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中国でオススメの温浴施設。

コメントありがとうございます。

まだ全くこのnoteというSNSに慣れていないのですが、闇雲に記事を書いていたところ、noteの記事に対して、初めてコメントをいただきました。
中国でオススメの温浴施設を教えてくださいということです。

2012年から中国の温浴業界とは関わりを持たせてもらっている私ですが、特に上海市にフォーカスを当てて、ユーザー側の視点で、正直な話をさせてもらおうと思います。

その前に日本のお風呂の話。

ちょっと頭の固い話をします。

マクロな視点で話をすると、日本という国は温浴大国です。
以前のブログでも書きましたが、【温浴業界】という独自の業界が存在するのはほぼ日本だけではないかと思います。

というのは、日本人にとって「入浴すること」はそもそも生活の一部です。
人口比当たりの温浴施設が世界的に見ても圧倒的に多いのが特徴です。
道の駅、スポーツクラブ、ゴルフ場、介護施設、ホテルなどなど、どんな場所にもどんな施設にも、お風呂施設で商売が成立します。

一見関係ないように思えますが、これは日本の温浴業界のレベルの高さにも繋がっています。
日本における温浴施設は世界中から注目されるほど、ノウハウの宝庫であり、クオリティの高い施設となっています。

何が言いたいかというと、それだけ日本において温浴施設を作り上げるには専門性を必要とされ、かつ、法的な秩序が保たれているということです。

日本には【公衆浴場法】という法律があります。

温浴業界の人間にとってみれば、とても常識的な法律です。
ですが、よくよく考えてみたら面白くないですか?
たかがお風呂に対して、専門の法律が存在するんですから。

建築的な要件、設備的な要件、運営的な要件、事細かに定められている条例もまた、日本独自の厳しい法律です。
世界中を見渡しても、プール(もしくは+お風呂)に関する法律はあったりしますが、温浴施設、公衆浴場に対する独自の法律っていうのはほとんど存在しないんじゃないかなあと思います。

日本の公衆浴場には衛生管理について厳密な決まりごとがある。

なんだか話が難しい方向に進んでしまっていますが。

数も歴史もある日本の温浴業界では、失敗例も成功例もあります。
失敗例の代表がレジオネラ菌による死亡事故ではないでしょうか。
日本の公衆浴場法は特に衛生管理について厳しい規定があります。
ろ過装置についての基準であり、塩素管理についての基準であり、使用する浴槽水、配管ルートなどなど。
それでも事故が起きてるじゃないか、と言われればそれまでですが、それでもそうした事例を多くの業界関係者が知識として共有し、注意を払っていることでもあります。

レジオネラ菌による事故は残念ながら毎年のように起きている。

公衆浴場法だけではなく消防や保健所などの条例もありますので、それらを熟知した設計会社でなければ温浴施設を作り上げることは極めて難しいのがそうした理由でもあります。

難しい話はここまでにして、、
要するに日本の温浴施設は数が多いだけではなく、完成度の高い衛生管理の徹底された施設が多いということです。

中国で個人的にオススメできる温浴施設は極楽湯一択。

私もビジネス上、中国でも数多くの温浴施設とかかわりを持ってきました。

その中でも日本の設計会社やコンサル、設備を導入した温浴施設はたくさんあります。

ですが、こと衛生管理の視点において、極楽湯の右に出る施設は中国国内にはないと思っています。

オープン前に撮影をさせていただいていた極楽湯。
開業時間前にも衛生管理を徹底していました。

施設のコンセプトとして、衛生管理の維持、継続をできるかというと、かなり難しいと思います。
そうしたリスク管理、そもそもそのリスクの存在自体を知らないこともあるかもしれません。
ましてや、法的な規制がないのですから。

なんだか毎回毎回極楽湯と言い続けているので、なんだか極楽湯の使いの者みたいですが、中も外も見せてもらった上で、恐らく衛生管理において中国で極楽湯の右に出る施設はないと思います。

ただし、上海市ではこんな温浴施設も。

とはいえ、私はそこまでの潔癖症ではないので、中国で生活していた際には様々な温浴施設を体験しています。

サウナーとしてのオススメは、韓国式の温浴施設であるニュースター(纽斯洗浴)を推します。
岩盤浴もそうですが、サウナ&水風呂に関しては極楽湯よりも上かもしれません。

上海市内に4店舗のニュースター
上海市内の温浴施設でも最も古い歴史を持っています。

「中国七不思議のひとつ」と私が勝手に言っていますが、極楽湯のサウナは人気がなく、ニュースターのサウナはなぜだか人気ですね。
恐らく韓国式ということで、ユーザーがフォーカスする部分が極楽湯とニュースターでは若干異なることが原因なのだと解釈していますが、ユーザーが集まりやすい場所、注目しやすい場所に施設として力を入れるのは当然ですね。
なので、サウナーが比較的多いニュースターのサウナと水風呂の温度はかなり満足度が高いです。

衛生面は気になりますが、サウナや水風呂は雑菌が繁殖しにくい温度帯でもありますので、私は(潔癖症ではないので)そこまで気にしていません。
ちなみに外国人の方も結構多いのが印象的です。

お風呂以外の部分を楽しむのなら。。。

上海市で絶大な人気を誇っているのは漣泉大江戸でしょうか。

様々な日本企業を呼んでいたというニュースはありますが、中国人ウケしていると感じます。

私ももちろん体験していますが、何と言っても館内内装部分はいかにも中国人が好きそうな感じです。

細かいことはさておき、「日本庭園風」の内装。

桜の木があったり、畳があったり足湯があって、縁日の雰囲気が醸し出される導線、イベントやUFOキャッチャーなどの付帯施設も楽しめそうです。
日本のお祭り気分は楽しめそうですが、リラックスする、というには何とも向かないような気もしないでもないですが。

ちなみに中国全土で「大江戸」の冠名を持つ温浴施設がたくさんあります。
誰が誰を模倣したかはさておき、それだけ日本式と感じさせる代表格なのかもしれません。

まとめ。

思ったことをガンガン書いていこうとも思ったのですが、私が関わった施設さんもあるので、なかなか言いにくいこともありました。

また、これらはあくまでユーザーとしての個人の感想で、やはり温浴施設に何を求めるのか、で答えはだいぶ変わってくるのではないでしょうか。

他にも「浅深」というチェーン店は全国展開しているだけあって、なかなか豪華な作りになっています。
食事もバイキング形式になっていたり、セルフロウリュウを楽しめたりもします。
少し怪しい雰囲気もありますが。
「湯連得」も上海市内では4店舗運営されており、全体的にかなり出来栄えの良い施設です。

衛生管理を重視するのであればやはり極楽湯だと思いますし、サウナを楽しみたいのならニュースター、縁日気分を楽しみたいのであれば大江戸など。
そのほかの施設でも大きなプールがあれば、お子様連れでも適しているでしょう。
長く滞在するのであれば、食事も欠かせないポイントだと思います。

それこそ日本で生活をしていた人からすれば、それぞれのお風呂の楽しみ方もお持ちだと思います。

以前極楽湯の閉館時間まで滞在したことがありましたが、私の他にも日本人駐在員っぽい方が数名、日本の漫画を読み耽っていました。
日本人駐在員にとって、日本の文化に触れられるというのは、この上ない幸福感がある瞬間です。
彼らも私も、その瞬間、心からリラックスしていました。

こうしたそれぞれの温浴施設での幸せを自分なりに探してみることが一番大事なのかもしれません。

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