安さに目が眩んで「中国国際航空(AIR CHINA)」でヨーロッパに行ってみた件。
はい!ジョバチャンの常磐特快です。
円安で負担が増える昨今、みなさん旅していますか?
節約したくてたまらないこの世の中、実は安く海外旅行へ行ける手段はいっぱいあります。
今回はその中の一つ、「エアチャイナ」で行くヨーロッパの旅をご紹介します。
ヨーロッパ旅の動機
2024年春。
僕はあるとんでもない感情に襲われていた。
舞台は熊谷にある二郎系ラーメン屋。
その食べ物のインパクトとは裏腹に、イギリスを模した店内と
爆音でかかるビートルズの「Eleanor Rigby」。
野菜マシのラーメンを前に、僕は脳内で叫んだ。
「ロンドンで、ビートルズ聴きながら歩きテェ〜!!」
そんな理由で、今年の大きな旅第一弾は
ヨーロッパに決定するのであった。
家に帰ってSkyscannerで早速飛行機を検索。
ご存知のように今飛行機代は燃油価格高騰の影響でかなりいい値段がする。
さらにヨーロッパはウクライナ戦争の影響で、西欧や日本の航空会社は
ロシアを迂回して飛行する必要があり、めちゃくちゃ時間がかかる。
諦めるか… そんな時に現れた救世主が
エアチャイナだったのだ。
中国国際航空(AIR CHINA)とは?
中国国際航空(以下 エアアジア)は、中国で最も規模の大きい航空会社。
中国では通称「国航」と呼ばれており、北京を中心にネットワークを組んでいる。
あの習近平国家主席が国外へ移動する政府専用機もエアチャイナが保有するジャンボジェットで運行されており、中国を代表する航空会社として君臨しているのだ。
エアチャイナを含め、中国の航空会社にはいくつか特徴がある。
① とにかく長距離の経由便が安い
② 中国人の利便性重視でダイヤを組んでいるため
日本人にとってもダイヤが使いやすい
③ エアチャイナ・東方航空はアライアンスにそれぞれアライアンス加盟。
LCCではないのでサービスもフルに受けられる
④ ロシア上空を飛ぶことができるため 欧州までのルートの場合 所要時間が短い
世界中のフルサービスキャリアと言われる航空会社は、3つあるグループのどれかに所属していることが多い。
エアチャイナはスターアライアンスに所属しており、日本ではANAが同じグループにいるため、ANAのマイルをがっつり貯めることも可能なのだ。一石二鳥。
さらにANAのSFC所持者のボクは、ラウンジの利用などもバッチリ可能だ。
一石三鳥。
さらに、日本や西側系の国はロシア上空を制裁によって飛べなかったり、自主的に避けて飛ぶケースが多い中、中国の航空会社はロシア上空を堂々と飛ぶことができる。
(なんならモスクワ線も絶賛運行中である)
東アジアからヨーロッパへ向かう場合の最短ルートはロシア上空を飛ぶルートで
ここを避けて飛ぼうとすると3〜4時間所要時間に差が生まれる。
「安くて早いなら、今の時期のエアチャイナ、ありじゃね?」
他の国の周遊もしたいと考えた僕は、行きはローマ行き、帰りはロンドン発というチケットを予約。
往復諸税込6万9800円という破壊的金額で手に入れることができた。
かくして、僕の「ロンドンでビートルズを聴くための旅」が始まったのである。
エアチャイナに乗る前の不安
とはいえ、エアチャイナに対して色々と不安もあった。
伊達にも、あの中国の航空会社である。
失礼だが、とてもサービスが良いとはとても思えない。
CAさん、鬼の形相で機内食とか投げてくるんじゃねぇか…。
僕は意外と周りのお客さんの質を気にしてしまうタイプで
中東の某航空会社のゴミの散らかり様やお客さんのうるささにやっていられなくなったことがある。
安くとったはいいものの、果たして耐えることはできるのか…?
結果としてこれは杞憂に終わるということだけ先に言っておこう。
今回僕は韓国・仁川空港発でチケットをとった。
西日本から出発する場合、地理的に仁川は結構近く、LCCが多数飛んでいることもあり東京に出るよりも仁川から出るほうが安くなることが結構多い。
さらに、エアチャイナも日本発着だと10万台を出してくることがあるが、
仁川発着にした瞬間に6〜7万円に落ちることが多い。
(中国人にいかに日本が人気かを思い知らされる)
そのため日本〜仁川間の飛行機を別予約で取得し、仁川〜ヨーロッパ間の飛行機をエアチャイナで予約した。
福岡空港を最終で出るアシアナ航空に乗って一路仁川へ。
一旦韓国へ入国の上、翌日の朝 仁川から欧州を目指して飛行する。
エアチャイナ ビジネスクラスにタダで乗る。
翌朝、仁川空港。
エアチャイナのカウンターへ向かうと…
オネーさんが一言。
「This flight is full. so… Your seat change to business class.」
キターーーーッ!インボラアップグレード!
