小説『ユリヤ/浅城麻絢』動画に込めた想い
●テーマを決める
●キーパーソンを決める
●5W3H/場所を決める
●脇役を決める
●なにを伝えたいのか
●読者に受け入れられるか
小説「ユリヤ」をkindle版で先行出版したのが、2014年11月でした。そして、書籍出版したのは2015年10月。私にとって記念碑的な出来事になります。
子どもの頃から本を読むのと文章を書くのがなによりも好きな私は、一生に一度は自分で本を書いてみたいという夢をひそかに抱いていました。
そして、そのための構想を練り始めました。何年もです。
物語を書くために最初に必要なのは、テーマ。次に、キーパーソン。つまり、誰を主人公にし、何のテーマで書くのかということです。
私にとって、ここが何よりも重要なポイントでした。それが決まりさえすれば、物語は自然に進んでいきます。
私はキーパーソンに女性を置くことを決めました。それによってテーマと方向性も見えてきました。「謎の女性・ユリヤ」の誕生です。
次の段階として、話の流れを具体的にどうするかが課題になります。ここで最初のつまづきが起こります。自分が何を書きたいのかをはっきり知ることが必要でした。「小説を書きたい」という意気込みだけではそれを実現するのは簡単ではないからです。
熟考した結果、出てきたアイディアは、主人公が誰かに影響を与えるというものでした。「彼女との出会いが人をどう変えるのか」という主題にしたのです。
それは、私の苦い体験がもとになっています。ある経験が私のトラウマになっていたからでした。
私は何年間も自分が判断したことにより、発生した結果をずっと後悔し続けていました。「あの時、こうしていたら」と何度思ったかしれません。しかし、時間は戻ってはくれないのです。
そのトラウマから逃れるにはどうしたらいいかを真剣に考えた結果、出た答えは「自分を許す」でした。
人は「選択」を繰り返しながら生きているというようなことがよく言われます。その通りだと思います。「選択」を繰り返しながら生涯を終えるわけです。それは永遠の真理なのですね。
人は一度ならず、誤った「選択」をしがちです。誰にでも経験があると思います。というよりも、「あの時、こうしていれば良かったな」と一度も思ったことがない人はいないのではないでしょうか?
「自分への許し」。実はこれこそが何よりも人を悩ませる要因だと気づかされました。何かトラブルが起こり、誰かを許し、仲直りすることは日常茶飯事ですが、肝心の「自分への許し」ができているかというと、なんとなく不透明な領域に迷い込んでしまいます。
つまり、人は許せても肝心の「自分」を許せていないことが「自己不信」「自信欠如」「不安感」の根底にあることを、ある日突然はっきりわかったのです。
★ ☆ ★
そうです。これまで「自分」を責めていたのは誰でもない「もう一人の自分」だったことがよくわかってきました。
「誰それが悪い」「ああすれば良かった」など人間関係においても、仕事においても「言い訳」ばかりだった自分をすべて許すことで、不思議なことに「自分」が愛おしくなりました。
「自分」が「自分」を愛すること、認めることがなによりも重要だと心の底から理解できました。
「自分」を許せなくては真の幸せはやって来ないことに遅まきながら気づいたのです。それまで、何か理由をつけては「自己防衛」「現実逃避」を繰り返していた自分と決別しました。
それからは生きることがびっくりするほど簡単になりました。いろいろな迷いが吹っ切れたのですね。「人の目」ばかりを気にして本当の「自分」を生きてこなかったことからの卒業です。
余談ですが、人と話をするのが好きな私は今までもたくさんの知り合いや友人たちのから『相談』を受けてきました。一種の『人生相談』のようなものです。私はなるべく地に足がついた答え方をしていたからか、よく「占い師さん?」とか言われます(^^♪
しかし、私などが「占い師」なれるほどその世界は甘くはありません。
☆ ★ ☆
心の奥底に潜んでいた、過去に間違った選択をした「自分」を許す・・・
それによって、「自分が書くのはこれだ!」と確信した私は一気に物語のなかに入っていきました。
主人公ユリヤが出会い、対話をする相手は誰にするか?内容は?人数は?どこで?まるで5W3Hですね。しかし、これが定まらないと先には進めません。
ここからが勝負です。具体的な詰めをしなければいけないのです。
そこで、ユリヤを中心に何人かを配置する案が自然と浮かんできました。できるだけ幅広い世代の人たちに読んでもらいたいので、50代、30代、20代、10代に設定しました。男女比も重要ですので、20代の男性をひとり入れました。
4人の人物が、自覚している・していないに関わらず、それぞれの悩みを内に抱え、とあるCaféにたどり着き、運命の女性「ユリヤ」と出会う。
そこから物語は始まります。
『あの時、こうしていれば』という永遠の問いに直面する彼らの「心の叫び」に耳を傾けてみませんか?
小説「ユリヤ」の動画を作ることを何年も考えていましたが、ようやく構想がまとまり、完成させることができました。
YouTubeにアップしていますので、よろしかったら視聴してみてくださいね。