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ヒップホップとスポーツ ~「向き合う・背負う」という共通点~

ヒップホップとの出会い

昔からHIPHOPが好きだったが、最近その熱が再燃している。
高校時代から仲の良かった友人(後にHIPHOPクルー組んでメジャーでCD出すレベルのすごさ)の影響で聞き始めた。
初めはDragon Ash(まだHIPHOPぽさがかなり色濃かった初期の頃)から聞き始め、そこからZEEBRA、K DUB SHINE、DABO、餓鬼レンジャー, Rhymester、Tokona-Xなど色々聴いてた。
大学に入るとMSC(漢a.k.a. Gami率いるクルー)やSEEDAにドップリとハマった。
本場アメリカのHIPHOPも、Eminemに始まりcommon, 50 cent, なんかを聞いて最後は2pacとNasに行き着いた。
大学以降も、作業時のBGM的にSpotifyやYoutubeで聴き続けてきたがフリースタイル・ダンジョン以降、自分の中のヒップホップ熱が再燃。
漢、般若といった重鎮どころから、SEEDA、R指定、DOTAMA、GADORO、輪入道、Zorn、狐火など仕事中のBGMとして聞き漁っている。

刺さったパンチライン

挙げればキリがないが、自分に刺さったパンチラインを持つ曲をいくつか。

MSC feat.秋田犬どぶろく 「決断」
 みんなでたむろ 見つけ出す活路 勝つか負けるかは自分が決める
 覚悟決めたなら みっともなくても Do or Die 何も迷うことはない

UMB2014 GRAND CHAMIONSHIP MC DOTAMA vs. R-指定 R-指定のバース
 たしかにワンマンはガラガラかもな
 でも俺はいつもゼロから這い上がるラッパー
 1回戦で2回も負け それで2回も優勝して
 そうやって俺はゼロからイチまでピラミッドの上にのぼるだけ

LIBRO、漢 a.k.a. GAMI、スナフキン、TAO、BAKU 「Real Deal」
 また誰ともなく火を灯す 感覚に新たな道を通すように
 頭ん中呼び起こすリズム 時間送ったり巻き戻す
 時代の変わり目に何を思う どっからどこへいく何者なのか
 確かめにかけるつられんな自分貫ける奴が本物

Where You're From

自分に刺さったパンチラインを持つ曲からも垣間見えるかもしれないが、ヒップホップの土俵で勝負するラッパーのメッセージには「自分がどこから来たか (Where You're From)」ということが色濃く反映されている。
ヒップホップを聴いているとよく「I am XX, represent YY(俺は○○だ△△代表、ex 「俺は太郎だ大阪代表!」みたいな感じ)」というフレーズが頻繁に出てくる。
「街やコミュニティを背負っている自分がいる」と表現することで、自分自身を大きく見せる側面がそこにはある。
同時に、街を背負うと謳うからには「自分が背負ってるこの街はどんな街なのか」を意識することからは逃げられないし、だからこそ自分の街と向き合うことが増え、その街の中で胸を張って生きる自分自身と向き合うことも増えるのだ。
言い換えると、自分という「個人」に「自分の街」という個人よりももっと大きなものを乗せて、ある意味では個人の可動範囲を「自分の街」に限定してしまうことで、「今、この街、ここにいる自分、この状況で、ヒップホップの世界でどう闘っていくのか」を常に考える習慣に繋がっている。
自分がヒップホップとラッパー達を愛して止まないのは、彼らが「自分」と「自分の街」の2つとしっかりと向合い、「自分の街」まで背負って勝負する姿勢とその「覚悟」があるからである。
「自分のため」だけだと良くも悪くも簡単に逃げることができる。
「自分」を越えた存在(街やチーム、家族、友人など)のために闘うには「覚悟」が必要、その「覚悟」をラッパーは常に持っているのだ。
そして、それは「自分がどこから来たか?」という問いかけを自身に行うことで、いつでも何度でも再確認することができる。

向き合えているか、背負えているか

スポーツの世界でも、(特にクラシックな日本の)ビジネスの世界でも、日々のタスクをこなすだけでいっぱいいっぱいになる状況が非常に多い印象がある。
目の前の課題、目先の目標、上司からの表面的な評価、それをクリアしていくこと自体は必要。
ただし、向こうから降ってくるような課題への対処は作業でしかなく、「向き合う」ことも「背負う」ことも生まれにくい。
「向き合う」ための前提条件は自分でしか設定できない。
前提条件を設定するのは自分なので、「向き合う」中での答えを出せるのも自分しかいない。
そこで答えを出せた者だけが、仲間やチームや街を「背負う」ところまで初めて辿り着くことができる。
文章にしてしまうと簡単なことだけれど、これができている人は案外少ない。
魂を込めてヒップホップの世界で闘うラッパー達から学ぶものは多い。

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