思わず「amazing!!」と返答するオレ。
エアチャイナは中国の航空会社なので、仁川からローマへは直接フライトがない。一度北京を経由して飛行機を乗り継ぐことになる。
今回は仁川〜北京間が満席だったとのことで、その区間のみビジネスクラスへ無料でアップグレードされた。
(その後の区間のほうがよかった…)
仁川〜北京線はA321という小型機で運行されていることもあり、ビジネスクラスのシートはプレミアムクラスに若干毛を生やしたような感じでそこまで期待できるものではなかった。
しかしサービスはかなりGood。
ウェルカムドリンクはシャンパン・オレンジジュースに加えて、謎のエアチャイナオリジナルドリンクの三種があり、CAさんが微笑みながらサーブしてくれる。
新聞も充実しており、北京の新聞、上海の新聞、広州の新聞など、様々な地域の話題を提供してくれるのだ!!!
ということで僕は、謎のオリジナルドリンクを飲みながら、
よく内容がわからない簡体字の新聞を読むという非常におかしな状況で離陸を迎えることになった。
(ちなみに謎のドリンクの味はイマイチだった。)
仁川〜北京間は距離にすると成田〜仁川間ぐらい。
そこまで長いフライトではないため、ビジネスクラスの食事も
一つのお盆に乗せて出される。
この日のメニューは牛肉か鶏肉のどちらかから選ぶことができ、迷わず牛肉をセレクト。
中華風な味付けの牛肉煮込みに白飯、長芋に色をつけた感じのやつに
ホタテのバジル和えっぽいものが出された。
この機内食が… UMMMMEEEEEE!!
味はまさに高級な中華の味そのもので、牛肉ソースの奥深い味が白飯を止めさせない。
さらに、パン用のバターに加えて中国名物の食べるラー油も付属されていて
これを白飯にかけるとUMMMMEEEEEE!!
さすがはビジネスクラス。中国4000年の歴史、ここにありというすばらいしい機内食。
人生で一番白飯が足りない瞬間であった。
もちろんドリンクもワイン、ビール、スピリッツなどのアルコール系も充実。
おかわりを頼んでもニコニコ笑顔で快く引き受けてくれる。
やるじゃん!エアチャイナ!
ここからが本番。エアチャイナ エコノミークラスレビュー
2時間弱のフライトで飛行機は北京に到着。
ここで乗り継ぎ手続きを経てローマ行きの飛行機に乗り継ぐ。
北京の乗り継ぎ手続きはスムーズ
ちなみに過去中国は乗り継ぎ便だとしても一度入国が必要であったが、
2024年5月現在、空港や航空会社によっては入国審査を受けずに乗り継ぐことができる。
北京首都空港でエアチャイナを使った乗り継ぎの場合は入国の必要がないため、空港の乗り継ぎの看板に従って、再度保安検査を受ければいいだけだ。
(※入国が必要な場合でも144時間以内の乗り継ぎの場合はビザが不要となる特例がある)
再びの保安検査を終えると、ラウンジを利用することができる。
僕はANAのプラチナを所持しているためエアチャイナのラウンジを利用できるが、上級会員でなくても搭乗前に申請しておけばトランジットラウンジが利用できるらしい。
エアチャイナラウンジには充実の中華バイキングのほか、エレベーターで降りた先に広いシャワー室も完備されており非常に充実していた。
中華バイキングは様々なメニューがあったが、正直写真の饅頭系以外はちょっとイマイチだった。
ちなみに北京首都空港は出国後エリアに喫煙所がないようだ。
タバコを吸う人は我慢する必要がある。
(ラウンジの係員にないことを告げられガッカリしているお客さんがいました)
さぁここからが本番。エアチャイナのエコノミークラスでローマへ向かう。
飛行時間11時間。機材は777-300ER。
座席間隔はANA等とあまり相違ない広さで174cmの僕には全くしんどくないサイズ。
座席にはモニターがついており、マップや中国映画をたくさん楽しむことができる
(残念ながら日本語の設定にはできない)
…が、ここで問題発生。
たまたま座ったこの席、充電設備が全て故障!!!!
USB端子は陥没、コンセントはなぜか電気がこない!!
