Joe

大手企業の社内弁護士/2021年〜2023年 ロサンゼルスにてロースクール留学/ 2023年 ニューヨーク州司法試験合格/主に契約ドラフティング(和文・英文)に従事/英文でネイティブロイヤーに負けないドラフトを目指して日々精進。

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大手企業の社内弁護士/2021年〜2023年 ロサンゼルスにてロースクール留学/ 2023年 ニューヨーク州司法試験合格/主に契約ドラフティング(和文・英文)に従事/英文でネイティブロイヤーに負けないドラフトを目指して日々精進。

マガジン

  • LL.M出願

    LL.M.出願に関する手続やTOEFL対策についてまとめています。

  • ロサンゼルス LL.M.留学記

    ロサンゼルスでのLLM留学記をまとめています。

  • 細かすぎる英文契約解説

    英文契約の細かな(時に細かすぎる)TIPSをまとめています。週一程度の更新を目標に書いていきます。

最近の記事

LL.M.出願校の選定(2023年改訂版)〜ロースクール2校を修了して〜

はじめに:2校卒業して分かった出願基準 私は、2022年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のLL.M.を修了、翌年2023年に同大学アーバイン校(UCI)を修了しました。この留学開始前の段階で、以下の記事を書いています。  自分自身、どのように出願校を選んで良いか分からない中、手探りで書いた内容です。2校のロースクールを卒業した今、改めてこの内容をアップデートしたいと思います。たいぶ考えが深まりました。官庁職員の方を除きLL.M.を2校通う日本人は少ないと思われ

    • バッファローの歩き方

      はじめに:バッファローはただの受験地にあらず 別途記事にしましたとおり、ニューヨーク州バッファローで3回、同州の司法試験を受けました。毎回数日前には現地入りしたは良いものの、過酷なプレッシャーから逃避するように、また試験後は開放感とともに、随分とこの街を歩いたものです。自分で言うのもなんですが、これほどバッファローの土地勘を得た日本人弁護士はなかなかいないのではないかと思います。控えめに言って、バッファローはとても味わい深い場所であり、ただの受験して帰るにはとても勿体無い場

      • NY Bar不合格体験記と合格体験記〜進捗管理AI活用のススメ〜

        はじめに 先日の合格発表で、2023年7月のNY Barを突破していたことが分かりました。実は私、これが3回目の受験でした。ネット上には大変優秀な方々が書かれた華麗なる一発合格体験記が多数ありますが、残念ながら不合格体験記はあまり見られないようです。よくあるビジネスの成功体験記に言われることですが、成功には数多くの方法ある一方で、失敗のパターンは大抵決まっているそうです。ここでは、何故私が2回もNY Barでしくじったか、そしてそれをどのようにして克服したかを恥を忍んで共有

        • LAで50ラウンドして学んだ重要ゴルフ英語7選

          はじめに:LAゴルフの魅力ロサンゼルスで留学中、余暇の楽しみはもっぱらゴルフでした。ロサンゼルスには10以上の公営コースがあり、いずれも平日18ホール30ドル台と為替を考えても格安でゴルフを楽しめます。 このLAパブリックコースの特徴の一つに、1人予約が一般的であることがあげられます。もちろん3人や4人のグループで回ることも可能ですが、多くの現地人は、自分がプレイしたい時にプレイしたいコースで、1人で予約を入れます。すなわち、初対面のゴルファーと4時間前後の時間を一緒に過ご

        • LL.M.出願校の選定(2023年改訂版)〜ロースクール2校を修了して〜

        • バッファローの歩き方

        • NY Bar不合格体験記と合格体験記〜進捗管理AI活用のススメ〜

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        • LL.M出願
          5本
        • ロサンゼルス LL.M.留学記
          5本
        • 細かすぎる英文契約解説
          7本

