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渡会みつる「1000円の重み」
渡会みつる。43歳。独身。下関市出身。
あるとき何げなく街を歩いていたら一軒の宝くじ売り場
があったのでスクラッチを1枚購入しました。
削って当たりかハズレか絵によってそれが決まります。
すると当たりました。
3等1000円。
店員さんに渡すと「おめでとうございます」と言われ
本当に1000円貰いました。
しかし「野口」の1000円…。いまだに「北里」の
1000円はさわったことありません。
でもこの際札束に描かれている人物なんかはどうでも
いいことです。それよりも今僕の手許には現金1000円。
帰宅して卓袱台に1000円札1枚を置き、正座して腕を
組みじっと見つめました。
1000円があるんだから何か使えばいい。しかし物価高
が叫ばれるこのご時世に1000円どころか100円硬貨でも
貴重な存在の時代。
キャッシュレスの時代になってもなかなか波に
乗れません。使い方知らないし、使ってエラいこと
されたら元も子もないし。
今私の卓袱台の上には正真正銘の本物の1000円がある。
私の心には1000円をゲットした喜びと1000円札から
放つ重みを思い知らされる。
結局私は万一のことを考えて箪笥に1000円札を
入れました。そして何をするでもなく今日は早めに
就寝しました。