新年あけましておめでとうございます!
noteコーディネーターの玉岡です。
新年と言えば初詣、初詣と言えば神社ですね。
神社に比肩する、日本のシンボルと言えば?
そう、「城」です。
今回はこの書籍を取り上げます。
『武士目線で語られる 日本の城』
本書の著者は、数々のNHK大河ドラマにも資料提供を行う、日本中世史の専門家です。
構成はユニークで、なんと荻生徂徠の地の文に、解説がつくという形式。
本書は次の八章で展開されます。
第一章 「城」とは何か
「縄張」とは、城を形作る際に設計や区画整理を行うこと、あるいは行った 場所のことを指します。
第二章 城にふさわしい土地を選ぶ
城には多くの人が住まうため、当然飲料用水の確保は必須。
第二章で解説される「水源」の確保は興味深いです。
第三章 縄張に基づき曲輪を置く
曲輪とは「くるわ」と読みます。
第一章でも解説されているとおり、「縄張」 は、 この曲輪の配置を決める際に、実際に築城が予定されている土地で縄を張ったことに由来するのだそうです。
縄張と曲輪で守られた城も、時には自らを焼き捨て、降伏を否定する意思を表すこともあったのだそうです。
第四章 曲輪に設けられた軍備の数々
時代劇や映画でよくみられる、城壁にうがたれた穴から矢を射る場面。
それを「横矢」というのですね。
第五章 城郭を形づくる基礎
城のシンボルの一つとも言えるのが「石垣」ではないでしょうか。
当時は重機等も当然なく、人の手が石垣を積み上げます。
では、その名工とは?
第六章 攻防に活躍する建築物
城には、敵の侵入を防ぐ様々な仕掛けがあります。「門」や「櫓」はその代表ですし、「櫓」はもともと「矢倉」と書いたのだそうです。
そして、敵の攻撃に対する最終の防波堤が「橋」です。
橋に関する解説は特に興味深いです。
第七章 軍備を駆使して城を守る
第七章では、築かれた城をいかに守るかという視点から解説されます。
特に「兵糧」に関する記載、面白いです。
第八章 堅牢な城をいかに落とすか
ここまで、膨大な考証と資料を用いて詳述されてきた堅固な「城」。
最終章では、その城をいかに「落とすか」(!)というアクロバティックなまとめが行われます。
果たして、「城」はどのように落とされるのか、崩されるのか?
ぜひ、ご自身の目で確かめてみてください!