電子QSL: hQSL・eQSL・LoTWの違いは?
2024.4.21 最終更新
JARL QSLビューローの処理能力を超える枚数の紙QSLカードが大量に送付されて、転送までに1年近くかかる問題が発生しています。
2023年11月に、JARLからQSLカード発行枚数見直しのお願いが発表されました。紙QSLを電子QSLに置き換えることで、紙QSLを減らすことができます。
ところが、実際に電子QSLを利用するには、いくつかハードルがあります。電子QSLの主要な方式である hQSL・eQSL・LoTW には、それぞれに欠点があり、どれか1つだけを使うと不便な状況になることがあります。
電子QSLについての情報を検索しても、hQSL・eQSL・LoTW の違いについて分かりやすく説明しているサイトは、なかなか見られません。
そこで、3種類とも使用している筆者が、その違いを簡単に解説します。
hQSL
長所
デザインを自由に設定できる
受領・照合が簡単にできる
短所
Turbo HAMLOG 以外のログソフトは不可
日本国内のみ対応
ユーザー登録には、jarl.com のメールアドレスが必要
本名(姓)の公開が原則必須(2024. 1. 13追記: 非公開で登録している局を確認しました。何らかの理由があれば非公開にできるようです。)
サーバー側にデータは保存されない(バックアップは無い)
eQSL
日本語の解説は各自で検索ください
長所
世界共通
有料会員であれば、デザインを自由に設定可能(無料会員では、既存のデザインを選択)
アワードの機能がある(ただし、次の事情により国内QSOでは制約がある)
短所
日本語が使用不可
複数の自局運用地に対応するには、手動で別々のアカウントを作成する必要があり、受信も別々のアカウントで対応しなければならない。代替手法として、アカウントで登録したQTHとは別に、Remarks欄に自局の運用地を記載する方法がある(もちろん英語で)。そうすると、eQSL のアワードに使えない場合がある。
LoTW
日本語の解説は各自で検索ください
長所
世界共通
アワードの機能が充実
QTHは市郡区まで(個人情報は含まれない)
氏名は不要(同上)
短所
画像、自由記載欄が無い
RSTレポートが無い
データの削除ができない、override のみ(相手局と照合されることで有効となるので、日付や自局移動エリアなどを誤ってアップロードしたデータは、放置しても特に問題は無い)
国内のQTH表記に不備がある
町村はデータに無い
政令指定都市の市名が無い
兵庫県丹波篠山市は、市を認識しない。兵庫県のみ認識する。福岡県那珂川市は、QTHを一切認識しないで、一つ前のQTHに勝手に置き換わる。浜松市中央区・浜名区を認識しない(エラーが出てアップロード自体が不可、2024. 1. 13時点)修正されました。南陽市・観音寺市・山陽小野田市 の市名表記にバグがある。マスターデータで、ローマ字の n に続く aiueo y の前に ' が入っていると、文字化けするらしい。JCC番号は記載されているのでアワードには有効。
足柄上郡= Ahigarakami-gun と誤記
データの認識にバグがある。
ログの1行目を認識しないことがある。
複数のMY IOTAが含まれるログを同時にアップロードすると、2つ目以降のMY IOTAを認識できないらしい(筆者の推測)。
それぞれの使い分け
次のような使い分けが考えられます。
hQSL
Turbo HAMLOG を使っている
国内QSOがメイン(国内専用なので)
JARL会員(登録に必須)
受領・照合の手間を省きたい
eQSL
美しい電子QSLを受け取りたい
JARL非会員である、または、非会員から電子QSLを受け取りたい
LoTW
海外QSOがメイン
DXCCなどのアワードに興味がある
QSLカードを鑑賞しない
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