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住む環境が、心のポジティブさに与える影響。(ぼっち旅)

今日は説明の便宜上、実際の地名もあげてしまおう。


久しぶりに都心近辺に来た。
今回のぼっち旅は、都内でも、いわゆる下町として知られている方面だ。
まあ下町といっても広いのだが、今回きたのは路面電車が走ってる地域。
具体的には、荒川区とか、その隣の足立区の方面だ。
ちなみに私は、墨田区にほど近い江東区のあたりに住んでいたこともある。
あそこもまた、典型的な下町だ。相撲部屋や、小さな工場の多いまちだった。
同じ下町と呼ばれる地域でも、今回訪れた地域とはまたちょっと雰囲気が異なる。


さて、今回きた荒川区。記憶を辿る限り、おそらく初来訪の場所だ。
来る前に想像していたイメージとはかなり異なる。
下町というより、新宿以西の中央線沿線、杉並や調布のような雰囲気に似てる。
荒川をこえると、また雰囲気は一転した。
日暮里・舎人ライナーが走っているせいか、立川とか多摩地域のようなイメージだ。世間一般で話題に上がる足立区の雰囲気とは、相当異なる。
世田谷の北西部・狛江に近い方の街並みにも、ちょっと似てる気もする。
とにかく一言でいえば、想像以上に、垢抜けている。栄えている。
街の活気を感じる。
なるほどなー。
来てみないと、わからないものだ。


町を巡りながら、私は、回想にふけっていた。
場所は異なるが、江東区で過ごした若き日々の思い出に。

今から数十年前だ。
日々、さまざまな課題を抱え、葛藤していたあの頃。
町のエネルギーが、一日一日を生きる上で、私の背中を押してくれていた。

叶えたかった夢が胸いっぱいに溢れていた、あの頃。
まだ車も持てないほど貧しかった。
自転車で街中を縦横に走り回りながら、ペダルを漕ぐように毎日の生活と格闘し、夢に向かってもがきながら進んでいた。

ひしめき合う建物の隙間から垣間見える、白っぽい青空。
夜でも冷めないコンクリートジャングル。
年中、どこにいようと、独特の熱量を感じる町だった。
あの暑苦しさが、心地よかった。
町の熱さに力をもらい、わが胸中の情熱もまた、いっそう燃えたぎった。

そんな若き日々のことを、思い出していた。


だから、東京の町が持つ、この独特の空気感は、ただ懐かしい。
決して嫌いではない。

しかし、時は流れた。
あれから月日が経ち、いろんな世界を見てきた。
そんな今、町から感じるものは、何かあの頃とちょっと変わった気がする。

もちろん町も変わったのだろうが、それ以上に、やはり私が変わったのだろう。
まあ当然といえば当然だ。
実際、それだけの年月が過ぎ去ったのだから。
改めて振り返ると、思い出しきれないくらい、多くの出来事があった。
あるいは夢を叶え。
あるいは夢にやぶれ。
全て過ぎ去った今、私自身の感覚が変わっていても、まったく不思議はない。


さあ、郷愁にひたるのも、そこそこにして。
今日のテーマに触れていこうか。

住む町や地域からもらえるエネルギー。
その街に住むからこそ得られる、ポジティブな感覚。
そういうものって、きっとあると思う。

今、人生において何か行き詰まっている人がいるとしたら。
自分のすみかを変えるということも、選択肢の一つとして、考えてみるのもいいかもしれない。

もしかしたら、自分の人生において大きな転機を、心理的な影響も含めて、与えてもらえるかもしれないからだ。
もちろん、東京に限った話ではない。どこの地域でもいいだろう。
どこであれ、自分の壁を打ち破るために、自分のすみかを変える。
そういう経験も、長い人生の中では、時にはあっても無駄にはならないと思う。

実際、私が東京に住んでいた期間も通算4年間足らず。さほど長くはなかった。
その間、わずかだが実家に出戻ったり、再び下町へ帰ってきたりもしている。
決して長くはなかった月日だが、そこで得られた経験や影響は、計り知れない。


しかし、ただ一方でだ。
逆のことを言って、水を刺してしまうかももしれないが。

安易に軽い気持ちで、自分のすみかを選んでしまうことは、やはり考えものだ。
特に東京については、いろいろ情報を得ながら、慎重に考えた方がいいと思う。

東京についていうならば、一口に東京といっても、とても広い。
町の雰囲気も、さまざまだ。
人それぞれ、地域との相性や好みも異なる。
どこの町が自分にとって馴染みやすいか。
これは、なんともいえない。やってみないとわからない。
実際住んでみたら、辛いことだらけだった、なんて可能性だってある。
東京ならではの難点だって、いくらだって挙げられるからだ。
その辺のところは、自分で調べて、自分で判断するしかないだろう。

だからこそだ。
もし状況が許すのなら、下見をしてみるといい。
実際に訪れて、その町の雰囲気を感じ取ってみるといい。
それだけでも、いろいろな意味で刺激を受けられる。
他人の情報より、まず自分で感じてみることが、いちばん確かだ。


さあ、そろそろまとめよう。

ちなみに、今現在の私の気持ちについていうならば。
この町に住みたいとまでのモティベーションは、残念ながら昔のように湧かない。
今住んでいる、とある地方の町の方が、今の自分には合っているからだ。
もちろん東京も、いい町だとは思う。
例えば今、なんらかの事情で住み始めたとしても、決して悪い気はしないだろう。
ただし、今は今で、やはり現在住んでいる地域が好きなのだ。
若き頃とは、体力も、気分も、目標も、まったく異なるし。
何より、空気感や利便性など、生活環境としての相性が合ってるからね。

でも、だからと言って、こういう町が嫌いなわけでは決してない。
だからこそ、時々こうやってふらりと訪れ、楽しんだり、昔を懐かしんだりする。
そうしながら、今現在の自分の立ち位置や、さまざまな思いを再確認したりする。
そのための「ぼっち旅」でもある。

だから時々、こうやってふらりと訪れる東京は、やはり楽しいものだ。
まさに「街に抱かれた」気分になれる。
久々の感覚だ。
不思議だね。荒川・足立は、ほぼ初めて訪れた町なのにね。
妙な懐かしさを感じてしまう。
なんだか心地いい気分だ。

また空気が冷えこんだ頃、来てみるのも、それはそれで楽しいだろうな。
季節季節の表情があるからね、東京にも。

2024.10.15

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