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アイルランド文化を語る素敵な記事を12本紹介します
2020年4月から3ヶ月間、「#土曜夜にアイルランドを語る」という週間連載を行っています。ここでは、その連載に寄稿してくださった総勢9名、計12本のnoteを紹介します。
アイルランド文化にはゲール語などの言語や文学に、伝統音楽や演劇などの芸術、民話、神話(ケルト神話が有名ですね)、料理、スポーツ(昨年のラグビーワールドカップは記憶に新しい)など数多くあります。
今回紹介するのは「音楽」「ダンス」「文学」「神話」、そして日本におけるアイルランド文化の受容をテーマとしたものです。
どの記事も、情熱と経験と研究により彩られた最高なnoteです。
(アイリッシュ愛好家の宿命か、内容はいつもディープ)
(だがそれがいい)
その人らしい、そのnoteらしい部分を引用しつつ、紹介します。
気になった記事はぜひお読みいただき、スキやコメントしていただけると僕もうれしいです
*本文にはTwitterアカウントが載っているものもあります
でわでわ、行ってみよーー!!!
言葉は力〜アイルランドの歌文化〜
……まさに、アイルランドの歌文化は、アイルランドの歴史と密接に関わっているのです。アイルランドの歌を学ぶことは、まさにアイルランドという土地の歴史と生活、文化に身を浸すことに直結するのだと、改めて感じます。
ごっぴさんはバンジョーがとても上手い方で、アイルランド留学から帰国された時にバンジョーを巧みに弾かれていた姿が印象的。ラップや作詞作曲漫画など多彩な趣味もお持ちです。まだまだ引き出しがあるようなので、次回作も楽しみにしています。
ダルシマーでアイリッシュを弾く ~アイリッシュ音楽の異端者?~
実はここ数年もやもやを感じています。
音楽を始めた頃は楽器を弾けること自体がただ楽しくてとにかく弾いていましたが、やがていろいろな世代や国の人と一緒に演奏し、この音楽に深く入り込むようになってから(アイリッシュ沼ですな)、今のままではダメだなと感じるようになってきました。
日本ではまだまだ珍しいハンマーダルシマーに関する知見をまとめてくださいました。face_to_northこと北向さんはダルシマーを持って(?)遠くまで旅をされ、旅行記なども書かれています。アイルランド旅行記、Co. Antrimのことなども書いてほしいなぁ。
終わりなき旅。音源を通じた音楽との出会い方、探し方
そんな音源との出会いから始まったもので、ライブやセッションは勿論、音源が好きでして、素敵な先輩方や仲間から教えてもらい実践してきた方法を、今回は簡単にご紹介します。
おうちで音楽を聴いていても、素敵な出会いから音楽の世界が広がった訳で、皆さんとも感想を語り合えたら嬉しいです。
みぞやすさんはこの連載初、一挙2記事をアップされた方です。上記記事の実践編を書いてくださいました。伴奏者に関する続編もあります。生演奏を十分に楽しめない今だからこそ、おうちで音源をじっくり聴く絶好の機会ですね。
アイリッシュ音楽のピアニストたち
私が、今一番好きなのはこの演奏です。ドライな部分もあるのですが全体的に上品で落ち着いた演奏です。ピアノならではの良さを感じます。メロディーに和音をくっつけて弾いている部分もあります。あと、もちろん、メロディーの弾き方がとても良い。百読一聴にしかず。聞いてみてください。とってもエレガントな”The Woman of House"とか入ってます(笑)
ピアノ伴奏大好きな僕イチオシのnoteです。Donna Longを聞きましょう。マジでいい。Akiさんは「お家でたのしむアイリッシュ」の構想を語ったときに最初に興味を持ってくださった方の一人。この記事の他にもアイリッシュ音楽とバロック音楽について語ったnoteもあります。こちらも是非。
YouTubeで129時間融かした僕が考えるアイルランド音楽のリズム
......数年前にこの音楽を知ってから、Youtubeでレアそうな動画を発掘して高評価ボタンを押す習慣がついてしまい、その数は今日時点で1,552本でした!1本で1セットは弾いていると思うので5分あるとすると、合計で丸々129時間はYoutubeを見ている計算になります。習慣は恐ろしいですね。ちなみに、このプレイリストを純粋な状態に保ちたいが故に、アイリッシュ以外の動画にはどんなに良いと思っても高評価を付けられない病にかかっています。
連載史上最も他の方々に引用されている(?)記事。この前のCCÉ Japanのオンラインイベントでも引用されていました。アイアイさんはメロディオンがとても上手な方ですが、このように音楽を研究されていたとは…‥。内容はもちろん、内容に入るまでの冒頭もおもしろいです。
ダンスにまつわる、アイルランドの思い出。
今回のテーマは、アイルランドで暮らす中で得た、アイルランド文化の1つである「セットダンス」にまつわる、ほっこりする思い出たちを、つらつら日記のように書いています。さらに、アイルランドのケーリーがどの様に運営されているのか、掴めるように工夫しました
そして、この文を通して「セットダンスという“文化行為”を通した人間関係の温かさ」を、みなさんに伝えたい。
そんな想いで、この文を書いています。
アイルランドにはセットダンス(Set Dancing)という民族ダンス/社交ダンスがあります。そして、セットダンスやワルツを踊ったり、お茶やお菓子とともに団欒する場をアイルランドでは「ケーリー(Céili)」と呼びます。この記事では現地でたくさんのケーリーを経験した木村穂波さんがその魅力を紹介してくださいました(代筆しました)。
今こそはじめるシャンノース“コネマラステップ +α”編! Basic Sean-nos step徹底解説!
