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【アジャイル】アジャイルって白くて青くて、でも黒いって思うときもあるの

ちょっと最近荒れ気味の記事が多かったですが、気持ちを落ち着かせるためにシンアジャイルコミュニティに少しでも貢献しようかなと。

自分の入っているサブテーマとは違うテーマでnoteのマガジン企画をされているので、そこに乗っかった記事が書こうかなと。

アジャイルは白くて青い

私が数年前にアジャイルに触れたとき、最初からスクラムで行われていました。役割はPO(プロダクトオーナー)だったので、スクラムマスターの経験のある人の導きでヨチヨチやっていました。アジャイル開発宣言やスクラムガイドをチラ見するくらいでした。

特にスクラムガイドに並ぶ言葉を見て、こんな考え方で開発の仕事が本当にできるの?と思ってしまったのが正直な気持ち。

価値:「確約」「勇気」「尊敬」「公開」「集中」
原則:「透明性」「検査」「適応」

とてもピュアですよね。言葉だけ見れば正しいことをしよう、価値を出すことに集中しようという素敵な言葉です。白い、とてもピュアで白いです。爽やかです。

チームとして互いに助けあうことを確約する、正しいことをする勇気、チームで尊敬しあおう、課題をオープンにしよう、作業に集中しよう…
そのためには透明性が必要だし、ちゃんと検査して改善(適応)しようと言ってるわけですね。

あわせてそれは青い。そう青臭い。若さ溢れる無邪気さも感じます。

長年ウォーターフォールな会社でそれなりにどでかい図体の企業におり、社内的には魑魅魍魎もいます。同じチーム内でも仕事が遅いあいつが悪い、なんで他の人の仕事やらないといけないの?問題は隠してバレないうちに残業して直そう…などなど。昔の開発現場を知るものとしては、とてもピュアで青臭いままではやっていけないだろうと思っていました。

そのような価値観でいたときには、そんな白くて青い価値観であるアジャイルで成果なんかでるんかな?と思っていたわけです。

だが、その青さと白さがよい

そしてPOとしてアジャイルなプロジェクトに関わっていったのですが、毎日毎日が大変だったわけです。

POなのでこれをやりたいとバックログに載せるのですが、開発のメンバーに色々突き上げられるわけです(笑)。どうなったらゴールですか?書いてあることが曖昧でよく分かりません。もっと分解してください…などなど。ちょっと泣きそう。

グダグダ言わず、要求したことやっとけよ。とも思うわけです。自分もエンジニア時代、企画や営業に言われるわけですよ。そういう価値観だったわけです。

でも確かに色々問われると感じるわけです。確かにこれでは分からないよな、今その機能要らないよな、これだけやれば確かに価値検証はできるよな、と。

そしてデイリースクラムは毎朝やり今日やることを確認する、夕方も毎日レビューがありました。そしてすごいのが夕方には動く物があるわけですよ。それで確認しておおこれがほしかった、いやちょっと違うかも。じゃあ明日どうしようかと話が進むのです。

関わっていたプロジェクトは開発だけしてもらうだけではありません。並行して価値の検証やビジネス開発もしていたため、私はユーザインタビューやビジネスモデルの設計にも関わっていました。それもスクラムの中で確認していきました。

そしてスプリントは2週間で、あっという間に終わる感覚がありました。2週間終わればレトロスペクティブで改善アクション、次の2週間もよろしくねとなるわけです。

毎日が忙しくアウトプットと成果を出していく…でもそこには日々インクリメントされる価値があり、間違っててもすぐに立て直しがされ、日々プロジェクトチームが強くなっていく。忙しさの中に充実感がありました。疲れるけど楽しい、そんなアジャイルなプロジェクトだったわけです。

そんな過ごし方って、白くて、青くなければできないなあと。当時自分は年齢的にももうすっかりオジサンでしたが、毎日ゴリゴリやってました。
アジャイルにスポーティさを感じたんですよ。そういう意味で白くて青い。貧弱な青白さという意味ではなく、爽やかな汗の流れる印象。それが私の中での白と青のイメージカラーです。

ときに顔を見せる黒さ

でも色々アジャイルプロジェクトをやっていると黒さを発揮しないといけない場面があるわけです。

最初の頃の自分のように、言ったことだけやれや、全部やれやという大人たちがいるわけです。忙しい、人が足りない、分かってるけどどうしようもない。とにかく文句言わずやれや、という。

そこでPOやスクラムマスターが活躍するわけですよ。大人達に調整をかけにいくわけです。仕様の落とし所はどこか、優先度調整はできないか、納期やスコープの調整はできるのか…

同じアジャイルの価値観でいれば、ちゃんとやることやっていればそこまで調整は難しくないでしょう。しかし価値観が違えば対話し続けるしかないし、説得し続けるしかない。最悪、受け入れるしかない場合もあるわけです。

ただ、「価値にならないことはやらない」「最小のリソースとコストで価値を最大化する」というのは本質的な話です。いかにアジャイルの持つ価値観や原則を壊さずに、異なる価値観の人と調整をするか…でも本質の話はよっぽど相手が愚かでなければ、納得感のある話です。

そのためには多少なりとも政治的な動きも必要ですし、交渉し続けることも必要になります。そのときは青さ白さだけでは成り立ちません。
アジャイルの現場を守るため、現場のリーダーやマネジャーは黒さを発揮しなければならない場合もあります。

そう、白さ・青さを守るための、黒さ。守りたい、そのアジャイル(笑)。

で、結局どこが好きなところなんだっけ?

すっかり当初のお題を忘れるところでした。

私がアジャイルが好きなのは、白さと青さ、そして黒さも合わせて持つことです。
そしてそれをバランス良く持ちつつ、状況に応じてうまく切り替えて動く…おお、まさに適応、アジャイルですな。

自分で言うのもアレですが、私はクソ真面目でピュアな面が多く、嘘も顔や言動に出てしまうタイプです。すっかりいい歳なんですけど、ちょくちょく顔を出してしまいます。(noteを見てくれてる人はもしかして感じているかもしれませんね)

でも社会生活をし、会社に所属してそれなりにうまくやっていく黒さも持ち合わせていると思います。どす黒くはなれませんが、世の中渡り歩くには黒さも必要ですよね。

アジャイルのいう「適応」は状況変化に柔軟に対応することですが、それって様々なギャップをうまく渡り歩こうとしているとも取れます。
アジャイルは基本に白さ青さを置き、そして適応するために黒さも発揮できる、そんなバランスの良さが私は好きなのです。


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