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富士登山備忘録:スカルパのレベレラン

富士登山備忘録。靴について。


富士山に登ると、靴がボロボロになる。
今回アメリカから持って帰ってきた靴は、富士山でぼろぼろにしても良いと思った靴。
その捨て馬のつもりの靴が半端なく高性能だった。

私がその高性能ぶりに気がついたのは、登山翌日、靴を二階にある長い流し台でゴシゴシと洗っている時だった。
それまで、全然わからなかったのだ。
この靴の魔力を。

その靴の名前は、スカルパのリベレラン。
イタリアのメーカーと言われた。
https://www.lostarrow.co.jp/store/g/gSC25219001360/

この靴との出会いは、アメリカで。
仲良しのエリートランナーのマギーが、企業から送られてきたと言って私に分けてくれた。
マギーは、ウルトトラニングマガジンの表紙にもなるほどの一流ランナーで、発信力もあり、企業からのサンプルや接触が耐えない。

そもそもには、著名なトレイルレースであるウェスタンステーツ、ハードロックを今年制覇した、コートニーもこの靴をレースで履くことをかなり考慮していたそうだ。
しかし、川渡りなどの水捌け具合で本人の希望する仕様ではなく、他の会社の靴にしたそうだ。

靴の履き具合であるが、まず、幅広甲高の私には、トーボックス(靴の幅)は余裕があるとは言えないし、履き心地もよいわけではない。
かくして、これを自分で店頭で選ぶという選択は、私にはなかっただろう。
先ほども触れたが、今回、富士山で履くことにしたのは、富士登山で靴がぼろぼろになるので、もらいもののこの靴でいいんじゃないか、と思ったからだ。

しかし、私は自分があまりに無知だったことをあとで知る。
この商品のすごさは、翌日にならないとわからなかったのだ。

完全にハイキングで、ゆるゆるペースだったとはいえ、富士登山だ。
翌日、少々疲労が残っていたり、身体が痛かったりするもんだろう。
しかし、全く、いやはや、全く翌日の私には何もない。
それを自分の身体の強さだと自負し、おめでたく勘違いしたまま、靴を洗ったら、、、、、

出てくる、出てくる。
靴から小石が。

そうだったのだ。
こんなにもたくさんの小石や、そして砂もたくさん靴の中に入ってきただろうに、それが気が付かないレベルだったのだ。

それは、靴のへり(足首の周り)にあるゴム素材の軽いゲーターのおかげと、靴の設計構造による。
足首のあたりに来た、砂や小石が靴のへりにあるポケット状の部分にたまるようになっているのだ。

それは知らされてなかったので驚いた。

今朝、靴を洗いながら、じゃりじゃりと小石が靴紐のあたりのさらに内側にたまっていることに気がついた。指を入れてみると、伸縮性のがある生地と靴の甲の部分の間にポケットがあり、そこに小石がたまっていたのだ。

靴を履いている時には、全く違和感なく、それは靴を洗っている時に初めて気がついた機能。
これにはたまげた。げっ!!

時間はかかったが、指で小石を出してみると、出てくる出てくる、、、


しかし、こんなに小石がたまっているのに驚いた。
掘り出した小石を手に取ってみたら、ずっしりと重かった。
いやはや、靴を履いている時には全く気が付かなかった。

大した靴である。
重さは245g(女性)で、ドロップは4mm。

マギーが私にこの靴を譲ってくれた理由、つまり彼女の好みに合わなかったのはドロップ。
彼女は、ゼロドロップの靴を好んで走る。

この靴は、富士登山でボロボロになるだろう、と思ったが、使用前と変わらぬ仕様。
とても頑丈な靴だ。

マギーからの申し送りで、一つあったのが足首部分のゲーターのようなインナーの仕様。
彼女は、そこが足首に当たって痛かったと言っていた。
私も今回下りで結構気になり、山をおりて靴を脱いだら、アキレス腱の靴のインナーが当たる部分に靴ずれのような損傷ができてしまっていた。
ちょうどひどくなる前に靴を脱ぐことができたが、次回からは足の当たる部分にテーピングをするなど補強が必要。

それさえ対処すれば、非常に優れた製品である。

さすがコートニーが本番レースで履こうか、と考慮しただけある。



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