[参考にしよう]Gen.Gの高IQロータスについて
はじめに
今回はGen.Gのロータスについてまとめていこうと思います。最近の戦績では、マスターズ上海では優勝を果たしパシフィック初のマスターズ優勝チームとなりました。残念ながらチャンピオンズソウルではセンチネルズに敗れてしまい敗退となってしまいましたが、依然としてパシフィックの中では最上位に位置していると思います。彼らの強さを紹介するならロータスが一番わかりやすいだろうということで紹介していきます。
GenGの構成
構成はヴァイパーオーメンの2コントローラー構成になっています。パッチ8.08にてヴァイパーの大幅なナーフが入ったことで2コントローラー構成を採用するチームが減っていきましたが、GenGは基本的に2コントローラーを採用しています。ナーフされたとしてもヴァイパーを採用する理由があるのでしょうか。見ていきたいと思います。
GenGロータスDEFセットアップ編
GenGが主に行っていた防衛のセットアップはこちらです
ヴァイパーのトシックスクリーンをBサイトからAサイトのツリーにかけてかけることで、Aサイトの半分をトキシックスクリーンひとつで掌握することができます。これによりトキシックスクリーンが上がっている間はラーカーが前に進むのも難しく、Aを攻めようとしても索敵スキルの使用を強制されます。手前の情報を取るのに貴重な索敵スキルを使わせられるというのがトキシックスクリーンの強さになります。
またポイズンクラウドをCサイトに置くことで相手のエントリー時に衰弱が相手に入るだけでなくキルジョイのナノスワームによるコンボでサイト内で大ダメージを与えることができます。
2コントローラー構成の為、BCサイトはヴァイパーのスキルで遮断できるため、オーメンはAに置けます。Aサイトに1Wayスモークを置いたり、パラノイアで前に出て勝負ができたり、相手からするとAサイトの掌握に時間と労力がかかります。
ロータスポイント:1つのメインを完全に抑える
ディフェンダーにおいてのロータスは3メインのうちどこか1つのメインを完全に抑えておく必要があります。何故なら相手の攻め先を限定させておかないと3サイトに人員を分散させる必要があり、揺さぶられてリテイクが遅れやすくなったり、人数差で簡単にサイトを取られてしまったりと上手いように防衛がいきません。3サイトあるマップはそのような難しさがあります。ではGenGはどのサイトをどのようにして掌握しているのでしょうか。
GenGロータスDEFマクロ編
今回このNoteを制作するに参考にした試合はVCT pacificでのDRXとの一戦です。リンクを貼っておくのでこのnoteと照らし合わせながら見ていただけると幸いです。
GenGが主に行っていた防衛方法は上記の2枚です。画像をAとBに振り分けて考察していきます。基本的にGenGが行っていたメインの掌握はAメインです。理由としてはセットが単純でありながら強いということ。1WayスモークでAメインから出にくいなどの理由が挙げられます。防衛はAサイトが一番取りやすそうです。それですぐに寄るので無く、1人をAに残して寄るという形態をとっています。Aメインのプッシュに合わせBメインも前に出ることでAとBはかなり前目で情報を取ることができます。これによりCが濃厚なのではないかとサイトの行き先をほぼ絞ることができます。それだけでなくB前にいることでCからAのローテートの音も聞くことができ、早めの情報取りが可能になります。
防衛方法Aでは瓦礫にレイズを、Bではオーメンを置きますが、GenGは基本的にオーメンを瓦礫に置くことが多かったです。レイズを置いていた時は自陣側の武器が弱いときと、相手がAプッシュ対策として人数をかけてきた時にオーメンとフェイドだけでAメインを守るのが厳しくなったときにA3配置にしていました。オーメンをAに残す戦法は2コントローラー構成だからできる事かと思います。瓦礫上にシュラウドステップで乗ることもでき、またAメインに1wayを足し続けることもできるというのは相手の攻めを遅らせることができます。つまり前目で圧をかけることで味方の寄りを間に合わせることができるということです。
ヴァイパーもしくはオーメンがBメイン付近で音を聞いている時は総じてジャッジを購入していました。交戦距離が短く相手の不意を突ける位置にいるためです。それでラークやドライで上がってくる敵を倒し人数有利、もしくはイーブンにまで持っていっていました。こういった入る配置によって撃ち合いが生じた際に自分にとって有利になる武器を購入をすることも大事なことなのだなと感じます。
GenGロータスATKセットアップ編