        記事

          細かすぎる英文契約解説(第7回)〜論点抽出のフレームワーク〜

          はじめに:フレームワークの重要性契約ドラフトの担当者は、一般に日々多岐にわたる契約書をドラフトする必要があります。例え同一のビジネスに関する契約書でも、その取引条件は様々なバリエーションがありますし、ときに全く経験のない契約書のドラフトも求められます。そのような際、論点抽出のフレームワークを知っておくと、大前提として「そもそもこの取引は何をしようとしているのか」を把握すのに大変役に立ちます。契約の趣旨を把握することで、効果的にサンプルや雛形、関連法令をリサーチしたり、上司や同

          細かすぎる英文契約解説(第7回)〜論点抽出のフレームワーク〜

          細かすぎる英文契約解説(第6回)〜不完全な完全合意条項〜

          はじめに:完全合意条項とは完全合意条項(entire agreement clause)とは、当該条項を含む契約書が当事者間の合意事項の最終版であり、それ以外の口頭や書面による合意は存在しないことを明示する条項です。完全合意条項を契約に含めることで、当事者間の合意内容を明確にし、もって紛争リスクを低減することができます。 具体的な条項例完全合意条項は、以下のようなものが一般的に規定されます。 Entire Agreement. This Agreement is inte

          細かすぎる英文契約解説(第6回)〜不完全な完全合意条項〜

          細かすぎる英文契約解説(第5回)〜Deemの正しい使い方〜

          はじめに「deem」とは、英文契約においてよく使用される法的用語で、「〜とみなす」「〜と判断する」という意味を持ちます。この言葉は、ある状況や条件が満たされた場合にあるフィクションの事実が成立すると「みなす」ことを表現にするために使われます。ロースクールの教科書では以下のように記載されています。 ところが、意外に誤用が多いのがこの言葉です。本記事では、Deemの本来の使い方を少し深掘りした上で、「みなす」「法的なフィクションにのみ使う」とはどういうことか、具体的に解説してい

          細かすぎる英文契約解説(第5回)〜Deemの正しい使い方〜

          細かすぎる英文契約解説(第4回)〜Shallの誤用〜

          はじめにこのような「細かすぎる」解説に興味をもっていただいた読者の方におかれては、英文契約では「Shall」が契約当事者の義務を表す助動詞であることはご承知かと思います。 一方で、以下のような条項も(特に日本人によって書かれた英文契約の多くに)みられるのではないでしょうか。 The payment shall be made within thirty days (支払いは30日以内になされるものとする) 一見、違和感のない書き振りにもみえます。それは、我々日本人がsh

          細かすぎる英文契約解説(第4回)〜Shallの誤用〜

          細かすぎる英文契約解説(第3回)〜実は危険な分離条項〜

          はじめに:分離条項のリスク 今回は、通常あまり気に留めないであろう分離条項(severability)について少し深掘りしてみたいと思います。分離条項は注意しないと、意図せぬ方向に契約が解釈または変更されるリスクがある危険な条項です。 分離条項とは、契約において一部の条項が無効とされた場合でも、他の条項が有効であることを確保するための条項です。英文契約に当たり前のように入っている条項ですが、例えば次のような条項にはどのような問題があるでしょうか。 If any provi

          細かすぎる英文契約解説(第3回)〜実は危険な分離条項〜

          細かすぎる英文契約解説(第2回)〜ワンセンテンス・ワンミーニング〜

          はじめに今回は、やや抽象的ながら、契約条項作成の一般論に視野を広げてみたいと思います。そもそも契約契約の一つの目的は、当事者の合意の明確化です。そうであるとすれば、出来上がった各条項に複数の解釈が成り立ってしまうことは厳に避けなければなりません。 私のような純ジャパが漫然と長めの条項を英文で書くと、しばしば曖昧な文章になってしまいがちで、実務でも相手方や上司にこの点を指摘されることがありました。このような曖昧さを回避するために、私が取った複数のロースクールの授業で強調されて

