【アジャイル】これこれ仕事から思うこと(第二章)
市谷氏の「これまでの仕事 これからの仕事」(略して「これこれ仕事」)を読んで思ったこと・感じたことを何回かに分けて書いていこうと思います。
第一章は昨日書きました。今日は第二章を読んで思ったことを書きます。
「目先の効率」から「本質的な問い」へ
忙しいとなると効率に目は行きがちです。既に事業として回っているなら多くのプロセスやルールは最適化され、コストダウンされて効率的に回るものになっているでしょう。それでずっと回していられる状況ならそれは問題ないでしょう。
効率化されたルールやプロセスの怖いところは何故それをやっているのか?を問わなくても成果が出てしまうことです。むしろ余計なことを考えずにやるからこそ、問題発生もリスクも最小化するわけです。
しかし世の中は変わってきています。どういう状況であれ、何故これが必要なのか?我々はどこに向かっているのか?我々の価値とは何か?という問いが必要です。問いがあると人は頭で考え始めます。考えるということは少しでも立ち止まるということ。そこで世の中や状況の変化を捉えることはできるようになります。
正解を効率的に欲しがる人たち
これまで新規系の不確実性が多いプロジェクトでもすぐに正解を求めてきます。研修においてもまずやり方を学んだり、気づきからの発見を促すような内容であっても正解が何かを知りたがります。うまくできないとそれに絶望感を感じる人もいます。いや、いまはできないことを認識できるだけでも十分なのに…
正解らしさをまず探すのが探索活動であり、仮説を元に検証して学びから次の判断をするのが適応です。これを回して正解らしさの確度を上げていく。そして新たな学びから分かることが増え、改善されてよりよくなっていくことが大事。
本にもありますけど、正解ばかりを求めている組織だと失敗するとすぐに退場させられることが多いです。しかし正しく失敗した人の学びこそが、不確実な時代には必要なのにそれが失われ、また正しい失敗未経験者が来る…これの繰り返しでは正解らしさには一生辿り着けない。
もちろんこれからの時代、人材は流動性が出てきます。その中でも組織としては場数を踏み、学びを得て組織として成長したものを属人化せずに受け継ぎ続けていかなければなりません。
自分も仮説構築と検証が圧倒的に足りてない
本を読んで感じたのは、組織アジャイルに取り組み、自分なりにはかなり組織運営もアジャイルに回し、チームとしても成長してきているという感覚があったのですが、仮説構築と検証が圧倒的に足りてない気持ちになりました。
確かにチームとしては進んでいるのですが、よくよく考えると私が加入する前の方針や施策を受け継いでおり、一応前には進めていて、ふりかえりもして改善し第一四半期が終わったらむきなおりもしようとしています。
しかし、ちゃんと仮説を立てて検証できているのか?というとちゃんと言葉にして取り組んでいるとは言えてないし、仮説がこうで結果がこうだから次はこうするという議論があまりできてないようにも思えます。問題が起きたら場当たり的に次のアクションを決めているだけ。問題として扱うのではなく仮説に対するギャップが何だから次はこういう仮説で、こういう結果を期待する、という話をしていないのです。
普段から仮説を回していくということが大事である、ということを改めてこの本から気づかされました。立ち止まれて良かった!