朝倉 祐介

朝倉です。兵庫県西宮市出身。アニマルスピリッツというVCファームの代表を務めています。完全不定期。スタートアップ関連の話題や、全く得るもののない産業医との雑談を、忘れた頃にポストしています。

朝倉 祐介

朝倉です。兵庫県西宮市出身。アニマルスピリッツというVCファームの代表を務めています。完全不定期。スタートアップ関連の話題や、全く得るもののない産業医との雑談を、忘れた頃にポストしています。

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ぼくらがスタートアップにこだわる理由

 2017年にシニフィアンという会社を共同創業者の3名で立ち上げてから、2年半ほどが経ちました。以来、Pre-IPO/Post-IPOといった区別なく、一貫してスタートアップに携わる仕事に取り組んでいます。私たちの会社にとっては、新たに「THE FUND」というグロースファンドを立ち上げたという点で、2019年は大きな意味を持つ1年でした。  そんな中、たまたま先日、最初のスタートアップで共に働いた旧友と再会したこともあり、年の瀬の今、改めてなぜ自分はスタートアップに携わって

    • G型・L型の視点で考えるスタートアップの意義とVCとしてのスタンス

      先日、IGPIグループの会長である冨山和彦氏による新著『ホワイトカラー消滅』を読みました。主に日本の大企業を中心とするホワイトカラーの世界と、地域経済に根ざした中堅・中小企業における雇用の構造的問題について解説する著作ですが、日本のスタートアップに対しても非常に示唆に富む一冊であると思います。 スタートアップに関わる私たちの間では、「日本からグローバルに展開できる大型スタートアップを」という声を日々耳にします。こうした掛け声には大変賛同しますし、自分たちもその一助を担いたい

      • スイングバイIPO:注目の成長戦略の利点と課題

        はじめにスタートアップの世界で最近注目されている「スイングバイIPO」。この手法は、従来のIPOとM&Aの良いとこ取りをしたかのような魅力的な成長戦略に見えます。今回は、スイングバイIPOの利点と、特にその課題について、ベンチャーキャピタリストの視点から考えます スイングバイIPOとはスイングバイIPOは、スタートアップが一度大手事業会社に買収された後、再度IPOを果たす手法です。このプロセスでは、創業経営者の株式は維持したまま、外部VCなどの株式を事業会社に売却します。そ

        • スタートアップ関係者のためのおすすめ書籍(アニマルスピリッツ選)

          過去10年の間に、スタートアップに関する書籍は爆発的に増加しました。ノウハウや経営論が広く共有される一方で、情報過多に悩む方も多いのではないでしょうか。「どの本を読むべきか」-その問いに答えるべく、アニマルスピリッツのメンバーでおすすめ本リストを作成しました。 今回は、私たちが厳選したスタートアップ関係者にきっと役立つ書籍をご紹介します。定番のバイブルから、セクター別の専門書、読み物としても楽しめる本まで、幅広くセレクトしています。あなたのスタートアップジャーニーを加速させる

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        • 論語とそろばんと大室と私
          11本

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          ビジネス書には(たぶん)載っていないスタートアップ売却のTips

          北米のスタートアップのイグジットの8-9割がM&Aであることはよく知られていますが、最近は日本でもM&Aを通じたスタートアップの事業成長や新陳代謝の意義等が議論される機会が増えてきました。 私(朝倉)は、自分が代表を務めたスタートアップの売却を(なぜか同じ会社で2回)経験しており、売却先であるミクシィでは買い手の立場でスタートアップの買収を実施しています。 また独立社外取締役を務めたスタートアップでは大企業への売却プロセスに立ち会ったこともあります。 こうした経験を踏まえつ

          ビジネス書には(たぶん)載っていないスタートアップ売却のTips

          2024年の国内スタートアップ環境展望

          例年、年の瀬が近づくとスタートアップ関連するその年のふり返りと翌年の展望について各所で尋ねられます。 その年のふり返りはともかく、いつも答えに窮するのが翌年に注目すべきセクターや、スタートアップを取り巻く環境に生じる変化に関する質問です。 答えに窮するのは正直なところ「よくわからないから」というのが最大の理由ではあります。ただ注目セクターの予測を問われて感じるのは、10年の時間軸でファンドを運営し、長期的に成長可能性があるスタートアップにリスクマネーを提供しようとする立場か

          2024年の国内スタートアップ環境展望

          ざっくり考えるVCの資本コスト

          VCがスタートアップからの出資依頼を見送る際の定番の理由に「スケールするビジネスではない」「市場規模が小さい」といったものがあります。ただ、この回答だけだとスタートアップ当事者にとっては今ひとつ何がネックなのかわかりにくいかもしれません。 これらのフレーズをもう少し細かく紐解くと「事業の成長余地が限られており、投資しても得られるリターンが低い」と、VC側が見立てているということを意味します(その見立てが正しいかどうかはもちろんわかりませんが)。 こうした理由でスタートアッ

          ざっくり考えるVCの資本コスト

          スタートアップの農耕民族化について考える

          混迷を極める現代社会の病巣に、臨床医学的な見地から軽妙洒脱な筆致で快刀乱麻にメスを入れるサブカル産業医・大室正志と、特にメスは入れていない朝倉、ビジネス芸人のThe Breakthrough Company GO三浦崇宏が考える、スタートアップの農耕民族化について。 スタートアップは農耕民族化しつつあるのか大室:今回は、「スタートアップにおける組織文化の多様性について」話していきたいと思います。先日、NewsPicks Studiosの代表を務めていた佐々木紀彦さんと、「今

