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「ジョブ型雇用は魔法の杖ではない」先ずは会社と従業員との関係性を再考する必要がある。

「メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用へ」との声が高まりつつある。自社はどう判断すれば良いのであろうかと悩んでいる企業は多いのではないだろうか。

経営者や人事の課題は、それだけに留まらない。「従業員が自律性や創造性を発揮できていない」「リーダーシップに優れた社員がいない」「自分のキャリアについてしっかりと考えようともしない」などとさまざまな声が聞こえてくる。

会社としてどう取り組んでいけば良いのであろうか。人と組織との関係性や職場マネジメント、リーダーシップなどの研究を続けてこられた神戸大学大学院の鈴木 竜太教授に解決に向けた指針を尋ねてみた。


インタビューの前編では、人的資本経営が仕組み化するなかでのリスクやジョブ型雇用との向き合い方などを伺った。

【前編はこちらから】

■前編の目次

  • 人を大事にする側面が薄らいでいる

  • 人的資本の情報開示ありきの姿勢は疑問

  • ジョブ型雇用が自社に合うかどうかを検討すべき

  • 従業員に対するポリシーが問われている


後編はこちらから

■後編の目次

  • この20年、革新的なリーダーシップ論が出ていない

  • リーダーにはフォロワーと向き合える時間が大切

  • コロナ禍は人と人との関わりを変える大きな契機となった

  • 自律性、創造性ある職場づくりは試行錯誤の段階

  • キャリアや人生を考える大切さを伝えたい

  • 人事のポリシーを考えることで他社との違いを打ち出せる


鈴木 竜太 氏
神戸大学大学院 経営学研究科 経営学専攻 教授

1994年に神戸大学経営学部卒業後、神戸大学大学院博士前期課程を修了し、静岡県立大学経営情報学部助手。1999年神戸大学大学院博士後期課程修了後、静岡県立大学経営情報学部専任講師、神戸大学大学院経営学研究科助教授を経て2013年より現職。専門分野は経営組織論、組織行動論、経営管理論。著書に『組織と個人』(2002)、『自律する組織人』(2007)、『関わりあう職場のマネジメント』(2013)などがある。