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「成功の実現」中村天風述

「成功の実現」中村天風述

中村天風

入社してすぐの頃、関西の実家を離れ一人暮らしを始めたり、慣れない仕事という環境の変化がしんどくてもう何もかもやめたいなぁと思っていた時、当時の出版局長(岡田氏)に「あんたこれ読みなさい!」と渡されたのが中村天風先生の本でした。

岡田に渡された時も「わあ分厚い本…これ読まないとダメかぁ」と思っていたのですが、いざ読み始めると語り口調なのですごく読みやすくてノンフィクションとしても面白い。
私は自己啓発本の類はあんまり好きじゃなくて、自他ともに認める陰キャなので「そんなことは頭ではわかっとるわ!これでやる気になるのは陽キャだけやろ!」と反発心を抱きつつ読み終わることも多いのですが、中村天風先生の本は、読み終わった時に「こんなどうでもいいことでウジウジしてる場合じゃなかったな。とりあえずやれることをやろう!」と本当に前向きな気持ちになれるので個人的に大好きです。

特に寝る前についての部分。

夜の寝際、できるだけ昼間関係した消極的なことを思い出さないようにすることであります。
思い出せば必ず考え出すもの。昼間というと語弊があります。目の覚めている間に関係したことは、目の覚めている間の事柄なんですから。
夜の寝床の中に入ったのは、これから寝るために入ったんだろ。
それとも、何か考えるために入ったのかい?
考えるために入ったんなら、この考えは役にたちませんぜ。
私は私の人生習慣のうえからお話をしているんだ。
私は夜寝るために床にはいるんです。
一日の疲れを休めて、またあすの生命の蘇りをいただくために、夜の時間を安息の時として床の中へ入る。
あなた方もそうだろう。
さすれば寝がけの気持ちは非常に大事なのであります。
(111.112P)

確かに寝る前って将来の不安とかネガティブなこと考えがちなんですよね。この本に出会うまではほぼ毎日、将来の不安とか人間関係とか、最悪な状況をシミュレーションして暗い気持ちで眠りについていた気がします。
でもそれってすごく無駄だし、一番あったかくてゆっくりできる時間なのに勿体なかったなと思います。
他の内容も、天風先生の経験談が凄まじすぎて、自分の悩みと比べるとなんて小さいどうでもいいことで悩んでいるんだろう…という気持ちになります。

京セラの稲盛和夫氏の推薦図書でもあります。
装丁も分厚くて立派なのに読みやすいので、年長者から若い人への入学祝や、就職祝いでも人気がある本です。

天風先生の他のシリーズも良い内容の本ばかりなので、また紹介していきます。

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