見出し画像

幅広い解釈をしうるワンワードを放てる人から、力をもらえる。(とっておきの一書・一節⑧)

「プロデュ-サ-は次を作る: ビジネス成功22の方程式」(小室哲哉・中谷彰宏 著)飛鳥新社

こーれは、とっておきだったんだ。
紹介すべきかどうか、迷ったくらい。
私にとっては、まさに名著。
もちろん、人によって評価は分かれる。

しかし、私にとっては、仕事意欲のイグニッションキーだ。
自分を奮起させたい時は、つい手に取ってしまう。
そんな本なんだ。


小室哲哉さん。
前々回の大江千里さんに触れているさい。
おのずと「次はこの人かなぁ」と浮上した名前だ。

なぜかっていうと。
その音楽性ももちろん魅力があるのだが。
この人の言葉には、何か、新たな創造を喚起する、解釈の幅がある。


ともあれ、本文の抜粋を示そう。

(小室哲哉氏の言葉)(趣意)
・・・情報量がたくさんあっても、その中から「これが答えだ」と特定することは、ほとんど不可能です。(中略)具体的にイメージすることから始めるのです。目的意識を常に持ちながら、今流行っているものを見たり聞いたりし、それをイメージに残して、頭の中にストックしておくのです。(中略)私は飲んだワインの品種や産地などを覚えようと思ったことはありません。ただ、口当たりなどのイメージを、記憶にとどめて起きます。そして必要な時に、そのイメージを呼び出すのです。品種や産地というデータより、飲んだ時の感覚やイメージの方が、大切なのです。・・・


(それに対する中谷彰宏氏の解釈)
情報は360度探しても見つからない。・・・新しい彗星を発見しようとするとき、夜空を漫然と360度探しても、決して見つけられません。「なんとなくこの辺に、星がありそうだ」と思うところを、重点的に観察する人が見つけられるのです。(中略)なにかを探すときに「この辺にあるとうれしいな」という気持ちは、だれにでもあります。それが、情報を絞り込むこと、マーケティングの第一歩なのです。この気持ちをもたずに、集めたデータを眺めても、なにも生まれてはきません。・・・


私は、読解力の低い人間だ。
しかし小室さんは、基本、平易な、わかりやすい語り方をされている。
中谷さんの文章もまた、他の著作と同様、大変シンプルで読みやすい。
だから、私のような読解力の低い人間でも、どこからでも読める。
私のような飽きっぽい人間でも、要点がサッと拾える。
しかも、一つ一つの言葉に、噛めば噛むほど奥深い意味合いがある。

そして、この人たちの言葉の魅力は、なんといっても。
ものの本質や、言葉にしにくい概念など、いわゆる抽象的なものたちを、
読み手にイメージさせうる力をもっている。

そもそも。
抽象的な概念を人に伝えるというのは、大変難しいことだ。
特に、創造性に関することについては、なおさらだ。

具体的な方法を示す、ってのは、多くの人が、すでにやっている。
しかし、その方法を生み出す源泉としての発想や思考は、なかなか伝わってこないものだ。

なんで、そんな発想が浮かぶんだろう。
 そんな発想のできる人の、脳の中身を知りたい。
・思考過程、あるいは、発想のきっかけやメカニズムについて知りたい。
・自分も、そんな発想ができるようになりたい。
 あるいは
・自分の発想法やアプローチは間違っていなかったと、自信をもらいたい。

そういう。私のような読み手の欲求に、答えてくれているのだ。



絶版になってしまっているのが、惜しいところだ。

じつは、この本も、今回この記事を投稿するあたって、買い直した1冊だ。

私自身、今、新しいことをやりたがってる。
自分の発想を加速してくれる、疲れや不安をはねのける元気をもらえる。
そんな言葉を、どうしても欲しくなるのだ。

発刊25年と、ずいぶん経つが。
本書は私に取って、インスピレーションの宝庫である。

2024.11.21


いいなと思ったら応援しよう!