瞳をとじて
鑑賞:2024年2月@TOHOシネマズ新宿
余裕があると楽しめる。
ヒューマンミステリーという感じの作品です。失踪した俳優を追う。ものすごく丁寧。誤解を恐れず記しますと、年配向け人生振り返りストーリー。60超えた人向けかな。たぶん若いと面白くないし楽しめないでしょう。
だいぶ短くしてくれてるようにも見えますけれど、全編、中だるみで出来ていると言っても差し支えないぐらい贅沢な時間運びです。これは見る人のために2時間切って欲しかったです。
映画好きなんだな、と感じる時間。音楽でいえば短調なタイプです。
いいシーン、いい時間ですけれど、心に余裕がないと入っていけないでしょう。倍速には勝てないですね。よみがえる旧来スタイルという感じでしょうか。
ストーリーでは、最後にそれをしてしまうのか、それはダメじゃないか?がいくつがあります。娘に会わせるの、その時刻にその場所なのはシーンの都合では? 上映、見せていいとは思えない劇中劇の中身。すんなり彼が見に来るのも「?」。それっぽいのをずっと並べて、最後の仕上げは手詰まりだったのではないでしょうか。
あえて口悪く言えば、普段から映像表現をしている人か、玄人感覚に浸っている人から評価が高そうです。どうぞ、わかる人だけで楽しんでください。
エンドロールに入った瞬間、席を立った人たちが数名おられました。とても同感です。60歳を超えたご老人に挟まれて、私は席を立てませんでした。この作品のエンドロール(たぶんスペイン語)をじっくり見る、残ったシニア層の客には、嘲笑を禁じえませんでした。読めますか?その文字。意味も分からず最後までエンドロールを見る。ちょっと私は線を引きたい。
映画好きによる映画好きの人のための作品でした。
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