FF16クリア後レビュー ~復権は道半ば~
はじめに
お断り
FFは最新作が出ると鬱陶しい批評家もどきの素人が、セミように這い出てきて喚き散らす。このnoteもそういった類の物であることは予めご了承いただきたい
注意
・批判的な意見を多分に含みます。
・「評価」以降ネタバレを含みます。
筆者
・FF16は70時間程プレイ、一週目クリアして二週目(FFチャレンジ)途中
・FFシリーズは大体プレイ済
・普段はRPG中心でアクション・FPSは苦手
評価
点数:70/100
グラフィックやバトルなど個々のクオリティは高いが作品として全体がまとまらずバカが盛ったバイキングの皿のような作品。
細かいユーザビリティの改善は元がFF14のチームなので期待できるが、もっとも致命的なシナリオや演出はどうしようもないので70点とした。
既にPS5を持っていてアクションが好きな方にはお勧めできるが、RPGが好きで物語に浸りたい方には勧めない。
普段あまりゲームをしない人がわざわざPS5買う動機になる程のもではない
以下いくつかの要素に分けて細かく批評していく
※ネタバレを含みます。
シナリオ
致命的に悪い。序盤がクライマックスであり、それ以降は失速していく。組み立てた設定を生かすことなく、様々な問題を無視して進んでいく物語は、登場人物に感情移入できないまま終わっていく。期待外れと言わざるを得ない
物語の進行方法にも問題がある。章が変わるたび、新しい場所に着くたび、少し移動してNPCと会話しカットシーンという鬱陶しいフローを毎回行わせる。序盤は耐えられても終盤ではうんざりした。
正直、物語に関して指摘しだすと、台詞回し、キャラ、スクエニ(FFシリーズ)に対するメタ的な要素等きりがないので割愛する
世界観【〇】
FFの原点となる中世ヨーロッパ風の世界観に人・国家・ベアラー(奴隷)・ドミナント(兵器)・クリスタル(資源)が織りなす群像劇は近年のFFには無い陰鬱さとリアリティがあって引き込まれるものがあった
演出【△】
演出は戦闘と会話で明確に色分けされ、不協和音を感じた。
戦闘はアニメのようなカット割りと、簡素なQTE、派手なエフェクトが加わってパチンコのような印象を受ける一方で、会話はトラッキングによってリアリティある動きとなっているので続けてみると違和感が強い
戦闘演出は終盤に向けて派手になっていくのと同時にノリが古く「ダサく」なっていく、世界観とマッチしていれば「ダサい」ことは良い味付けになるのだが本作では単に滑稽に見え、不協和音に拍車をかけている
会話のカットシーンも終盤に向かう程冗長で鬱陶しく見ていられなかった。タイパや倍速視聴という言葉が生まれる今の時代にあっていない。
また、些末な点だがモーションアクターの演技についても言及したい。
ゲームの傾向的に映画の芝居が求められると思うのだが、いくつか舞台の劇団員のような誇張がかった芝居が混在していて嘘くさく冷めてしまった。
ATL【〇】
カットシーンのどこでも登場人物の解説を読み込め仕組みは素晴らしい
バトル
非常に手触りが良く、幅広い層にも心地よくプレイできる配慮がなされていた。アクション性のあるFFシリーズの中では間違いなく最高傑作だと感じた。
システム【◎】
召喚獣・アビリティ・アクセサリの組み合わせを試行錯誤しながら戦いを進める楽しさは間違いなくFFだった。
二週目以降や高難易度に関して物足りなさがあるのは事実で今後の改善に期待したい。個人的には武器や防具にも特性が欲しかった。
召喚獣【△】
多彩な状況を作って飽きさせないような工夫が見られたが、戦闘時間が長い
タイタンやバハムート戦は20~30分ぐらいかかるだろうか?今のテンポ感ではない
また、演出面になるがイフリートのラーニングは唐突すぎて笑った。相手を捕食したり、何かしら奪い取る描写は欲しかった
QTE【 ✕】
二つのボタンのみの操作で退屈。思わずコントローラーを強く握ってしまうような熱さを掻き立るものでは無かった。ほんとパチンコ
また、PS5で先行販売するなら、せめてアダプティトリガーを使った体験は欲しかった
エフェクト【〇】
派手で煌びやかなエフェクトは美しくFFらしく戦闘ともマッチしていたが、中世の世界観とは若干乖離しているように感じた。また、派手すぎて何をしているのか、するべきなのか不明な場面があった
グラフィック
グラフィックは概ね良かった印象、特に背景は生活様式まで本当によく作りこまれていた。
フィールド【〇】
広大で端々まで美しい作りだった。その土地の気候や文化・歴史まで考えて作られた街や地形は素晴らしいもので違和感なく楽しめた。
脱線するが、ゲーム性で見るとフィールドは退屈だった。「落とし物」と「戦闘」しかなく。マーリンの試練やコログのような要素は皆無だ。
空っぽの美しいフィールドはただの道になってしまい。ユーザーが観察や探求をする動機を失わせているように感じた
モンスター【〇】
グラフィックは良いのだが差分多く根本の種類が少ないのが残念だった。また、FF13のアダマンタイマイやFF15のクジャタのような驚き、サボテンダーやトンベリ等の定番がないのは寂しかった
キャラクタ【△】
ホストと揶揄されるFFっぽいキャラ作りとフォトリアルの中間といった造形でこの辺は好みがわかれそう(私はFFオリジンぐらいリアル路線が良かった)だがクオリティは高かった。
気になったのはアナベラやウェイドの加齢による変化が乏しい点だ、18年の歳月を感じさせないので非常に違和感が強かった
システム(UX)
全体を通して、遊び方を開発が指定するような窮屈感があった。
街中での移動速度制限や、廃村でチョコボから降ろされたり、ミニマップが無かったり、クエストジャーナル、ダメージ、エフェクトが邪魔だと感じても非表示にできない等、プレイスタイルが固められているのだ
最適な体験は個々の環境によって異なるので、柔軟にして欲しいと強く思った。
難易度【△】
変な造語ではなくEASY~VERY HARDまでの難易度表示で良かった。また、高難易度は一度クリアしてからでないと挑戦できないのは怠い。オート系のアクセサリ等ライト層へのフォローはしっかりしていたと思う。
UI【〇】
画面に沈まない視認性と読みやすい文字バランスだったが、戦闘画面のHPやLBゲージはもっと控えめでよかった。
説明文【△】
丁寧だが戦闘中の盛り上がる場面で差し込まれるので冷める。文字情報を画面に出すのではなく、それこそQTE等を使って体験としてユーザーに伝えて欲しかった
いくつかのユーザビリティはの改善を今後のアップデートに期待したい。
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