【コーチング】ナラティブ・アプローチ
あなたは自分の今と未来を「語る」ことができますか?
細かい説明は、検索いただいたり、添付を記事を見ていただければ早いのですが、仕事の中でナラティブ・アプローチを使おうと薦められて調べてみたのですが、アプローチがコーチングに似ていると感じました。
元々はカウンセリングの世界のものなので、カウンセリングをしないコーチングとは異なるのですが、ただ、このアプローチはビジネスの世界、マーケティングにも応用されています。
特にナラティブ・アプローチのポイントである「傾聴」「外在化」「話し合う」というアプローチはまさにコーチングのアプローチやテクニックにも通ずるものがあります。
傾聴してドミナント・ストーリーをつくる
ドミナント・ストーリーとは、その時点で語り手の人が思い込んでいる物語のことです。
聞き手(コーチングでいえばコーチ)は相手の話をよく聞きます(傾聴)。
悩みや迷いがあればネガティブが内容にはなると思いますが、聞き手はしっかりと語り手に向き合い、相手の状況を表出させて、言語化していきます。
これもコーチングで重要な語り手との信頼関係が構築されてこそ、心の中から語ってもらえるところです。
外在化して語り手が問題を客観視できるようにする
相手から語ってもらったドミナント・ストーリーの中の問題や悩みを、一旦語り手から引き離し、客観視できるようにします。このときもコーチングと同じように、何かをアドバイスするのではなく、問いかけによって語り手自ら言葉にします。
客観視するためにも、コーチングにおける傾聴・問いかけが役に立ちます。
特に今の現状を明らかにする中で、語り手にある「一般化」「レッテル」「思い込み」などの非合理的思考を問いかけの中で具体化していきます。
(ナラティブ・アプローチでは「反省的な問いかけ」というようです)
問いかけていく中で、語り手の「例外的な」部分を見いだします。
この例外的な部分とは、思い込みなどの非合理的思考の中で本人が自覚してないことで、基本はポジティブな内容です。
例えば、以下のような状況です。
語り手:「みんな、私には何も興味を持ってないのです」
聞き手:「本当にみんな興味がないのですか?話かけてきたことはないですか?」
語り手:「そういえば、何人かには、たまに相談されたりします」
オルタナティブ・ストーリーを話し合う
オルタナティブ・ストーリーとは、先の例外的な部分を元にしてつくる、ドミナント・ストーリーとは別の物語になります。基本はポジティブな物語です。
ここでもコーチングによる対話や問いかけと同じように、語り手の物語の言語化を支援していきます。
先の例を元にすると、オルタナティブ・ストーリーは以下のようになります。
「自分に相談されるということは、興味を持たれているし、頼られている」
このようにナラティブ・アプローチが聞き手と語り手の共同作業によって、語り手の現状の物語を言語化し、前向きな物語に置き換えていく流れは、コーチングにおけるコーチとクライアントによる共同作業に似ています。
ナラティブ・アプローチは、コーチングと類似する部分があり、コーチングの場でもちょっと異色の切り口として、活用できそうだと期待が持てました。
ナラティブとは、起承転結のある”誰か”のものである「ストーリー」ではなく、”自分自身の”物語になります。自分自身の物語であれば、熱く自信持って話せるはずです。オルタナティブ・ストーリーで現状をポジティブに捉え、そのエネルギーを将来のなりたい姿・達成したい目標に向けていきましょう。