「初心者の方にどのステップを教えるのが良いかな〜?」「自分はシャンノース始めたての頃に何から習得してたかな〜?」と思い返していたところ、1つの動画を思い出しました。
アイリッシュダンスで有名なのはリバーダンスなどのステップダンスですが、「シャンノース(Sean Nós Dancing)」もその一つ。この記事では長野在住の新進気鋭のダンサーこといーちゃんがシャンノース初心者の目線に立って練習動画の紹介・解説をしてくれています。以下の2本は共著です。
アイルランドの物語を読もう!〜クーリーでの思い出〜
そう、アイリッシュ・ウェザー(変わりやすい天気)です。しかも少し前のハリケーンの余波で、暴風雨が襲い始めます。寒い!!
滞在場所から遠くなかったので、とにかく帰ろうとするのですが、色々あって山がちな道に迷い込み、アップダウンが出てきます。キツい!!
必死に坂を上り切り、下り終えたところで私を待ち受けていたのが...
たわらさんはオールドスタイル・ステップダンスを嗜むダンサーです。アイルランドへ旅行に行かれた際は現地の方と友好を深め、ダンスを持ち帰ってくることも。この記事をきっかけに僕も「クーリーの牛争い」のエピソードを読みました。
アイルランド文学から深めちゃお!アイルランドの音楽・ダンス文化の変遷
昔はどういう風に愛されてきたのだろうか。
昔はどんな人々によって楽しまれていたのだろうか。
そんな、かつての姿に想像を膨らませ、想いを寄せる一つの手段が、アイルランドの文学からのアプローチ!で!あります!!!(ででん!)
木村穂波さんによる記事2本目(時系列的にはこちらが先)。現地に留学していた際はアイルランドの歴史や政治、北アイルランド紛争や文化復興を学ばれていたり、音楽やダンスを嗜んでいたりと教養がとても深いお方。文化復興……文化を思う存分楽しめない今の時期とリンクすることもあるのでしょうか?
信州とアイルランド
遠くの方にも知っていただけるまたとない機会、これ幸いと広く皆様に向け、また私たち自身の振り返りを兼ねて、信州大学のサークル「S-Celts」を足掛かりに、大きなテーマ「コミュニティの発達」をキーワードに据えて、信州のアイルランド物語をお話してみようと思います。
きゃんさんは(いーちゃんと同じく)長野のお方。日本のアイルランド文化、特に「コミュニティの発達」という点でも長野は注目の土地。どこまでも広がる大地と山々はアイルランド(そして故郷の北海道)を思い出します。文章はもちろん、素敵な写真をぜひご覧ください。
・・・
気になる記事はありましたか?
ここまで読み飛ばした方はいないですよね?!
ひょっとしたら僕の紹介の仕方が悪かったのかも‥。
とゆーことで、他の方の感想をちらり。
言葉は力〜アイルランドの歌文化〜#土曜夜にアイルランドを語る|ゴッピさん、若いのにすごいわ勉強してるわ~と思ったけど若いから吸収力とそこを掘り下げる瞬発力があるんだなと思いました #note https://t.co/FSQld1mTnN
— sumi no toutan (@suminotoutan) June 8, 2020
これ、すごいのは音楽のディグリ方を話しているのは勿論、レコーディング環境や音楽を聴く環境、補足編では作詞家、作曲家、プロデューサーにまで手を伸ばして説明していること
— Goppipolla (@goppyxis) May 3, 2020
みぞやすさんはアイリッシュに限らず、様々な音楽の話ができてありがたいのだが、彼の深い音楽知識の源泉が垣間見える内容 https://t.co/HTtjKi8kjj
これは良記事。多くの人がリズムに対してノウハウがない中、こんな手順でリズムをとらえてみよう、というのを示してくれるのはありがたい。この音楽に慣れてきて、リズムを気にする余裕が出てきたら人はぜひ参考にしてほしい。 https://t.co/aZZXbfewN2
— せんい (@chocobo_heppoko) April 11, 2020
『遠い緑の島の文化は、今ではとてもワクワクするもの、それを知るまでのご自身はどうしていたのか思い出せないような特別なものであるはずです。』………私が書いたわけじゃないのに、ここに私がいた(゜_゜)
— メイホア (@May_eire) May 30, 2020
信州とアイルランド|can https://t.co/fMqlolaQzh
皆様の感想もぜひぜひ聞かせてください。こちらの記事へのコメントでも、記事自体へのコメントでもTwitterでも。ハッシュタグは #土曜夜にアイルランドを語る です!
