あの日セラピさんに言えなかったこと
「僕の仕事は人に堂々を言えるものじゃないから」
そう言って、少しだけ遠くを見つめているセラピストさんを見ながら私は何を言ってあげたらいいかわからなかった。
とあるお店で職業を聞かれた。
その時にセラピストさんは前職の職業を答えて
周りに「女風セラピストだと思われないように」してくれた。
その帰り道にポツリと
「botちゃんみたいに立派な仕事じゃないしね」
「人に堂々を言えるものでも、受け入れられるものでもないから」
人が溢れる交差点でポツリと呟かれた言葉が
今もずっと心に