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マンガは私の先生。①お面の作り方を教わった。
私は、昔から、長い文章を読むのが苦手である。
やはり元々が視覚優位なのだろう。
マンガはよく読むが、絵のない本は、いまだに、どうも苦手だ。
そのせいだろうか。
小さい頃から、マンガばっかり読んでいて。
そのおかげで、マンガから、実に多くのことを学んできた。
私がこどもだった当時は、インターネットなんて遠い未来の夢のお話。
そもそも、情報源そのものが少ない時代だった。
テレビは、親に管理されるので、簡単に見られない。
となると。
ヒマな時間は、マンガで退屈を凌ぐくらいしか、思いつかないのだ。
だから、マンガに載ってることをそのままマネする、なんてのも、遊びの中で、よくやったものだ。
いってみれば、ワタシにとって。
マンガは、遊びや勉強の先生みたいなものだったんだ。
なかでも、特に好きだったのが、藤子不二雄。
Fさん、Aさん、どっちも好きだ。
ある日、その藤子不二雄のマンガで。
「仮面太郎」という作品を知る。
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この、主人公の仮面太郎。
見ての通り、今見ると、なかなかホラブルな表情をしている。
まあでも内容は、そんなコワイ話ではなかったかな。
いわゆる定番の藤子マンガって感じ。
ま、能天気な私のことだ。
どうということもなく、かる〜い気持ちで読んでいた。
その中で、私が注目したのは「お面の作り方」。
要するに、ハリボテ。
新聞紙と半紙を水のりにひたし、ペタペタと重ねていく、あれね。
その作り方が、説明図つきで、載っていたのだ。
好奇心旺盛な私は。
「やってみよーかなぁ」なんて、ふと思い。
2日がかりで、マンガに載ってるように、自分でまねて作ってみた。
しかもよりによって、私ときたら。
ごていねいにも、仕上げの彩色まで「仮面太郎」とおんなじデザインにしてしまったのだ。
たぶん、マンガの主人公に、なりきりたかったのでしょうね。
こども時代の、あるある心理です。
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目鼻も、クチビルも、ほっぺの赤丸まで、そのまんまトレース。
母親にもらったゴムヒモを結んで、ベルトにし。
やったぁ、完成!
なかなかの自信作だ。
だれかに見せたくなってきたぞ。
「よし、近所の友達に、見せに行こう」と。
なんと。
お面をかぶった、そのまんまの姿で、家を飛び出す。
ごていねいに、マンガさながらに、野球帽までかぶって。
行き先は、友達のお宅。
同じ集合住宅の敷地内で、となりの1号棟だ。
私は、自宅の2号棟を飛び出し、隣の1号棟に向かう。
友達のお宅がある4階まで、階段を折り返し折り返し、登っていくのだ。
ところで、そのころ住んでた集合住宅なのだが。
とにかく、何もかもが、せまい。
階段幅も、せまい。
だから、人とすれ違うのにも、お互いの距離が、かなり近い。
しかも。
階段全体が、うす暗い。
外の光が入ってこない。
おまけに。
階段部分と踊り場までの距離が、これまた短い。
これ、どういうことか。
そう。
相手の姿が初めて目に入るのが、けっこう、至近距離だったりするわけだ。
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特に踊り場なんか、キツキツだった。
さて、そんな、うす暗闇の状況下で。
もし、突然。
ピエロみたいなこどもが、とつじょ、目の前に現れたとしたら?
・・・そう、かなりコワイのです。
だがこっちは、まだまだ無邪気な、小学5年生。
そんなことまで、想像が及ぶはずもなく。
ましてや、人をおどかそうなんて気持ちなんて、さらさら無い。
ただ、一刻も早く「友達に見せたいなー」と。
無心に、夢中で、ダダダーっと、階段を駆けあがっていく。
かたや運悪く。
どこかの奥さんだろうか。
上階から階段を降りてくる足音が、トントントントン、と聞こえてくる。
そして、お互いの姿が目に入った、その瞬間。
「きゃー!!」
奥さんの悲鳴。
「え?」
私も、ちょっとびっくり。
まさか、そんなに驚かれるなんて・・・。
まあ確かに、その時の姿を、今、思い返すと。
小学生サイズのジョーカーみたいなものだ。
ピエロ顔なだけに。
その奥さん目線にしてみれば。
うす暗闇の階段・・・
誰か、かけ足で、せまってくる・・・
踊り場を折り返したとたん、
目の前に、とつぜん現れたのは、
ピエロ顔の仮面の男、もとい、こども!
・・・そりゃあ、たまったものではない。
でも、驚かそうなんて意図は、ホントになかったんだ。
むしろ「このお面のできばえを、みんな、ほめてくれるはずだ!」
なんて、本気で期待してたくらいだから。
まあでも、奥さん。そのあとに。
「ああ、びっくりしたー」なんて。
ほっとしたように、笑って、そのまま階段を降りていった。
だから、大騒ぎとかには、ならなかった。
ま、あの近所じゃ、たぶんワタシの顔、知られてたからね。笑
しょっちゅう、友達と、中庭で遊んでるの、みんな見てただろうし。
「ああ、隣の号棟の、あの子ねー」なんてノリだったんでしょうね。
おいたばっかりやってたので。笑
「まーた、あの子かぁ」なんて思われてたと思うよ、多分。
ちなみに、友達はこの時、留守だったんだ。
えー、イチバン見てもらいたかったのに。
なんだか、不発感というか空振り感というか。
釈然とせず、帰ったのを覚えてる。
ホメてもらえると思ったのになぁ、あのお面。
まとめ。
・・・てなわけで。
えーと、何の話だっけ?笑
そうそう、マンガから、いろいろ教わりましたよ、って話。
こども時代の私の思い出でした。
・・・あ!
今、思い出した。
もうひとつ、ゴルフネタのエピソードもあるのよ。
まあ、もう、大体想像つきますよね。笑。
そう、藤子さんの、あのマンガ作品の受け売り。(またかい)
近いうちに、投稿しますね。
しかし、こまった子でしたねぇ、当時の私は。苦笑。
※文中の画像は、下記リンクより引用しました。
2024.12.14
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