[完全無欠]Team Hereticsサンセットについて
はじめに
今回はTeam Heretics(以下TH)のサンセットを見ていきたいと思います。マスターズ上海、チャンピオンズソウルでは2位を獲得しているTH。その安定した戦績の獲得は他のチームではなかなかお目にかかれないかなと思います。中でも目を引くのはサンセットであり攻め方守り方がどのチームよりも丁寧でした。
THサンセットの構成
THが直近のサンセットで採用した構成がこの2つになります。AがMINIBOO選手が在籍していた時の構成、BがPATITEK選手が在籍していた時の構成となっております。時系列としてはMINIBOO選手→PATITEK選手→再びMINIBOO選手という時系列になっておりますが、MINIBOO選手に戻ったチャンピオンズソウルでもBの構成を使っていました。なので今回はネオン採用の場合の攻め方、防衛方法と、レイズ採用とで分けて紹介していきたいと思います。
THサンセットATKネオン編
最初にTHが行った攻め方において完璧だったラウンドがこちらになります。ピストルラウンドを取られエコラウンドでのスタート。まずTHはBメインの取得に向かいます。それに合わせてミッドからのアクションがないかをオーメンとサイファーで確認したのち、中央タイルにオーメンを残しサイファーを含めた4人でBメイン取得に向かいました。Bメインを取ったらサイファーを残して逆サイトへの進行を行います。ミッドを4人で進行しマーケットに全員でなだれ込むことでマーケットのファイトに人数有利を持つことができます
上記の画像はマーケットのファイトに勝利した後にTHが行ったムーブメントになります。相手はサイファーがキルされた&マーケットからCTに上がってくる可能性があるためサイト内で耐える方針に切り替えます。それを見越して角にネオンのリレーボルトを入れることでサイト内を確実に抑えることができます。今回は角に2枚いたことによりリレーボルトが刺さりキルすることができました。ローテートの際は取得したポジションを簡単に手放さないようにそのポジションに必ず1人置いてローテートするのがオーソドックスなやり方のようです。
THサンセットATKネオン編2
もうひとつATKネオン編で紹介したいラウンドは21ラウンド目。THはBサイトの進行を狙います。ネオンをひとりでマーケットに向かわせてマーケットからプレッシャーを与えることで、マーケットも警戒させています。マーケットに対して威嚇射撃、リレーボルトを打ち込むことでオーメンにパラノイアを使わせることに成功しました。この行動により、相手のエントリーに対してのカウンタースキルを一つ消費させました。ここからがTHの圧巻すぎるBサイト制圧のやり方です。
THはオーメンのパラノイアが来たタイミングでパラノイアをマーケットに撃ち更にスモークをマーケット付近に炊きました。構図は以下の通りです
スモークを炊いたタイミングでヌルコマンドを使用しBサイトに入っていきます。これによって人数を寄せれてるとはいえサイト内での耐えが難しくなりました。入ってきたと情報があったのでゲッコーも急いでカバーに向かいますが、マーケットへのパラノイア、スモーク、ネオンがいたという情報もあって真っ直ぐにBサイト内へのカバーに向かうことができず、一度警戒のためスモーク付近で止まってしまいます。しかし実際のネオンは味方がエントリーするタイミングでメインにオーバードライブを使用し戻って、メインから進行していました。敢えてマーケットにスキルを入れたりアクションをかけたことで、入ったのではないかと警戒させ、カバーを遅らせることに成功しました。
さらにサイト内にハンターズフューリーを打ち込むことによってカバーキルを取らせないようにしたり、アルティメット発動中のため倒れても復活できるKey/Oから勝負を仕掛けていたりサイト内の戦い方も丁寧でした。これにより、寄りが遅くなったサイファー以外が全滅し、THのラウンド取得となります。
THサンセットDEFネオン編
DEFで紹介していくラウンドは11ラウンド目。これまでのTHの守りはネオンを活かしたファストリテイクを行ったり、それを対策されたらリテイク配置にしてセットプレイに変えてリテイクに挑んでいましたが、FUTの対策が上手く、思うようにラウンドが取れません。5VS1だったラウンド差も気づけば5VS5になってしまいました。今回最初はミッドを狙う作戦を取ります。しかしこれも対応されておりオーメンが倒され人数不利から試合は始まります。
しかしここからがネオンにしかできないファストリテイクとなります。この後の配置は以下の通りです
FUTは早めのプラントを行おうとしたためオーメンにスパイクを渡し、シュラウドステップを用いて早めにプラントをしようと試みます。相手はオーメンが落ちていることから、射線を分断されることをあまり考えていなかったと思われます。オーメンが入ったタイミングでペイント弾をバックサイトに投げ込んでおり、バックサイトの警戒に意識を置きすぎてマーケットからのピークに気づけていません。その瞬間画像の通りのセットを組まれ、それに加えて、リレーボルト+サイバーケージによりオーメンは倒されスパイクドロップが起こっていしまいました。サイトになだれ込んできた敵を倒そうと、ネオンが入ってきたタイミングに合わせてローリングサンダーを打ち込むもネオンのスピードが速すぎるためソーヴァしか捉えることができませんでした。もしこのローリングサンダーがネオンを絡めていれば、オーメンがサイト内で倒される可能性は限りなくゼロだったと思います。ソーヴァに対してショーストッパーを打ち込んで倒すも、CTから来たサイファーとサイト内でオーメンを倒し走ってサイファーと二段を即組んだネオンに、サイト内を壊滅させられてしまいます。その後にニューラルセフトをきられてしまい、ラークをしていたサイファーの位置を特定、キルが起こりTHのラウンド取得となります。