結びに
末筆になりますが、僕の(一方的な)お願いを受けてくださった連載作家のみなさま、本当にありがとう。毎度びっくりするくらいの文量でしたが笑、アイルランドのことをたくさん知れて、いっぱい好きになりました。
立場上、すべての記事に毎週目を通していましたが、とっても役得でした。
連載を続けているうちの楽しみの一つに、著者のみんなが自然と前の方の記事を紹介する慣習が生まれたのがエモみの極みでした。リレーのように紡がれるアイルランド文化への愛と尊敬、素敵です。
* * *
ここからポエム
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「#土曜夜にアイルランドを語る」連載や「お家でたのしむアイリッシュ」マガジンを始めるとき、「アイルランド伝統文化をインターネット上に流布するなんてけしからん!」なんて声があるのではないかと恐れていました。
「この連載によって、この活動によって、かえって状況を悪くしてしまうのではないか」
そんな怖れと共にこの3ヶ月を過ごしていました。
「伝統音楽」という言葉に代表されるように、アイルランド音楽では口伝を重視する、「誰から教わったか」を大切にする側面があります。これはインターネット上の情報のように「誰もが享受できる」という考えとは真逆のアプローチです。
セッションやライブなどのアイルランド音楽やケーリーなどのダンス文化は某ウィルスとすごく相性が悪い。
それでも情熱という火を灯しつづけたい。
すべてが落ち着いたとき、以前よりもたくさんの人がアイルランドのことが好きになっている。ライブやケーリーが盛り上がる。
そんな未来を作りたくて、この連載をはじめました。
ここで、みんなの記事で言及されていた問いに答えてみましょう。
Q. あなたとアイルランドとの出会いは、どんなものでしたか?どんなところに魅力を感じてきたのか?
A. 母が実家でEnyaをよく流していた。アイリッシュ(?)に耳馴染みがあった。セットダンスの伴奏、特にピアノの伴奏が好き。セットダンスも好きになり、ダンスチューンも好きになった
Q. 皆さんがアイリッシュ音楽やダンスを勧めるのはなぜでしょう?
A. 好きだから、自然と言葉にしている。たくさんの人と楽しく踊れる世界に住みたい
Q. 皆様にとって、アイリッシュ音楽ってなんでしょうか?
A. なんでしょう!ケーリーの伴奏では心を踊らせてくれる相棒であり、お家では生活とともにあるものでしょうか
Q. 県域を越える移動の制限がある今、そしてこれから、どこを拠点にするか、考えさせられます。あなたはどこにいたいですか?
A. あなたのそばにいたいです。大切な人と会えること、会いたいと思った時に会えることが本当に貴重な時代になりましたね
緊急事態宣言も明けて、情勢は少しずつよくなっていますが、ウィズコロナの時代はまだ続きそうです。
生演奏の、そして、人と会うことの大切さは忘れずに、それらを補完するものとして、インターネット上でもアイルランド文化を楽しめたらと願い、もう少し連載を続けてみようと思っています。
今までは僕が会ったことがある人にお願いしていたのですが、素敵な書き手が日本にはまだまだいるようです。個人的に気になっているのはIrish PUB fieldや吉平真優さん。
その他にもオールドスタイルステップダンスやモダンダンス、楽器や料理、歴史にパブのことなど知りたいことはたくさん。特に日本のアイルランド文化の歴史、などとても読みたい!!
「お家でたのしむアイリッシュ」を日本のアイルランド文化の情報が集まる、誰もが楽しめる場所にしたいです。
・・・
この連載、7月からは隔週または月一で行います(*)。
これまでより少しだけペースを落として、そして、一つ一つの記事がじっくり読まれるように、丁寧に続けられたら、と考えています。
*次回は7/11更新予定ですが、現在交渉中。ひょっとしたらお休みをいただくかも
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