11時間、ノー充電フライトを強いられることになった。
これぞチャイナクオリティである。
また機内にはWi-Fiが飛んでいるが、このWi-fiはエアチャイナ指定の映画やドラマを自分の端末で見るためのものにすぎず、インターネットとは接続できない。
そのため、11時間ネットデトックスをすることになるので注意が必要だ。
(A350ではネットが繋がるらしいが 全く機能せず、使えたとしても中国のネット規制に引っかかるため 殆どのSNSは見られない)
ロールスロイスGE90が唸り始めると、飛行機はゆっくりと滑走路へ向かう。
この時、機内安全ビデオが流れるのだが、エアチャイナの機内安全ビデオはおそらく世界一長い。
変なパンダとデカ目な子供たちが登場して賑やかにやるのだが、
だいたい2分ぐらいで飽きるので、この時間がうざったく感じるようになる。
最後のフライトでは頭の「テンテテンテテンテテン」の音で飽きた。
離陸後1度目の機内食
離陸後、飲み物が配られた後に機内食が配給される。
エコノミークラスでも機内食は2種から選ぶことができ、
「牛肉のオイスターソース煮込み with 白飯」か「鶏肉の焼きそば」の2つのようだ。
…お気付きいただけたであろうか?
エアチャイナの機内食は全て中国料理である。(≠中華料理)
最近流行りの「ガチ中華」というやつだ。
日本で食べる中華料理よりも味が濃い目でオイリーな感じなので、苦手な人は苦手かもしれない。
とはいえ、得体のしれない食べ物ではないし、味も日本人には取っ付きやすいので、中華料理が好きな人なら苦ではない。
ガチ中華を味わうという視点で食べると、クオリティはそこそこ高い。美味しい。
若干コシのある麺の味付けが程よいのでパクパク食べられて、オイスターソースが飽きがこないレベルでしっかり主張してくる。
中華料理好きの僕にとっては嬉しい機内食だった。
中華料理が苦手な人は事前にフルーツミールなど、特別機内食をオーダーしておくのも手だろう。(ネットで申し込める)
機内のマナーや衛生環境はどうだ!?
エアチャイナでもう一つ懸念していたのが周囲の乗客のマナーや衛生環境である。
中国といえばマナーが良い… というイメージを持つ方はあまりいないだろう。
確かにANAや欧州系の航空会社に比べると、乗客のほとんどが中国人であるため
アウェー感はある。
マナーモードにする文化もないため、地上にいる間にFacetimeを使って家族と通話を楽しむ人も結構多く、ちょっとビビるだろう。
(ちなみにアジアでマナーモードにするのは日本ぐらいです)
ただ、機内のマナーについても飛行中は全く気になることがなかった。
人間、長距離便ともなるとやることは一緒で、寝るか、映画見るか、友達とUNOするかなので基本静か。
トイレもCAさんが定期的に清掃に入っているようでそこまで汚いと感じることはなかったし、全て洋式なので日本人にも安心。
(順番待ちで抜かされることもあるので強気にいこう!むしろそっちに合わせて自分が抜かしちゃおう!)
よほど日本同様のマナーを求めない限りは全然不満のない環境で過ごすことができた。
総評
のんびりしていたらあっという間に11時間経ち、目的地ローマが近づいてきた。
不安があったエアチャイナのフライトだが、特段ストレスなく
過ごすことができたので満足。6万9800円だし。
そんなエアチャイナの個人的な感想だが、
① 言うほど悪くない
客層もそんなに悪くないし、機内食もおいしい。
アメリカや中東のフライトを経験している自分にとっては、
それらよりもはるかに上回るサービスの良さだったと思う。
② ガジェット系はそんなに期待できない
機内の充電設備が故障していたり、WiFiがインターネットと繋げられないなど
ガジェット系での不満が結構多かった。
充電設備等は予め充電しておくか、モバイルバッテリーが必須だろう。
③ ロシア上空を飛んでくれるので 飛行時間が短くて助かる!
やはり3時間ぐらいの差は大きい。体の負担がだいぶ変わってくる。
一つのフライトの長短は結構重要な要素。
意外にもそんな悪くないエアチャイナの旅。
円安の昨今、ヨーロッパの旅は現地でめちゃくちゃお金がかかるので、
航空券代を上手に節約する手段としてぜひ活用していただきたい。
エアチャイナはこんな人にオススメ!
① とにかく安く行きたい人
→言わずもがな、エアチャイナは他の航空会社より圧倒的に安い。
とにかく安く行きたい人にはとても良い選択肢だ。
今回は仁川発で予約したが、日本発でも結構安値で出てくるのでオススメ。
② ANAのマイレージを貯めている人&ステータス保持者
→スターアライアンスに所属しているエアチャイナ。
破壊的に安い運賃でもしっかりマイルが貯まるため、
ANAマイルを貯めている人にはオススメ。
③ 中華料理が好きな人
→機内食はほとんどが中国料理。
日本の中華料理が好きな人であればパラダイスだと思う。
ガチ中華好きには絶対見逃せない。
④ 乗り継ぎが面倒に感じない人
乗り換えなしで行きたい人は日本からの直行便をおすすめする。
みなさんも良い旅を!ジョバチャンの常磐特快でした。