射線を覆えるスキルやスタン、パッシブスキルの足の速さで相手を翻弄できるネオンならではのリテイクのやり方でした。
THサンセットATKレイズ編
サンセットレイズATKで紹介するラウンドは4ラウンド目。THは早めにAエルボーの取得に向かいます。レイズがブラストパックで飛び、索敵のリコンボルトを入れエルボー手前を取りに行きます。早めのラッシュではありますがTHのサイトやプッシュケアなどが徹底していました。
ラッシュと言えど1個1個のスキルを丁寧に駆使し、敵の位置を確実に割り出すだけでなくメインプッシュを見る人を1人置くことで、カウンタープレイをしてこないかを確認し、入る直前にヌルコマンドを入れたことで安全にサイト内に入れるようにしました。スキルを雑に切るのではなく、素早く的確に切ることでラッシュの成功率を上げるだけでなく、相手にカウンタ―の時間を与えませんでした。THはマクロの性質上エリアを広げるようなプレイは少なく、サイト内で耐えつつ残っているスキルを使って相手を迎え撃つプレイが印象的です。これはネオンでもレイズでも変わりません。しかしエントリーの成功率やサイト制圧能力はレイズ構成のほうが上かなと思います。
THサンセットレイズDEF編
レイズDEFで紹介するラウンドはLEVIATAN(以下LEV)との一戦の28ラウンド目。
LEVは最初Key/Oのゼロポイントを避けて中央タイルからブリーチのフォールトライン、エルボーにリコンボルトを入れネオンがエルボーを取りに行きます。それに対してTHはBメインをオーメンとレイズで抑えているため、Aサイトはリテイク配置にしています。どちらかのメインを抑えていることで、相手の行き先を限定しているだけでなく、逆サイトは無理をさせない配置にしているのが特徴的です。
レイズを用いた華麗なるリテイクセットが以下の通りです
Aメインにワンウェイスモークを、エルボーにスモークをそれぞれ炊き、サイト内にリコンボルトを出し、アクションを待ちます。壊されたタイミングで設置上から黒コンテナのすべてがかかるようにパラノイアを放ち黒コンテナ裏にゼロポイントを入れ、レイズがブラストパックで黒コン裏まで飛びます。さらにレイズがピーク出来るようにフラッシュを入れることでサイト内を完全掌握に向かいます。これによりサイト内が壊滅、メインにいたサイファーはワンウェイスモークから無理にピークをしたことで倒されてしまい、THの勝利となりました。芸術的なスキル運用で相手に撃ち合うスキを与えなかったのが印象的でした。
ネオンとレイズ、運用するならどちらなのか
これまでTHのサンセットのネオンとレイズ構成の特徴を記載してきましたが、結局どちらが戦いやすいのか記載しようと思います。これは持論になりますが、レイズのほうがネオンよりもチームとして動きやすいのではないかと考えました。ネオンは足の早さ、スタン、スライディングと確かに強固なスキルを持ってはいるのですが、セットを組むのが難しかったりダメージスキルではないのでカバーが入ったりすると、トレードキルが生じる、もしくは一方的に倒されやすいと感じました。実際あのTHでさえも実践において味方のスキルを食らっていたり、カバーに出ようとしてボディブロックを起こし、まとめて倒されてしまう場面がありましたがレイズではそのような事故がなかったと思います。ブラストパックで飛ぶことによってファストリテイクやセットを用いたリテイクでスキルを食らってしまうのを回避できたりエリア制圧力が格段に上がっていました。
実際VCJでもfennelがサンセットでネオンを採用していましたが、思うように結果が出ず、レイズに変更してから結果が出ていました。ネオン構成はかなり洗練されたスキル運用やマクロ技術を求められるのではないかと考えました。
THもレイズ構成に変えてから緩急をつけた攻め方ができているようにも思えます。レイズのほうが相手を揺さぶるようなマクロが組みやすいのではないかと考えました
最後に
今回はTeam Hereticsのサンセットを記載しました。個人的にシーズンを通してサンセットの構成変更、ロースター変更があったためかなり時間がかかったNoteになりました。このNoteの製作中にサンセットの改変、ネオンの大強化が来てしまったため、この時よりかはセットや戦い方が変わっていくのかなと思いながら制作していました。そしたら今度はネオンのナーフが決定し、オーメンの一部のワンウェイスモークが使えなくなり、サンセットとアセントがランクマッチから外れフラクチャーとロータスが帰ってくるらしく、様々なメタ変更やマップ変更が行われていきます。今後THのマップピックはどこになるのか気になりますね。これからのEMEA地域の試合も楽しみになりました