人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした

鑑賞：2023年11月@TOHOシネマズ六本木ヒルズ

前向きになれる。

深川麻衣さん井浦新さんという、共演してくれそうで、なかなかしてくれなかった組合せです。ナチュラルな深川麻衣さんに対して、なんでも変身してしまう井浦新さん。作風もお話も、ライトにシンドイ話で、実話という強度に驚きます。セリフと人物の距離感が良いです。スイカとピアノが良い使われ方で、地味な素敵さがありました。

さてこの作品は公開記念舞台挨拶と共に拝見しました。

TOHOシネマズ六本木ヒルズ

わかってても、愛川欽也風のオッサンを演じてた井浦新さんが、姿勢良く衣装もステキな格好で登場されて面食らいました。…わかってても。劇中のオッサンを返してくれ！と思う人もいるはず。井浦新さんスゲエなあ。深川麻衣さんは驚くほど自然体なのも感じられました。ご自身の卒業のことを引き合いに出されていて、これは楽しく愉快な作品なのに、やはり中身は深く、強度の強さを改めて感じました。

開演前

原作者さんもご登壇。コメントされていました。感謝いっぱいの熱が伝わってきました。見終わって前向きになれる、素敵なお話でした。監督の手腕も感じますし、脚本も良いなと思います。

オッサンのトーンが、かなりウエイトを持っていくので、主人公が友達や男との出来事の度合いも難しい塩梅なのを見事にミックスされています。終盤の別荘は、大変よいシーンでした。

井浦さん秘蔵の写真が公開されることを期待しています。

人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした(祥伝社文庫お27-1)

▲原作本。実体験をつづった大木さんの強い熱が忘れられません。