          細かすぎる英文契約解説(第2回)〜ワンセンテンス・ワンミーニング〜

          細かすぎる英文契約解説(第1回)〜As of とDatedの違い〜

          この留学で力を入れた学修の一つに、英文契約のドラフティングがあります。インハウスロイヤーとして、英文契約のドラフティングはそれなりの数をこなして来ましたが、本場のドラフティングの授業を受けて、いろいろな発見がありました。個人的に新たな学びがあった点を整理して書いていきたいと思います。 第1回はAs of とDatedの違いについてです。 通常、As of もDatedも契約の発効日付を表現する時に使いますね。例えば、 (1) This Agreement made as

          細かすぎる英文契約解説(第1回)〜As of とDatedの違い〜

          UCLA留学記③武器としてのiPad Pro

          いうまでもなく、外国人が外国語で外国法令を学ぶということは並大抵のことではありません。そもそも法律学は難解であることを前提に、言語と社会的背景知識の壁が大きく立ちはだかります。加えて、ロースクールはソクラテス・メソッドという教授との問答方式で展開される授業も多く、準備不足は授業での公開処刑を意味します。まさに戦場です。 この戦場で生き延び、授業内容を吸収していくためには、適切な機器で武装して戦闘力を高めておく必要があります。ここでは、私の愛刀であるiPad Pro(及びその

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          UCLA留学記③武器としてのiPad Pro

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          UCLA留学記②サマースクール(オンライン留学のメリット/デメリット)

          LLMプログラムの中には、その開始前にサマースクールを用意している学校もあります。サマースクールに参加する目的はそれぞれだとは思いますが、①授業に耐えうる英語力と基礎的な英米法知識のインプット、それから②参加メンバーとの人脈形成が挙げられるのではないかと思います。 私の場合、そもそもサマースクール参加がUCLA入学の要件でしたので主たる目的はどちらでもないのですが、せっかく時間とお金をかけて参加するのですから、①②の効果はいずれも強く期待していました。 今年はコロナ禍の影

          UCLA留学記②サマースクール(オンライン留学のメリット/デメリット)

          UCLA留学記①入国審査でまさかの拘束

          7月中旬、ついに留学開始です。どれほどこの日を待ち望んだことか。 早めに成田空港に到着したので、出発までラウンジで時間を潰します。 予約していたのはJALのビジネスクラスですが、コロナの影響でビジネスラウンジは閉鎖中です。代わりに、ファーストクラスのラウンジを使うことができました。 実はファーストクラスのラウンジは初めて。ゆったり座れる上、鮨や各定食、ラーメンなんかも楽しめます。約1時間、とても贅沢な時間を過ごすことができました。 そして機内へ。窓際の席で、隣は空席。

          UCLA留学記①入国審査でまさかの拘束

          TOEFL対策としてのオンライン英会話(TOEFL各論)

          TOEFLのスピーキング対策、具体的に何をやっていいか途方に暮れている人も多いのではないでしょうか。私もそうでした。 語数が大事だからとにかく喋り続けろと言われたり、テンプレをとにかく覚えろと言われたり、色々なアドバイスを受けたのではないかと思います。 いずれも大事なことだとは思いますが、とにかく喋り続けられないから困っているのであり、テンプレを覚えても点数が出ないから焦っているのです。これらの方法は本質的な解決ではないと思います。 そもそも我々日本人がスピーキングが苦

          TOEFL対策としてのオンライン英会話(TOEFL各論)

          LL.M出願のしくじりと注意点(とにかく成績証明書ファースト)

          はじめに はっきり言って、私はこの出願手続を舐めていました。 未曾有のパンデミックに加えて米国大統領選の影響もあり郵便物がなかなか届かなかったこと、LSACの事務処理速度を読み間違えたことが最大の誤算です。この記事をお読みいただくことで、今年以降出願される方が私のような「しくじり」を未然に回避いただければ何よりに思います。 手続全体については、綺麗にまとめてあるブログやウェブサイト等がありますのでそちらをご覧いただければと思います。とにかく私が申し上げたいのは、「できる

          LL.M出願のしくじりと注意点(とにかく成績証明書ファースト)