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咖哩の歴史 台湾と日本の風味が織りなす異国情緒

台北市内の東区にある小さな咖哩店を訪れると、瞬く間に特別な香りに引き込まれる。この店の特製咖哩をベースにした熱々の白ご飯と、そこに乗せられた柔らかい鶏肉が絶妙のハーモニーを奏でる。夏の暑さを忘れさせてくれる、心地よい異国の風情とともに。



台湾の咖哩は、日本との深い関連性を持つ。台湾の裏通りや商店街を歩けば、至る所で咖哩を扱う店や屋台を目にすることができる。この金色の魅力的な料理の背後には、世界中を巻き込んだ歴史的な背景がある。



咖哩は、17世紀にヨーロッパの植民地からヨーロッパへと広まり、東南アジアを経由してさらに世界中へと広がっていった。そして、それぞれの地域で独自の風味や特色を持つ咖哩が生まれていった。特に台湾においては、日本の影響が色濃く残っている。



原点であるインドの咖哩とは異なり、日本への咖哩の伝来は、1853年のアメリカ海軍提督ペリーの来航をきっかけとして始まる。インドの激しいスパイシーさに対し、日本の咖哩は果物のペーストや小麦粉を加えて、まろやかで濃厚な味わいに変わった。



そして、日本が台湾を統治していた時代、この「洋食」としての咖哩は台湾にも伝わった。この新しい味に触れた台湾人たちにとって、それは驚きと新鮮さに満ちていた。当時の知識階級や、台湾日日新報などの新聞紙でも度々取り上げられ、一部の知識人には愛されていたことが知られている。例えば、黄旺成という知識人は、日記に友人との咖哩飯の楽しい時間をたびたび綴っていた。



現代の台湾に目を向けると、多くの人々がこの歴史的な背景を知らずに咖哩を楽しんでいる。しかし、咖哩の一皿には、時代を超えた情熱や物語が詰まっている。



私たちにとって、咖哩を味わうことは、ただの食事以上のもの。それは、異なる時代や地域をつなぐ、歴史と感情に満ちた物語の一部なのだ。一口食べる度に、その深い背景や歴史を思い浮かべることができる。それはまさに、味覚を通じての時代を超えた旅なのである。

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