいですね。
「Ladies Chain」と聞いたら女性は向かいにいる女性とChainして(手をつないで)、その後、向かいにいる男性とChainします。ぐるっと反転して元の位置へ戻るのですが、戻り方は様々です。この動画では最後にパートナーとChainしています。
〜ここからIntermediate〜
基礎編おしまい!
こっからIntermediate、中級だよ!!
<Intermediate> House inside (in waltz hold)
読み方:ハウス・インサイド
ホールド:ワルツ・ホールド
演奏のリズム:Reel
動き自体はHouse aroundと一緒。違うのはHouseをするカップルが一組ということ。他のカップルと一緒に動かない分、公転の軌道も小さくなります。
「Show the Lady(自分のレディーを見せつける)」なんて言い方もします。
<Intermediate> House each other (crossed hand)
読み方:ハウス・イーチ・アザー
ホールド:ケーリー・ホールド
演奏のリズム:Reel
House each otherは向かいのカップルと一緒にHouseをします。動き自体はHouse around, House insideと一緒です。
ただし、組み方はwaltz holdではなくcrossed hand。Advance & Retireで説明した、右手同士左手同士で手をつなぎます。
一見変わった組み方に見えますが、重心のかけかた次第でアトラクションのような楽しみ方ができる奥深いホールドです。詳しくはOJTで。
<Intermediate> Swing (in céilí hold)
読み方:スウィング
ホールド:ケーリー・ホールド
演奏のリズム:Reel
こちらはSwingのcéilí holdバージョン(ケーリー・ホールド)です。組み方はパートナーの左脇に右手をぐっと突っ込み、左手をつなぎ、Swingと同じ要領でその場で回ります。
waltz holdのSwingよりも密着感があるので日本人には少し不慣れな?組み方かも。その分回転に勢いが出るので楽しいよっ!
「céilí」とはアイルランド語でアイルランドやスコットランドで行わるダンスパーティ、社交場を意味します。
<Intermediate> Square
読み方:スクエア
ホールド:なし
演奏のリズム:Reel
「スクエア」とはその名の通り正方形の動きを指します。男性は時計回りに、女性は反時計回りに正方形を描く軌道で歩きます。
男性:前へ進む。右へ曲がって進む。もう一度右へ曲がって進む。さらにもう一度右へ曲がって進み、もとの位置へ戻る。
女性:前へ進む。左へ曲がって進む。もう一度左へ曲がって進む。さらにもう一度左へ曲がって進み、もとの位置へ戻る。
前へ進むときは必ず誰かとすれ違います。はじめは向かいの異性、次はパートナー。もう一度向かいの異性、そしてパートナーです。
軌道を覚えるコツは男性はパートナーの歩く距離を短くなるようにすること。
男性が四角形を描くとき、
①外側
②内側
③外側
④内側
の順で歩くことになるのですが、「②内側」のときパートナーは外側を歩いていることになります。なぜなら男性と女性は逆の動きになるので。
ですので、女性が大回りしないように「①外側」を歩くときにあまり奥まで行かないようにする。すると、「②内側」で女性が男性の外側を歩くときに楽になります。
かように見えない気遣いがセットダンスでは大事なのです(というのは個人的見解です)。
<Intermediate> Chain (Clare Lancers Set ver.)
読み方:チェイン
ホールド:なし
演奏のリズム:Reel
右手!左手!で手をつなぐ!以上!!!!!!!
Ladies Chainを全員でやるバージョンです。男性は反時計回り、女性は時計回りで円の軌道で歩きます。右手、左手、右手、左手、、、
この動画では、もとの位置から反対側まで歩いてパートナーと出会ったらSwingをしています。再会Swing。そのあと、もう一度Chainでもとの位置まで戻っています。
このおかずの部分(この動画では「再会Swing」)はフィガーによってころころ変わります。しかし、大まかな流れは変わりません。右手!左手!
ちなみにエモポイントは右手→左手とつないだときに右手を離さずに左手をつなぐこと。すると、コンマ数秒のあいだみんなと手をつないでいる状態が生まれます。エモいですね。
<Intermediate> Little Christmas (basket form)
読み方:リトル・クリスマス(バスケット)
ホールド:なし
演奏のリズム:Reel
別名「Swing in Four」とも言います。4人でSwingするから。
Little Christmasには構え方がいくつかあって、これは2番目にメジャーな構えです。男性同士が手をつなぎ、女性は両隣の男性の肩に手を置きます。このとき、男性は左手で相手の手をつかみ、右手は相手につかまれます。
「basket」という言葉の由来は「かごのような」構えからかな?と思うけれど、詳しい人!コメントください!!
個人的にLittle Christmasは世界平和のポーズだと思ってる。
<Intermediate> Big Christmas
読み方:ビッグ・クリスマス
ホールド:なし
演奏のリズム:Reel
別名「Swing in Eight」とも言います。8人でSwing。
全員、左手は2つ左隣の人の手をつかみ、右手は2つ右隣の人につかまれます。あまり強くつかむと痛くなってしまうので加減に気を付けてください。汗をかくと滑ってしまったりなどのハプニングもあるある。
「超☆世界平和のポーズ」
結びに
こうした動画を使った説明記事は少ない(?)気がしたので書いてみましたがいかがでしたでしょうか?
よくわからない?
わかる~〜〜〜〜
セットダンスはアイルランド音楽と深く結びついているダンスなので、からだを動かしながら覚えるのが一番です。
でも、からだを動かしてばかりでもわからないですよね。難しい言葉が多くてよく理解できなかったり。そんな方の役に立つといいな、なんて。
細かいことは追々覚えればよいです。
踊りながら、音楽を聴きながら、自然にからだが動くようになります。
ではでは、またどこかのケーリーで逢いましょう。
補遺
JOE O'HARA氏のセットダンス用語集はもっと詳しいです。だが英語だ。