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スズキメソードの創始者、鈴木鎮一氏の教育愛。(とっておきの一書・一節③)

「愛に生きる」(鈴木鎮一著)講談社。

以前、ご縁あって、あるお子さんのバイオリン発表会に招かれた。
スズキメソードという指導法で学ぶお子さんたち。
この世界では有名なのだそうだ。
無知な私は、そんな大家の名前すら、つゆ知らず。
どんな人なのだろう。
自分で書籍を買って、調べ。
そして、深く感銘を受けた。


表紙です。


目次の小見出しだけでも、ワクワクする。

わたしは、子どもの育つ生命を基本に、なんとかして、教える教育から育てる教育に転換してほしいと願っています。  わたしが才能教育に全力を傾けているのもそのためなのです。育て方ひとつで、子どもたちはどのようにも育つからです。  地上に生まれるすべての子どもが、みんなよい人間、しあわせなひと、好ましい能力になるように──わたしはこの祈りをこめて生き、自分の生命をかけて行動しています。そして、それにこたえ、それを実現する可能性を、すべての子どもはもって生まれているのです。

鈴木鎮一. 愛に生きる (講談社現代新書) (p.150). 講談社. Kindle 版.

・・・もうこの抜粋だけで、本書の価値を語るには十分かもしれない。
今からはるか数十年前に、すでにこのような先見性、洞察力を持っていた。
さらに、これだけではない。
あの有名なアインシュタインとの親交をはじめ、とにかく驚きのエピソードや刮目すべき教育実践が綴られている。

凡庸な私にとってみれば、羨ましい限りの才能と環境である。
でも鈴木氏は、もしそんな私の羨望混じりの泣き言を聞いたものなら、
「さにあらず」と。言下に否定されるであろう。

そして、その続きは、どう語られるであろうか。
私が軽々に想像することすら、憚られる。

若くして教育の道、ことに、音楽の道を志されれる方。
そして、わずかたりとも、音楽を嗜まれている方。
一読の価値があることと、確信する。

2024.11.18

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