ホルモン注射1本目
トランスジェンダー(FtM)の診断が下りた。
2019/2/19 通院11回目
初ホルモン注射
エナルモンデポー筋注125m l ¥890 (保険適応外)
普段通りの診察料 ¥1210 (保険適応内)
(→たいてい¥2100)
・若干の緊張感はあったが、あっけなく終わった。痛くない。右のお尻に打った。交互に打ったり、ときどきは肩に打ったりするらしい。
・普段通りの生活でよい、と。帰り道はしまじろうのオープニングでも歌い出しそうなハピハピ感。2018年4月に覚悟を決め、8月から通院をはじめ、ようやくここまでたどり着いた!
・食欲と性欲とニキビがひどくならないことを願う。10年越しの思春期。男子中学生に似た状態になる?
・今日は生理1日目の予定だった。
まだ血は出てないが、打ったことでどうなるか楽しみ。出血直前だったわけだから、少しくらい血が降りてくるかもな。ホル注でせき止められたらスゴイけど。
こんなにワクワクする生理は、診断書が出ると聞いて「今回で人生最後の生理かも」とぶち上がった前回同様、なかなかあるもんじゃない。
~前エピソード~
・最近は乾燥による肌荒れが起きているので、ホルモンで荒れてもそうだと気づかないかも。
・朝友人と電話したら、まだ打ってもないのに「声変わった?」と聞かれる。この数日が体調イマイチだったせい。でも早く低音ボイスになってほしい。
・昨日はホテルのスタッフバイトの面接に行った。面接に、行った、が面接はしなかった。扉を開けた瞬間、吐き気がした。動悸。
「実はトランスジェンダーで、明日からホルモン注射を始めるので、こんなフォーマルな男女の衣装を着て振るまえません」
とは言えないが、とにかく辞退した。
給料高いのに、残念。
格式高い場では、伝統的な男女の外見を壊すことはできない。だから自分は、ファッションにおいても大人向きのカジュアルが好きなのだろう。ミニマムだが、気取ってないから。性差に縛られる必要がないから。
・前日までの方がそわそわしていた。怖かった。
落ち着きもなく、電話をかけた。内容なんてなかった、ただ繋がってほしかった。好きな人と出会ったこの声を、忘れないでほしい。
自分の声は好きじゃなかったけれど、それが今までの自分だったから、受け入れようと必死だった。
いつかその人の声を聞きたいと思っても、電話をかけたら「だれ」と怪しまれるのかもしれない。
いつまでも好きでいてほしいというのは贅沢で傲慢だ、でも、忘れないでいてほしかった。
自分は肉体を忌避しているが、この体で生きて出会ったのは事実で、ときどきは宝もののようだった。
欲をいうなら、変わるまでのキライな体でも、大切な相手とセックスしたかった。肯定して欲しかったわけでもないのに、自分でも不思議におもう。一体自分は他者になにを欲していたのだろう。
自分はこのままでいられるのか、人体実験だった。
誰のせいでもなく、誰のためでもない。
自分のせいでもないし、自分のためですらない。
なるようになる、なるようにするんだ。