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          リモートワークで株が上がる人。上がらない人。

          混迷を極める現代社会の病巣に、臨床医学的な見地から軽妙洒脱な筆致で快刀乱麻にメスを入れるサブカル産業医・大室正志と、特にメスは入れていない朝倉が考える、リモートワーク時代の人間模様。 「リモート映え」する人とは?朝倉:世の中は新型コロナウイルスの感染拡大が予断を許さない状況になっていますが、大室さんもこの時流でリモート対応することが増えたんじゃないですか? 大室:僕は産業医をやっているんで、今回の新型コロナウイルスの影響でいろいろな相談を受けるわけですよ。最近だと一部

          リモートワークで株が上がる人。上がらない人。

          【FABRIC TOKYO 森】D2Cスタートアップの肝はブランド構築

          数年前であれば、あまり注目されることもなかったD2Cが、なぜ今こんなにも存在感を持つようになったのか。ブームよりも一足早くD2C事業を手掛けてきたFABRIC TOKYOの森社長にお話を伺いました。 なぜ今D2Cが注目されているのか朝倉(シニフィアン共同代表):FABRIC TOKYOがネットでのオーダーメイド事業を始めたのって2014年頃からでしたよね? 森(FABRIC TOKYO CEO):はい。2014年の2月に事業をスタートさせ、現在は6期目になります。 朝倉

          【FABRIC TOKYO 森】D2Cスタートアップの肝はブランド構築

          【Anyplace内藤聡】USのインキュベーション・プログラム事情

          シリコンバレーでCo-living事業を展開するスタートアップ・Anyplaceを創業した内藤聡さん。彼は『エンジェル投資家』の著者・ジェイソン・カラカニスが主催するインキュベーション・プログラムであるLAUNCH Incubatorにも参加しています。 日本に一時帰国しているタイミングに、彼のLAUNCH Incubatorでの体験について聞いてみました。 内藤聡 : Anyplace共同創業者。1990年山梨県生まれ。大学卒業後に渡米。サンフランシスコで、いくつかの事業

          【Anyplace内藤聡】USのインキュベーション・プログラム事情

          【Anyplace内藤聡】「ソーシャル・ネットワーク」を見てシリコンバレーで起業した話

          シリコンバレーでスタートアップAnyplaceを展開する内藤聡さん。同社は2018年に米国著名投資家から資金調達をし、現在では14カ国43都市で利用できるホテルの賃貸利用サービスを展開しています。 日本に一時帰国しているタイミングで、彼がシリコンバレーで起業した経緯と、Anyplaceの成長過程について聞いてみました。 内藤聡 Anyplace共同創業者。1990年山梨県生まれ。大学卒業後に渡米。サンフランシスコで、いくつかの事業に失敗後、2017年にホテル賃貸サービスのA

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          ヒップホップミュージシャンは「働き方改革」を体現するか?

          混迷を極める現代社会の病巣に、臨床医学的な見地から軽妙洒脱な筆致で快刀乱麻にメスを入れるサブカル産業医・大室正志と、特にメスは入れていない朝倉が、ミュージシャンを通じて考える、働き方改革と、メンバーシップ型組織・ジョブ型組織のあり方。 ストリーミング時代に最適化した楽曲作り朝倉:「働き方改革」が叫ばれる昨今、世の中のミュージシャンのあり方も、会社に喩えると、メンバーシップ型組織やジョブ型組織に分けられるよねって話をしたけど、その中でもヒップホップ色のある人達って、コミュニテ

          ヒップホップミュージシャンは「働き方改革」を体現するか?

          BUMP OF CHIKENに見るメンバーシップ型組織とジョブ型組織のあり方

          混迷を極める現代社会の病巣に、臨床医学的な見地から軽妙洒脱な筆致で快刀乱麻にメスを入れるサブカル産業医・大室正志と、特にメスは入れていない朝倉が考える、メンバーシップ型組織とジョブ型組織のあり方のお話。 「働き方改革」はジョブ型社会移行のメッセージ大室:僕は産業医という仕事をしているんですが、産業医って医療+人事労務にまつわる仕事というイメージですよね。人事領域を扱うので、人事系のイベントに沢山呼ばれるんですよ。 朝倉:よく出てますね。 大室:そういったイベントの際に、

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          「宗教」とコミュニティの境目はどこなんだ問題

          混迷を極める現代社会の病巣に、臨床医学的な見地から軽妙洒脱な筆致で快刀乱麻にメスを入れるサブカル産業医・大室正志と、特にメスは入れていない朝倉による、「宗教」とコミュニティを巡る放談です。 (編集:代 麻理子) 宗教とコミュニティの境目はどこなんじゃい!大室正志:昨今、なにかと「コミュニティ」がブームですけど、「コミュニティ」と「宗教」の間というか境目がどこにあるのか、という制球が難しい問題について話してみたい。 朝倉祐介:それはまた、人の琴線に触れそうなお題を……。

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          なぜビートたけしはハリセンを持たなくなったのか?

          芸能ネタに造詣が深く、あやまんJAPANを「現代の無形文化遺産」と激賞し、あやまん監督との深い親交でも知られるサブカル産業医・大室正志と、小学生時代はお笑い番組を見せてもらえず、土曜の昼に親の目を盗んでこっそり『吉本新喜劇』を見て育った男・朝倉祐介による、内角高めギリギリストライクゾーンを狙った放談企画。 第6回は前回の「まっちゃん騒動」に関連した芸人を取り巻く構造変化について、ああだこうだ言っています。 ディスクレーマー:毎度のことながら、最後まで読んでも特に得るものはあり

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