GenGのセットアップは上記の画像のようになります。Aサイトにトキシックスクリーン、ポイズンクラウドを配置しオーメンのスモークの節約を行っています。それだけでなく、このトキシックスクリーンのかけかたによってAメインに少量の隙間ができます。この隙間を使えば上がっている間はハイドが可能であり、相手の不意を突くことができます。しかしそれは相手も同じことであり、ローテートをする際に、ローテート読みをしている敵にこの隙間を使われてキルを取られてしまう危険性もあります。実際に相手のDRXのMako選手がGenGのローテートの対してこの隙間を利用しキルを取っているラウンドがありました。詳しくは25ラウンド目をご覧ください。
エージェントを配置した画像にしなかったのはGenGは基本的にラークを置かない攻め方が多かったからです。全員で攻め込んで個々が打ち勝つような戦い方が多く、セットプレイというよりもチームプレイ寄りな攻め方が多い印象でした。ラークを挟む時は決まってCサイトに向かう時だけでした。これはB前からドアを開けられ挟まれるのを警戒するのと、Aメインで勝負をかけてくる人数が何人いるのかを確認する目的の為です。今回DRXはチェンバーを採用しており構成の都合、Cサイトはチェンバーが前目で押さえに来るのでどのサイトにどのくらいの人数をかけているのかが分かってしまえば、Cサイトの掌握が簡単にできるということになります。そのためCサイトに向かう時にはラークを置いていたのではないかと思います。
GenGロータスATKマクロ編
GenGの攻め方でこの試合の中で最も綺麗だったのはOTの攻め方です
迎えたOT。これまでGenGは相手のチェンバーのオペレーター、チェンバーアルティメットのツールドフォースに苦しめられてきました。ラウンドを追い上げられてしまった要因は間違いなく敵のオペレーターの影響があると思います。そこでGenGは攻めでありながらオペレーターを出すことでチェンバーとCメインで当たる選択肢を取ります。
これまでの戦い方的にCメインから覗くよりもCロング砂場の右からピークしてくるのではないかと考え、プラウラーを出しヒットしたのでそこをオペレーター勝負という流れを行いました。こう順序を見ていくと1つ1つのオペレーター対策がとても丁寧だということが分かります。それだけだなく、チェンバーがプラウラー破壊のために一発オペレーターを打っても引かないということを読み切って勝負を仕掛けていることもあり、心理戦にも勝っていることが分かります。
上記はチェンバーがキルを取られる前と取られた後の配置の画像です。チェンバーがオペでCロングを抑えられるのでAを三人でプッシュしていました。さらにブリーチを置くことで勝負を仕掛けてきた際にフォールトラインでのカウンタープレイを行おうとしているのが分かります。DRX側としてはB前にチェンバーのトラップもあるのでかなり優位的に立ち回れています。しかしそれはGenGを何回も苦しめているのでGenG側もわかっています。だからこそカバーラインがないであろうチェンバーのワンピックにここまでやっけになったのではないかと思います。実際チェンバーがキルされたことによって画像のように配置が入れ替わりました。
このキルによって人数不利になったDRXはCに来る可能性が増したために泣く泣くAメインを捨てざるを得なくなりました。さらにランデヴーもなくなったことによりBメインも怖くなったため大急ぎでBメインの確認にネオンが向かいました。その音はヴァイパーとキルジョイが聞けているのでAメインに人が少ないということが早い段階で特定できます。
ここでGenGはダークカヴァ―を1個使い入るような素振りを見せます。これに合わせてネオンがB進行を試みますが、ラークしていたキルジョイにキルされてしまい人数状況は3VS5に。この後A進行する際にフェイドがオーメンに倒されてしまいますがカバーキルを取ったことで2VS4。人数不利なのは変わりません。トキシックスクリーンとポイズンクラウドを上げAタワースモークを使いAと匂わせてのBプラントを狙いました。その時にレイズがBメインを抑えていたので前だけ警戒すればいい状況を作り11-12からの逆転勝利という形になりました。
このラウンドのマクロ技術はラウンドを重ねてきて相手の強みと弱み、自分たちの強みと弱みを理解した上での戦い方だったなと思います。その試合で相手の戦い方に適応し続けていった結果が逆転勝利というのは面白いものがあります。
最後に
今回はGenGのロータスを紹介しました。様々なチームがロータスをプレイしていましたが、GenGが全チームの中で一番マクロの組み立て方が綺麗でした。ヴァイパーが大ナーフされた今でも2コントローラー構成を使用しているのはマクロの上手さに自信があるのとヴァイパーのスキル運用がトップレベルに上手いからでしょう。もうそろそろロータスとアイスボックスが削除されスプリットとパールがマップローテーションに加わるため、もう時期ランクマッチでロータスのプレイができなくなりますが、無くなるまでの間はこのマクロ技術を利用してみても良いのではないかと思います。