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ぼっち旅のあしあと④。香川の巻。

今回のぼっち旅記録は、建築スペシャル回と行ったところでしょうか。
丸亀市の猪熊源一郎美術館に行ってきた時の記録です。
谷口吉生氏の設計です。

外観はマッシブであり、
一見、ヒューマンスケールを逸脱しているかのようだが、
美術館という非日常空間と、猪熊氏の彫刻的世界観が、
象徴的に溶け交わったかのごとき雰囲気を醸し出している。
エントランスより、ホワイエ方向を臨む。
吹き抜けの天井から、自然光を柔らかに彩光し
来館者を奥へ奥へといざなう工夫が施されている。

一気に開ける吹き抜け空間。
大空間ならではの開放的と、軽やか、柔らかさを両立。
壁や階段、トップライトを巧みに配置している。
視覚的な奥性と、場面展開の変化が楽しめる。
壁の配置の絶妙さは、まさに谷口氏の真骨頂。
厚さや開口の配置も見事に計算されており、
「静」と「動」の両側面を、隠し、あるいは見せている。
吹き抜け部を上階から見下ろす。
ひとつの作品の見え方が、場所により異なるのもまた面白い。
広大な空間に腰を下ろし、作品と対峙することもできる一方、
先ほど見た作品を俯瞰し、遠くから再び「引いて」見ることで
印象の違いや、群造形的な美しさを再発見することも。
当館の模型。巨大な美術館の全貌を、俯瞰的に捉えることができる。
なんと屋上庭園には、涼しげな水場も設置されていた。
作品集などの資料だけでは、なかなか気づけない発見もある。
検索、研鑽スペースも充実。
ショップには、入手困難な書籍も販売されている。
谷口氏はもとより、師匠・丹下健三氏の建築作品集もある。

谷口氏の美術館作品を代表するとも言える、まさに名建築です。
この建物の魅力は、作品集の写真だけでは、到底つかみきれません。
実際に足を運ばせ、空間をカラダで感じてこそ、その素晴らしさが分かります。

建築を学び始めて間もない学生さんや、建築に興味のある方は、必見です。
「建築とは、かくもワクワクさせられるものなのか!」
と、実感できることでしょう。

また、巨匠・安藤忠雄氏が度々語られているように、「建築を知るには、やはり自分の足を使って、歩き、体験ながら考えることが大切である」ということが、自分の肌身で理解できます。

ちなみに谷口氏は、同じく香川に、東山魁夷氏の美術館も設計しています。
東山氏の美術館は長野と香川、2箇所あり、いずれも谷口氏の設計。
ちなみに、香川の「せとうち美術館」は、2025年4月ごろまで、臨時休館期間だそうです。ご注意ください。
次に四国にきた際には、ぜひ行ってみたいですね。

2024.10.19

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ぼっちスト・茶凡頃(ちゃぼんごろ)
申し訳ないです!まさかチップをいただけるなんて、思ってませんでした。ありがとうございます!