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行列ゼロのお店から学ぶ「選ばれる秘密」

今日は、僕が冬の寒い日に経験した、
あるクリスマスマーケットでの出来事を通じて、

「顧客の心に響く差別化」

についてお話ししたいと思います。

クリスマスマーケットでの“価値がない”差別化

あれは冬の夕暮れ、
手がかじかむほど冷えた日でした。

僕と妻は横浜の“クリスマスマーケット”に足を運びました。

会場は光り輝くイルミネーションに包まれ、
クリスマスソングが静かに流れています。

スパイスの効いたホットワインの香りや、
焼きたてソーセージの香ばしい匂いが漂い、
思わず寒さも忘れてしまうような、
あたたかい雰囲気でした。

僕たちは初めての参加で、
すっかり心がウキウキ。

「ホットワイン、絶対飲もうね!」
「チーズポテトも美味しそう!」

と、食べたいものを次々リストアップしていました。

しかし、ひとつ問題が。
どのお店も大行列だったのです。

「こんなに待つのはさすがに大変だね…」と妻と話しながら、
行列の少ないお店を探し始めました。

しばらくすると、
ひとつだけ、
まったく並んでいないお店を見つけました。

「ラッキー!」と思ってその店の看板を見てみると、
こう書かれていました。

『ファーストクラスの機内食が食べられるお店』

……一瞬、固まりました。
確かに目新しいテーマです。

けれど、寒い冬に「ファーストクラスの機内食」を食べたい人がどれほどいるでしょうか?

周りを見渡すと、誰もそのお店には近づこうとしていません。

一方で、ホットワインやソーセージを売る店の前には長蛇の列が続いています。

「これはちょっと違うね…」と
僕たちもその店をスルーし、

結局、寒さに震えながらホットワインの行列に並びました。

ニーズを外した差別化が招くリスク

ビジネスやマーケティングで
「差別化が大事だ」
という話はよく聞きますよね。

でも、このクリスマスマーケットでの体験が教えてくれたのは、
ただ目立つだけの差別化は意味がないということです。

「ファーストクラスの機内食」
というテーマは斬新でユニークですが、
この状況では「誰も求めていない」ものだったのです。

つまり、ただ他と違うだけでは、
顧客の心に響きません。

むしろ、ニーズを外した差別化は
リソースの浪費になりかねません。

例えば、こんな商品を考えてみてください。

  • ヘアカラー付きペットフード

  • LED搭載の爪切り

  • 折りたたみ式寝袋付きオフィスチェア

どれも「差別化」はされています。
でも、実際に必要としている人がどれだけいるでしょうか?

「ニーズを無視した差別化」は市場に受け入れられません。

それどころか、
顧客から「そんな商品いらない」
と思われるリスクを高めてしまいます。

成功する差別化の鍵は『顧客の視点』

では、どうすれば成功する差別化ができるのでしょうか?

その答えは簡単です。
「顧客が本当に求めているもの」を理解することです。

先ほどのクリスマスマーケットの例でも、
他のお店が行列を作っていたのは、
「寒い冬の日に暖まるホットワインやソーセージ」が、
訪れた人たちのニーズに直結していたからです。

一方で、「鼻セレブ」のように
ニーズを捉えた成功例もあります。

この商品は、保湿力の高いティッシュという特徴を、
「鼻を大事にする高級ティッシュ」としてリブランディングしました。

パッケージをかわいらしい動物に変え、
一目で「これを使いたい」と思わせた結果、
売上は10倍以上に伸びました。

僕たちが商品やサービスを作る際には、
常に「顧客が求めている価値とは何か?」
を考えなくてはなりません。


差別化を成功に導く『3つの質問』

差別化要素を考えるときに使える質問を3つお伝えします。
これを自分のビジネスに当てはめて考えてみてください。

  1. 顧客の最大の悩みは何か?
    あなたの商品やサービスが解決する具体的な悩みをリストアップしてみてください。

  2. その悩みに対して、他の選択肢とどう違うのか?
    他の商品やサービスと比べた際の「明確な違い」を洗い出しましょう。

  3. その違いは顧客にとって本当に重要か?
    差別化ポイントが顧客にとって「価値がある」と感じられるものであるかを検証してください。

この3つの質問を通じて、顧客視点の差別化を設計していくことで、
あなたの商品やサービスはより多くの人に愛されるようになるはずです。

最後に、もう一度大切なことを繰り返します。
「差別化は大事。でも、顧客が求めていない差別化は意味がない。」

顧客が本当に求めるものを正確に捉えることが、
ビジネスの成否を分けます。

今日お話しした内容が、
あなたの商品やサービスを見直すきっかけになれば嬉しいです!

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