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【疾患の特徴と主な治療法解説】05 視力矯正・近視・老眼~近くや遠くがぼやけて、生活に不具合が生じる

近視や遠視は遠くや近くがぼやけて見えない状態です。眼鏡なしの裸眼生活を送るため、手術で視力を矯正する方法があります。老眼は患者様の生活様式などを聞いた上で、手術も含めた、最適な治療方法を提案します。

※『名医のいる病院2023 眼科治療編』(2023年3月発売)から転載

疾患の特徴

網膜に焦点が合わず、ぼやけて見える

 カメラに例えるなら、近視や遠視はピントの問題、老眼はズームの不具合です。

 カメラの場合、被写体の像はレンズを前後に動かしてピントを合わせ、フィルムに画像を焼き付けます。同様に、人が物を見る時、目に入った光は角膜と水晶体を通り屈折して網膜に写し出されます。人間の目はリラックス状態の時、レンズ役の水晶体は薄くなります。近くを見る時、水晶体は周囲の筋肉、毛様体の緊張で厚みが増し、近くに焦点が合います。これが調節です。

 近視の眼は眼球の奥行きである眼軸長が伸びて長いため、網膜の手前でピントを合わせてしまいます。遠視は眼軸長が短く、ピントの合う位置が網膜より後ろにある状態です。

 老眼は水晶体が硬くなり厚みが変化しないことによる調節力の衰えです。45歳前後から近くのものが見えにくくなる原因です。

 目の調整力はジオプターという単位で算出します。これは焦点距離をメートルで表した際の逆数を取ったものです。例えば、焦点が合う距離が1mならば1ジオプター、3分の1mならば3ジオプターです。ちなみに….

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みなとみらいアイクリニック 主任執刀医
荒井 宏幸(あらい・ひろゆき)

医学博士。1990年、防衛医科大学校医学部卒業。1998年、クイーンズアイクリニック院長。日本眼科学会認定 眼科専門医。防衛医科大学校 非常勤講師